2月7日にTOYOTA GAZOO Racingから発表された2020年のスーパーGT GT500クラスの参戦体制。6台中唯一のヨコハマを履くTGR TEAM WedsSport BANDOHには、初めてのGT500フル参戦となる宮田莉朋が加わり、国本雄資とコンビを組むことになった。すでに1月にマレーシアのセパンで行われたウインターテストで走り込んだ宮田に、フル参戦初年度への意気込みを聞いた。
宮田は1999年神奈川県生まれ。レーシングカートで数々のタイトルを獲得した後、2015年からFIA-F4に参戦。2016年・2017年とFIA-F4で初の連覇を達成した。並行して2017年からは全日本F3選手権にも参戦し、2019年は惜しくもサッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark F3)との戦いのなかでタイトルは逃したが、ランキング2位となった。
そんな宮田は、2018年からSYNTIUM LMcorsa RC F GT3を駆りスーパーGT GT300クラスに参戦。2019年のオートポリスでは劇的な初優勝を飾っているが、第2戦富士では、WEC参戦のため欠場した中嶋一貴に代わってau TOM'S LC500もドライブ。GT500デビューも飾っている。
そして迎える2019年、レギュラードライバーとしてGT500クラスにステップアップを果たすことになった。所属するチームはTGR TEAM WedsSport BANDOH。“先輩”である坪井翔がそうだったように、ヨコハマを履くTGR TEAM WedsSport BANDOHはテストも多く、GT500習熟にはうってつけのチームとも言える。
セパンでTGR TEAM WedsSport BANDOH入りから初めてのテストに臨んだ宮田は、国本とともに非常に精力的に周回を重ねていった。豊富な経験をもつ国本も「まったく問題ありません」と宮田の走りを評している。
そんなチームとともに走らせたWedsSport ADVAN GR Supraは、このセパンテストがシェイクダウン。しかしそんな雰囲気もあまりなく、トラブルなくテストメニューをこなしている。GRスープラ勢はテストでも好調ぶりが見て取れ、WedsSport ADVAN GR Supraも活躍が期待できそうだ。
「(GT500での)レースは2019年に一度しか戦っていないのですが、GRスープラは非常に良い印象をもっています。見た目もカッコいいですし、気に入っています」と宮田は新たな“愛機”となるWedsSport ADVAN GR Supraについて語った。
また、今季は王座獲得が至上命題と言える全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権への参戦も決まっているほか、OTGからTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Raceへの参戦も決定。2019年同様、多くのカテゴリーでドライブする予定だという。また、昨年も脚光を浴びたWTCRへの再チャレンジを見据えているのに加え、鈴鹿10時間等で「海外チームからのオファーがあれば」と世界への挑戦も望んでいる。
ちなみに、このテストで宮田はさっそくTGR TEAM WedsSport BANDOHのブルーのウェアを着ていたが、これまでのキャリアではレッド系のウェアが多く、あまりブルーの印象がない。その点を指摘すると「まだ爆走坂東組に馴染めていなくて……(笑)」と苦笑いを浮かべた。