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ケガ人続出のアトレティコを、チーム最大の武器が大一番で後押しする

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2020年02月18日 05:52  webスポルティーバ

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 アトレティコ・マドリードにとって今シーズンの大一番、チャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16第1戦が刻一刻と迫っている。

 欧州王者であり世界王者のリバプールは、プレミアリーグ17連勝中と圧倒的な成績で首位をキープし、CL連覇を目指す強豪。今冬の移籍市場でザルツブルクから補強した日本代表FW南野拓実は、2月15日のプレミアリーグ第26節ノリッジ戦でベンチ外となっているため、この試合の出場は微妙なところである。

 チャンピオンをホームに迎えるアトレティコは、アントワーヌ・グリーズマン(現バルセロナ)やディエゴ・ゴディン(現インテル)など、相次ぐ主力の退団により変革を迫られ、今シーズンは苦しい時間をすごしている。そんな状況下でもCLではグループリーグを勝ち抜き、1月のスーペルコパ準決勝ではバルセロナを破り、スペインビッグスリーの面目を保った。

 しかしその後、コパ・デル・レイ(国王杯)では、セグンダB(3部相当)のクルトゥラル・レオネサにまさかの敗北を喫し、リーガでは勝ち点獲得に苦しんでいる。第24節終了時点で、首位レアル・マドリードに勝ち点13差、2位バルセロナに12差をつけられているだけでなく、クラブ規模ではるか下のヘタフェにも勝ち点2上回られ、4位だ。

 得点力不足はシーズン開幕時からの課題だが、最近のアトレティコは、セットプレーでの失点の多さが目立っている。ゴディン在籍時は攻守にわたりセットプレーが大きな武器だったが、それもすでに過去の話。直近の試合となった2月14日のリーガ第24節バレンシア戦でも、2度のリードをセットプレーから追いつかれた。今季リーガとCLでは、総失点の45%に当たる9ゴールをセットプレーでやられている。

 ディエゴ・シメオネ監督はそのことについてバレンシア戦後、「今、我々は当時と同じ特長を備えておらず、攻撃も守備も違う形でやっている」と弁明し、トーマス・パーティは「集中しないといけないが、運がない時もある」と語っていた。欧州5大リーグでヘディングやCKでのゴールがもっとも多いリバプールを抑えるためには、早急な対策が必要となるだろう。

 そして、左サイドバックがチームのアキレス腱だ。シメオネはレナン・ロディのパフォーマンスに満足しておらず、すでに途中交代を10度行なった。守備の選手にしては非常に多い数字である。

 バレンシア戦では前半のうちにロディがイエローカードを受けたという理由はあったが、シメオネは今季、ロディ、サンティアゴ・アリアス、サウール・ニゲスと、3選手を左サイドバックに起用している。リバプール戦で対峙する相手はモハメド・サラーとなるため、シメオネがどのような対策を打つのか注目となる。

 また集中力がゲーム終了まで続かない試合が多い。これまでは1点さえ取れば堅固な守備を披露し、ほぼ勝利を掴みとっていた。しかし今季は、リーガ12試合で先制点を決めながらも、バレンシア戦を含み4試合で同点に追いつかれている。

 と、ここまではネガティブな要素ばかり挙げたが、ケガ人復帰はポジティブな要素だ。2月4日のリーガ23節グラナダ戦では、キーラン・トリッピアー、アリアス、ホセ・ヒメネス、エクトル・エレーラ、ジエゴ・コスタ、ジョアン・フェリックス、アルバロ・モラタの7選手が負傷欠場した中、ケガから回復した大黒柱のコケがアンヘル・コレアのゴールをアシスト。公式戦5戦連続未勝利だった悪い流れを断ち切った。

 続くバレンシア戦ではアリアスがスタメン出場、モラタが35分間プレーし、ヒメネスがベンチ入りした。とくに守備の要であるヒメネスの復帰は、強力なリバプール攻撃陣と対峙するための重要な要素となるだろう。

