小学生の頃、学級文庫に必ずといっていいほど怖い本の類がありましたよね? 要は怪談話とか本当にあったとされるオカルトな事件、都市伝説を集めたような本。髪の毛が伸びるお人形さんや口裂け女みたいなお話をぞくぞくしながらクラスで回し読みした覚えがあります。漫画雑誌にも必ずホラー物(怪奇漫画といっていました)がありました。
子どもは怖い話が好き、というのは万国共通のようで、この映画は1980年代にアメリカの子どもたちの間で流行った"Scary Stories to Tell in the Dark"という本をベースにしているそうです。アメリカ版「学校の怪談」みたいな本だと思っていただければ。
映画は、この"Scary Stories to Tell in the Dark"自体が呪いの本という設定。ハロウィンの夜のある事件がきっかけでこの本に関わることになった6人のティーンが怪異な事件にまきこまれていくという展開。一人一人がこの本に書かれていくスケアリーストーリーズ(怖い話)の主人公に仕立てられていきます。"怖い本"自体を主役にするという凝った構成で、1本の筋の通った話であると同時にオムニバスとして楽しめるのです。
そしてあの挿絵を見事に再現したモンスターたちが登場します。
中でもインパクト大なのはthe Pale Ladyと呼ばれる、白い女のクリチャー。オバQと貞子を足したような、Jホラーに出てきそうな怪物ですが、これもスティーブン・ガンメルのデザインがベース。他のモンスターが文字通り襲いかかってくるのに対し、このthe Pale Ladyはじっくり迫ってきます。