キャサリン妃、ホロコースト生存者達を撮影「悲劇を決して忘れない」

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2020年01月29日 11:02  Techinsight Japan

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ホロコースト生存者の84歳の男性、孫2人と(画像は『Kensington Palace 2020年1月27日付Instagram「As part of the commemorations for the 75th anniversary of the end of the Holocaust, The Duchess of Cambridge has taken photographs of two Holocaust survivors with their grandchildren.」』のスクリーンショット)
国際ホロコースト記念日の1月27日、キャサリン妃が撮影したホロコースト生存者の写真が公開された。キャサリン妃は子供の頃に『アンネの日記』を読み、大変心を打たれたそうだ。心の奥深くに刻まれたアンネ・フランクの言葉からインスパイアされ、今回の写真撮影を行ったという。オランダの画家ヨハネス・フェルメールの作品を思い起こさせる写真には、生存者達が体験した想像を絶する悲劇のストーリーが隠されている。

1945年1月27日にアウシュビッツ強制収容所が解放されてから、今年で75年になる。国際ホロコースト記念日である27日、キャサリン妃が撮影した2人のホロコースト生存者と孫達の写真が公開された。ホロコースト・メモリアルデー・トラストとジューイッシュ・ニュース、王立写真協会(RPS)によるプロジェクトで、今年1月初旬にケンジントン宮殿で撮影されたものだ。

写真のモデルに選ばれたのは、ホロコースト生存者のスティーブン・フランクさん(84)とイヴォンヌ・バーンスタインさん(82)だ。2人から実体験を聞いたキャサリン妃は「彼らは悲しい過去の経験を振り返るだけではなく、悲劇を乗り越えたことに感謝している」とし、「彼らの体験談は、永遠に私の心に重くのしかかるでしょう。わずかな生存者の方々に直接会い、こうして話を聞けるのは大変貴重なこと。彼らが乗り越えてきた想像を絶する悲劇を決して忘れないよう、彼らの記憶を未来の世代へと残していくことが大切です」と語った。

モデルになった一人、アムステルダム生まれのスティーブン・フランクさんは数か所の強制収容所に入れられたという。写真ではスティーブンさんの2人の孫、マギーさん(15)とトリキシー・フリートさん(13)が鍋とトマトを手に持つ祖父を温かい目で見つめている。鍋はスティーブンさんの母親が収容所に持って行ったもので、トマトは家の温室(グリーンハウス)で自家栽培したものだ。

スティーブンさんには8歳の頃、テレージエンシュタット強制収容所で囚人男性が栽培するトマトの水やりを手伝った思い出がある。男性はある日ポーランドの収容所へ送られることになり、スティーブンさんにトマトの世話を任せた。解放後もスティーブンさんは75年間自宅でトマトを育て続け、水やりをするたびに男性のことを思い出すという。

もう1枚の写真では、ドイツ生まれのイヴォンヌ・バーンスタインさんが孫のクロエさん(11)にユダヤ人(Jewish)であることを示す“J”のスタンプが押されたドイツの身分証明書を見せている。イヴォンヌさんは子供の頃、ナチスから逃れるためフランスへと渡った。イギリスで仕事をする父母に会いに行こうとしたが戦争が勃発し、叔父と叔母に引き取られたという。

国際ホロコースト記念日75年になる今回のプロジェクトは、英紙ジューイッシュ・ニュースのジャスティン・コーエン氏が考案した。ホロコーストの犠牲者に敬意を表するとともに、生存者が英国で築き上げた生命を祝うことを目的とする。プロジェクトでは生存者達が、キャサリン妃の撮影した2枚を含む合計75枚の写真に収められた。これらの写真は英国内の展示会で今年中に公開される予定とのことだ。

画像は『Kensington Palace 2020年1月27日付Instagram「As part of the commemorations for the 75th anniversary of the end of the Holocaust, The Duchess of Cambridge has taken photographs of two Holocaust survivors with their grandchildren.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)

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