プロゲステロン投与により次の妊娠における流産を防げる

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2020年02月07日 02:01  妊活・卵活ニュース

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妊娠初期のプロゲステロン投与による効果
バーミンガム大学、Tommy's National Centre for Miscarriage Researchは、「American Journal of Obstetrics & Gynecology」(1月31日発行)にて、2件の臨床試験を通して、妊娠初期の流産を経験した女性に限り、次の妊娠において妊娠初期にプロゲステロンサプリメントを服用することにより出生率は向上すると発表した。

また、「BJOG」(1月31日発表)では、妊娠初期の流産を経験している場合、次の妊娠において、妊娠初期のプロゲステロン投与は費用対効果が高いと報告している。

プロゲステロンは黄体ホルモンであり、月経サイクルに伴い、卵巣から自然分泌される。また、妊娠初期においては、受精卵の着床に備えて子宮環境を整え、満期産まで妊娠を継続するために胎盤から分泌される。

これまで、プロゲステロンは、妊娠初期の流産および妊娠初期の出血を経験した女性に投与することにより、次の妊娠における流産率が減少するといわれている。

妊娠初期の流産・妊娠損失と妊娠初期のプロゲステロン投与
「American Journal of Obstetrics & Gynecology」(1月31日発行)にて発表された研究論文では、臨床試験2件「PROMISE」「PRISM」を通して、妊娠初期のプロゲステロン投与による効果が検証された。

「PROMISE」は、イギリス・オランダ45医療機関にて、2回以上の流産・妊娠損失を経験した女性約840人を対象に実施された。流産経験のある女性が妊娠初期にプロゲステロンサプリメントを服用することにより出生率は3%向上したが、統計的有意性は疑わしいと報告された。

一方、「PRISM」では、イギリス48医療機関にて、妊娠初期に出血した女性4000人以上(16〜39歳)を対象に、妊娠初期の流産を1回以上経験した女性にプロゲステロンを投与したところ、プロゲステロンを投与した女性は出生率が増加した。

研究チームは、妊娠初期の流産・妊娠損失を経験した女性には、次の妊娠において妊娠初期にプロゲステロンを投与することにより出生率は改善すると結論付けている。

しかしながら、プロゲステロン投与の効果は妊娠初期の流産に限定され、妊娠初期(妊娠12週まで)の出血を経験した女性では、プロゲステロン投与による次の妊娠における出生率は大差なく、大きな改善は認められなかった。

(画像はshutterstockより)

American Journal of Obstetrics & Gynecology

BJOG

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