ホーム > mixiニュース > スポーツ > 野球 > 球界ワンポイント禁止検討 「変則サウスポー」久古や「松井キラー」遠山の本音は?

球界ワンポイント禁止検討 「変則サウスポー」久古や「松井キラー」遠山の本音は?

19

2020年01月28日 17:00  AERA dot.

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AERA dot.

写真久古さんは大学・社会人を経て2011年にヤクルト入団。15年には貴重な左キラーとしてヤクルト14年ぶりのリーグ優勝に貢献した。引退後はデロイトトーマツグループに勤務(撮影/写真部・松永卓也)
久古さんは大学・社会人を経て2011年にヤクルト入団。15年には貴重な左キラーとしてヤクルト14年ぶりのリーグ優勝に貢献した。引退後はデロイトトーマツグループに勤務(撮影/写真部・松永卓也)
 ここぞという場面で、たったひとりのバッターのためにピッチャーを代える。野球のそんな「駆け引き」が、近い将来、見られなくなるかもしれない。AERA2020年2月3日号は、ワンポイント・リリーフとして活躍した投手たちに本音を聞いた。

【松井キラーだった遠山さんの現役時代の写真はこちら】

*  *  *
 バットが空を切ると、甲子園球場が大歓声で、揺れた。

 1999年6月13日、阪神対巨人の大一番。7回表二死三塁の場面で、阪神ベンチは巨人の代打・石井浩郎選手を敬遠、次打者の松井秀喜選手と勝負することを選択した。そのとき、阪神の投手としてマウンドに上がった遠山昭治さん(当時の登録名は奨志、52)はこう振り返る。

「指示を聞いて驚きましたよ。松井くんが怒っているのは顔を見なくても伝わってきました」

 松井選手はその前年、本塁打と打点の2冠王に輝いていて、当時すでに日本最強のスラッガーだった。前打者を敬遠し、あえて松井選手と「左対左」で勝負する。誰もが驚く場面だったが、遠山さんは見事、松井選手を空振り三振に仕留めてピンチを脱した。

 この年、遠山さんは松井選手を13打数ノーヒットと完璧に抑え込んだ。そのほとんどが松井選手ひとり、あるいは1イニング以下でマウンドを降りる、いわゆるショートリリーフだった。

 遠山さんのように、特定の打者を抑えるために登板する投手を「ワンポイント・リリーフ」と呼ぶ。重要な場面で起用されることが多く、投手交代の妙を楽しめる野球の見どころのひとつだ。しかし、いずれそんな場面が見られなくなるかもしれない。米・大リーグ(MLB)は今シーズンから、「投手は最低でも打者3人と対戦するか、イニング終了まで投げなければならない(故障・急病の場合を除く)」という新ルールを導入する。事実上のワンポイント禁止だ。試合時間の短縮を図るのが目的とされる。

 冒頭の場面に照らすと、仮に松井選手を打ち取れなかったり四球を与えたりして次の打者が回ってきても、ピッチャーを交代できない。今のところMLBで導入されるだけで、日本のプロ野球は今後1年かけて検討するという。しかし、これまでも大リーグに追随して日本でもルール改正されるケースが多かったことから、波紋が広がった。

 ワンポイントで活躍した投手たちは、この流れをどう見ているのだろうか。

 件の遠山さんは「ワンポイントは戦略」だとして、戦略を狭めるルール変更に異を唱える。

「頭を使い、戦略で戦うのが日本野球のおもしろさで、ワンポイントもそのひとつ。使う、使わないは監督次第ですが、取れる戦略を狭めれば野球が均一化してしまいます」

 現役生活を振り返りながら影響を指摘する元選手もいる。

「仮にこのルールがあったら、僕はここまで現役を続けられなかったと思います」

 そう話すのは、元ヤクルトの久古(きゅうこ)健太郎さん(33)。変則のサウスポーとして知られ、2018年に引退するまでにプロ生活8年で228試合に登板したが、投球回は160回2/3。シーズンごとに見ても、投球回が登板試合数を上回った年が一度もない、典型的なショートリリーバーだ。久古さんは入団時から、「対左打者のワンポイント」での起用を明言されていた。

「左のサイドスローでシュート回転する僕のボールは左打者向きで、僕自身も左をどう抑えるかにフォーカスしていました。“ワンポイント禁止”ルールがあったら武器を生かしづらく、必要とされなくなるのも早かったと思います」(久古さん)

 一方、ルール導入については必ずしも否定しない。

「現段階で導入する意義は感じませんが、大事なのはファンがどう考えるか。戦略的な投手交代を楽しみたいという声が多いなら避けるべきですし、投手交代で流れが切れるのがイヤだというファンが多いなら導入もありだと思います」

 ファン目線での熟議が必要だ。(編集部・川口穣)

※AERA 2020年2月3日号

このニュースに関するつぶやき

  • 左のワンポイントとか、左殺しの打者とか、一芸に秀でた選手がスター選手に立ち向かってゆくのは、見ている方がしびれるような駆け引きがあって、野球の醍醐味なんだけど、それを無くすと野球がつまらなくなる。
    • イイネ!0
    • コメント 0件
  • また「駆け引きの妙」が減るの?。まぁ・・・「申告敬遠」は我慢(←理解ではなく我慢w)してやるとして、ワンポイントの禁止はなぁ。「弱者の兵法」でもあるのにね。>続く。。。
    • イイネ!6
    • コメント 1件

つぶやき一覧へ(12件)

あなたにおすすめ

ニュース設定