KERENMI「ROOFTOPS feat. 藤原聡」がバイラルチャート1位 蔦谷好位置の“翻訳力”や“実験性”が表れたプロジェクトに

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2020年02月11日 08:02  リアルサウンド

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写真Spotify「バイラルトップ50(日本)」
Spotify「バイラルトップ50(日本)」

参考:https://spotifycharts.com/viral/jp/weekly/latest


 Spotifyの「バイラルトップ50(日本)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top 50チャート」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたプレイリスト。同チャートを1週間分集計した数値の今週分(2月6日公開:1月30日〜2月5日集計分)のTOP10は以下の通り。


1位:KERENMI「ROOFTOPS feat. 藤原聡」
2位:YOASOBI「夜に駆ける」
3位:森七菜「カエルノウタ」
4位:Tetsuo「馬と鹿」
5位:落合渉「君が隣にいることいつか当たり前になってさ」
6位:Matt「予想もつかないStory」
7位:Billie Eilish「bad guy」
8位:King Gnu「白日」
9位:LiSA「紅蓮華」
10位:三阪咲「We are on your side」


 グラミーの主要部門を総なめし、ますます勢いに乗るビリー・アイリッシュ。日本でもドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(日本テレビ系)の主題歌に起用されている「bad guy」が急上昇するといった現象も興味深いが、今回は前週の18位から一気に1位へとジャンプアップしたKERENMI「ROOFTOPS feat. 藤原聡」について取り上げたい。


(関連:『関ジャム』プロデューサーに聞く、“マニアックでポップ”な音楽番組の作り方


 そもそもKERENMIとは、YUKI、Superfly、ゆず、エレファントカシマシ、米津玄師、JUJU、back number、[ALEXANDROS]、Official髭男dismなど、多くのアーティストへの楽曲提供やプロデュース、アレンジを手掛けてきた人気プロデューサー・蔦谷好位置のソロプロジェクトだ。


 蔦谷好位置という名前を耳にしたことのある音楽リスナーは多いだろうが、実際に彼が一人のアーティストとしてどのような音に興味関心を持ち、どのように自身の音を作る人なのか、という部分については、あまりスポットが当たってきていないように感じる。個人的に、その側面を見る(聴く)ことができたのは、かつてJ-WAVEで木曜ナビゲーターを務めていた『THE HANGOUT』だった。J-POPプロデューサーとしてのイメージが強い蔦谷が、洋楽・邦楽のオススメを満遍なく紹介するなど、音楽オタクとしてのパーソナリティを如何なく発揮。その解説もアーティストの独りよがりではなく、“先生”としていちラジオリスナーにわかる範囲まで咀嚼・翻訳して伝えてくれることに、いたく感動したのを覚えている(その素晴らしさは『関ジャム 完全燃SHOW』での立ち振る舞いにも共通する)。そんな彼の“翻訳力”のすごさが如実に出ているプロジェクトがKERENMIだ。


 話を戻すと、今回の「ROOFTOPS feat. 藤原聡」は、ボーカルにOfficial髭男dismの藤原聡を迎えた一曲。AbemaTVオリジナル番組『オオカミ』シリーズの最新作『月とオオカミちゃんには騙されない』挿入歌としても注目を集めている楽曲だ。藤原がOfficial髭男dismで見せる、R&Bを下敷きにした生音重視のポップソングではなく、打ち込み主体で近年のR&B〜HIPHOP〜ゴスペル的な譜割りと歌唱が際立っている。BACHLOGICによる、歌を前面に出すのではなくウワモノとトラックの間に置いたMixも絶妙で、世界を見据えてスタートさせたプロジェクトであることも納得の出来となっている。


 そもそも、蔦谷はOfficial髭男dismの「イエスタデイ」と「宿命」でプロデュースと共同編曲を手掛けているのだが、「イエスタデイ」を改めて聴いてみると、蔦谷はこの段階で、すでに藤原とこの手の音楽が合うことを見抜いていたのかも、と思ってしまう。Official髭男dismとしても、アルバム『Traveler』のラストトラック「Travelers」でデジタルクワイア×ゴスペルへの適性を見せており、今回の「ROOFTOPS feat. 藤原聡」は、2人がJ-POPのフィールドで行ってきた“ささやかな実験”の延長線上に実った果実といってもいい。


 そして、KERENMIの手札は「ROOFTOPS feat. 藤原聡」だけではない。3月4日にリリースされるアルバムには、大森元貴(Mrs. GREEN APPLE)、Chara, 高岩遼(SANABAGUN.)&GOODMOODGOKU、奇妙礼太郎、大比良瑞希、SALU & Michael Kanekoと、音楽好きとして「そこを突くか!」と叫んでしまう絶妙なラインナップが揃っている。それぞれの楽曲が日本や世界でどう受け入れられ、2020年代の音楽シーンに風穴を開ける一枚となるのかを楽しみに待ちたい。(中村拓海)


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