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新型のコロナウイルスが急速に拡大している中国の湖北省武漢から、在中邦人がチャーター機で緊急帰国をする事態になっている。帰国者の中には、入院し肺炎と診断されている人も出ている。
(参考:iPhone SE2の製造・出荷計画、コロナウイルスで大打撃? 工場閉鎖の可能性も)
イギリスのゲームスタジオNdemic Creationsが配信する『Plague Inc.』(プレイグインク)は、病原体をつくり、世界全体に感染を広げて、人類を滅亡させるシミュレーションゲームだ。
もともとは病気の大流行と伝染について公衆に教育するツールとして開発されたものだが、『SensorTower』によると『Plague Inc.』は1月21日に中国の有料iOSアプリダウンロードチャートでトップに到達したという(参考:https://sensortower.com/ios/cn/ndemic-creations/app/plague-inc-wen-yi-gong-si/525818839/overview)。
・「単なるゲーム」だが「悲惨なほど関連性高い」
『The Verge』は「中国でのコロナウイルスの発生後『Plague Inc.』の人気が急上昇。開発者は、単なるゲームであることをプレイヤーに念押し」と報じている(参考:https://www.theverge.com/2020/1/27/21083737/plague-inc-developer-coronavirus-outbreak-game-popularity-china)。
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『Mashable』は、ビデオゲーム『Plague Inc.』が、進行中のコロナウイルスにより人気が急騰。悲惨なほど関連性の高いゲームだ」と報じている(参考:https://mashable.com/article/coronavirus-plague-inc-video-game/?europe=true)。
開発元のNdemic Creationsは『Plague Inc.』がエンターテイメントであり、病気の拡散をモデル化する科学的なツールではないとし、「楽しいかもしれないが、救済することはできない」と強調している。
Ndemic Creationsの創設者ジェームズ・ヴォーガン氏は、西アフリカでエボラウイルスが流行した2014年に『Plague Inc.』への影響を初めて確認したと述べる。その際『Plague Inc.』無料版のダウンロードは、50%増加したという(参考:https://www.polygon.com/2020/1/27/21083420/plague-inc-player-boost-coronavirus-outbreak)。
・開発元『Ndemic Creations』が緊急声明を発表
今回の事態を受けて『Ndemic Creations』は公式サイト上で、下記のように声明を発表している(参考:https://www.ndemiccreations.com/en/news/172-statement-on-the-current-coronavirus-outbreak)。
「中国でのコロナウイルスの発生は深刻で懸念されており、プレイヤーやメディアから多くの質問を受けています。
『Plague Inc.』は8年前にリリースされ、病気が蔓延する度にプレイヤーが増加しています。人々は病気の広がり方やウイルスを理解しようとしています。
現実世界の深刻な問題をセンセーショナルにすることなく、リアルで有益なゲームになるように設計しました。しかし、『Plague Inc.』は科学的なモデルではなくゲームです。
現在のコロナウイルスの発生は、多くの人々に影響を及ぼしている、非常に現実的な状況であることに留意してください。プレイヤーには、保健機関から直接情報を取得することを勧めます」
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『Plague Inc.』をプレイして、感染病への理解や意識を高めるのは、意義のあることだろう。しかし、ゲームの内容を全て鵜呑みにして、コロナウイルス対策に使うのは問題とのことで、バーチャルな世界と現実のリスク管理を混同して考えてしまうことには、くれぐれも注意したい。
(Nagata Tombo)
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