2PM「My House」が“チャート逆走”で再注目 改めて考えるグループの強み

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2020年02月17日 11:42  リアルサウンド

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2PM『No.5』

 2PMが2015年に発表した「My House(우리집=ウリチブ)」が韓国で注目を浴びている。現在、2PMはメンバーの一部が兵役中のため、グループでの活動を休止している状態だが、今年に入って突如この「My House」のYouTube動画が話題になり、音源チャートの逆走というドラマを生み出した。


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 今回は、この「My House」の逆走を機に、改めて2PMの魅力について考察してみたい。


■他のアイドルにはない2PMの魅力
 今回の現象の始まりは、「My House」のMVと音楽番組のステージがYouTubeのアルゴリズムによって推薦されたことからだった。アルゴリズムによって勧められた2PMの動画をたまたま見た人たちが、他のグループ達にはない“元祖野獣アイドル”たちの魅力に気づいたのだった。なぜ、約5年前の彼らの映像に惹かれたのだろうか?


 2PMは2008年8月29日「Hottest Time Of The Day」でデビューしている、すでに活動10年を超えたグループだ。デビュー当時は少しやんちゃでアクロバティックなパフォーマンスが得意なグループという印象で、キラキラした王道のアイドルというよりは、最初から男らしさと野生っぽさをアピールしていた。


 “野獣アイドル”というコピーで有名な2PMは、服を脱ぎムキムキに鍛え上げた身体を惜しげもなく見せつける。筋肉隆々のメンバーたちは、完全に他のアイドルグループとは異なる地位を築いていった。


 「My House」では、デビュー当初ほどの露出はないものの“大人の男性”としての魅力を存分に出している。6人のメンバーたちはシャツにカラフルなスーツをラフながらもピシッと着こなし、華やかなパーティに現れる。そして美しい女性に一目惚れをし、“僕の家”に誘うのだ。“It‘s alright 僕の家に行こうよ It’s alright ただし 誰にも気づかれないように”というストレートに誘うサビの歌詞は、2PMの持つ大人っぽさと相成り、多くのリスナーをうっとりさせ、そして“10分後にあそこの前で待ってて”と歌詞が続いていく。この曲はメンバーのJun.Kが作詞作曲をしており、2PMの魅力を一番分かりきっているからこその楽曲と言えよう。


 女性の手を引くような動作が印象的な「My House」のダンスは、TWICEのモモを始め、後輩たちがカバーなどをしていることでも有名になっている。今回のチャート逆走と同時に飾らないラフな格好での2PMによる練習動画も話題になり、再生数を重ねている。最初から同時期デビューのグループとは少し違う路線を歩いてきた2PMは、今改めて多くの人に彼らが持つ“大人の男の魅力”を知らしめたのだ。


■日本での人気を確立をさせたものとは?
 2PMは日本でも人気グループの地位を確立している。アリーナツアーや東京ドーム公演を行なうほどの人気を得た彼らの魅力に、日本のファンはいち早く気づき、長く応援してきたのだろう。活動休止中である現在もその人気は続いている。


 実際、日本における彼らのシングルは2PMの“大人っぽさ・雄々しさ”をアピールするものが特に多い。彼らの人気とイメージを確立させたともいえる「I‘m Your Man」は日本での2ndシングル曲だが、韓国語版として韓国でも音楽番組などで披露された。シャツからネクタイを外して踊る振り付けは、“ネクタイダンス”と呼ばれ、そのセクシーさが話題になった。今でもコンサートの定番曲としてパフォーマンスされるが、終盤のシャツのボタンを外すシーンで客席は大きく盛り上がる。


 「Beautiful」(2012年)では物憂げな男性の哀愁をバラードに乗せて表現し、「Guilty Love」(2015年)においては、ファンクでダンサブルなサウンドと、派手ではないがどこか色気を纏うダンスに、2PMにしかこの世界観は出せないと思ったものだ。


 なぜ2PMが日本でここまで長く人気が持続してるのかというと、息長く応援したいというファンの気質もあるかもしれないが、それだけでなく“野獣アイドル”から生まれた2PMらしさに“大人っぽさ”“セクシー”が加わり、2PMの軸は変わらないものの、さらなる進化をしているからだろう。


■30歳を超えて円熟味を増した2PMへの期待
 彼らが活動休止前に発表した最後の曲が「Promise (I’ll be)」だ。テギョンの自作曲であるこの曲は、MVがかなり刺激的だ。まさに“大人の世界”である。ベッドの上で女性とはしゃぐJun.Kの姿も見られ、女性との絡みのあるMVは今までもいくつかあったが、年齢を重ねた彼らだからこそ出来たMVだともいえるだろう。


 現在、アメリカ国籍のため兵役のなかったニックンの他に、除隊したテギョンとJun.Kが音楽活動を行なっている。ウヨン、ジュノ、チャンソンが戻ってきて完全体になるまでには少し時間が掛かるが、彼らの魅力が今回の「My House」により大衆にアピールされた。30歳を超えてさらに円熟味を増した2PMの姿をに見せてくれることを今から期待したい。(西門香央里)


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