 また、バレンシア戦で挙げたマルコス・ジョレンテやトーマスらMF陣のゴールは、チームに新たな可能性をもたらし、リバプール戦に向けたいい流れを感じさせている。

 そしてアトレティコには、盲目的に信頼されている大きな武器がある。それはホームスタジアムのワンダ・メトロポリターノだ。今シーズンここまでの公式戦成績は15試合で9勝5分1敗(リーガ12試合7勝4分1敗、CL3試合2勝1分0敗)。唯一の敗北はバルセロナ戦のみ。アトレティコは熱狂的なサポーターの後押しを受けながら、ホームスタジアムを難攻不落の要塞とした。

 さまざまな要素を踏まえると、アトレティコはリバプール戦に向けて”堅守速攻” で勝機を見出すことになるだろう。セットプレーの守備に危うさはあるが、それでもリーガ総失点数は17と、16失点のレアル・マドリードに次いで屈指の堅守のチームであることに変わりはない。そして、前線にはここ最近チームを救うゴールを決めているコレアなど、速い選手を擁している。

 しっかりと守備ブロックをつくってリバプールの攻撃陣を抑え込み、少ない手数で素早くゴールに迫る。アトレティコが近年、強者に対して展開してきた伝統的な戦い方が見られるだろう。

 リバプール戦スタメンのGKは4シーズン連続サモラ賞(リーガの1試合平均最少失点GK賞)に輝くヤン・オブラクが務め、そしてトリッピアーが欠場する右サイドバックは、長期のケガから復帰したばかりのシメ・ヴルサリコではなく、アリアスの先発が濃厚だ。

 CBではヒメネスと、出場停止を除き公式戦22試合連続出場で絶対的なレギュラーに成長したフェリペがコンビを組み、左サイドバックは穴となる可能性があるものの、ロディが再びプレーすると予想される。

 中盤ではシメオネの絶大な信頼を得ているアトレティコのカンテラーノ(育成組織出身)の3選手、コケ、サウール、トーマスの先発が確実視されている。今年に入り調子を落としていたサウールとトーマスだが、コケの復帰とともにパフォーマンスを高めてきた。

 中盤残りひと枠は好調のマルコス・ジョレンテに再びチャンスが与えられる可能性が高く、グラナダ戦やバレンシア戦のようにクアドラプルボランチ(4枚のボランチ)を形成し、リバプールに対抗すると考えられる。

 決戦2日前となる2月16日のトレーニングに、トリッピアー、エレーラ、ジョアン・フェリックスは参加しておらず、リバプール戦出場は絶望的となっている。その一方、ジエゴ・コスタは全体練習に参加しており、大一番での戦列復帰に向けてラストスパートをかけているが、メンバー入りはギリギリまでわからない。

 そのため、ここ2試合は応急処置としてコレアとビトーロが2トップを組んでいた前線については、ケガ人の回復次第だが、戦い方のベースはカウンターに変わりはないはずだ。そしてこれまでの流れと実績を踏まえると、モラタとコレアの2トップを選択するのが妥当だろう。

 リバプール戦に向けてマルコス・ジョレンテは「難しい対戦となるけど、僕たちはしっかりと準備できているし意欲に溢れている。間違いなく僕たちはうまく成し遂げられる」と意気込みを語ったあと、「サポーターが僕たちを大いに助けてくれるはずだ。火曜日は特別な試合なので、彼らは僕たちと100%一緒にいてくれるだろう」と希望を述べた。

 ビトーロは「とても強いチームがやってくるが、僕たちはサポーターと共にホームでプレーする。彼らは僕たちを鼓舞してくれるはずだ」、ヤニック・カラスコは「アトレッティで最も大事なのはハートを持って全力でプレーし、コンパクトになり一致団結することだ。サポーターは僕たちが100%以上の力を出せるように大きなエネルギーを与えてくれる」とコメントしている。

 このように、大一番に向けて選手たちが口にした共通ワードが「サポーター」だ。

 熱狂的なサポーターの後押しを受け、”難攻不落の要塞”で迎える大一番は2月18日に開催。チケットが発売初日に完売したことでも証明されるように、この日はアトレティコ全ファミリーにとって、今シーズン最も重要な日と言っても過言ではないだろう。期待が高まる一戦は、間もなくキックオフされる……。

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