フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、これまで何度か古巣レッドブルへの復帰を噂されてきた。しかしレッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、ベッテルの復帰の可能性を否定している。
2019年シーズン、ベッテルはF1のパドックでレッドブルの上層部と会話を交わしているところを何度か目撃されていた。これにより、ベッテルが2009年から2014年まで在籍して、4度のF1チャンピオンとなったレッドブルへの復帰を考えているのではないかという憶測を呼んだ。
その憶測に加えて、ベッテルと彼のフェラーリでのチームメイトである若いシャルル・ルクレールとの間にはあつれきがあるという事実がある。だがマルコは、ベッテルがレッドブルに戻るとは考えていない。チームは最近、マックス・フェルスタッペンとの契約を2023年まで延長したのだ。
「マックスとの契約を延長したので、名前がVで始まるドライバーをふたり抱えることにはならないだろう。財政面だけでも非常に難しいことになる」とマルコは『Motorsport-Magazin.com』に語った。
フェルスタッペンとレッドブルとの新契約では、レッドブルは彼に年間4000万ユーロ(※約48億円)と、追加でボーナスを支払うことになると見られている。そしてベッテルも高い年俸を要求することになるだろう。
マルコはベッテルについて、彼は今もF1のトップドライバーであると語った。
「もしセバスチャンが落ち着ける環境で、彼のドライビングスタイルに合うマシンを持てたら、彼は間違いなくトップになるだろう」
「セバスチャンは非常に正直なアスリートであり、政治的な面について知ることを望まないし、争いを好まない」
「一方ルクレールは、マネージャーに(ニコラス)トッドがいるおかげで(政治面では)有利だ。トッドは間違いなく政治的な分野すべてにおいて非常に優れているからね。だが彼(ベッテル)は、彼のパフォーマンスで対抗できる」
■チーム離脱のリカルド&途中加入のアルボンへも高評価
マルコは、2018年シーズン限りでレッドブルを離脱してルノーへ移籍したダニエル・リカルドについて、最速のドライバーのひとりであると高評価を下している。
「チームの雰囲気は良い。だが彼が去ってからは、あれほど陽気ではなくなった」
「彼は最速のドライバーのひとりであり、必要な時はすぐに(前を走るライバルに)追いつくことができた。そして彼の冗談も懐かしいよ」
一方2019年シーズンの後半にピエール・ガスリーと交代する形でレッドブルに加入したアレックス・アルボンについても、大きな期待を寄せている。
「アレックスは非常に良い仕事をしている」
「彼はF1マシンのテストの経験もなくチームに加入したのに、(ルイス)ハミルトンに衝突された第20戦ブラジルGP以外のすべてのレースでポイントを獲得していた。彼は自己批判的で、何を改善すればいいのか分かっている。そうしたことすべてが非常にポジティブだ」
「2020年は彼がフェルスタッペンの良いチームメイトになることを期待している」