ワーママのモヤモヤ整理します 第9回 保育園に落ちても受かっても……保活ママが抱えるモヤモヤ

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2020年02月18日 15:32  マイナビニュース

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連載「ワーママのモヤモヤ整理します」は、託児付きランチサービス「ここるく」の経営者で、育休復帰・働き方改革のコンサルティングも手掛ける山下真実さんが、ワーママのモヤモヤを整理・解消に導いていく企画です。

今回は番外編として、ここるくで開催されたイベント『【座談会】保活のモヤモヤ整理します! by山下真実』の様子をレポート。『保育園に入ろう! 保活のすべてがわかる本』の著者で、保活のプロでもある山下さんは、保活にまつわるモヤモヤを抱えたママたちの思いをどのように整理していったのでしょうか。

○保育園に受かっても抱える複雑な思い

座談会に参加したのは、0〜5歳の子どもをもつ4人の女性たち。みな同じワーママでありながら、置かれている状況はまったく異なっていて、働き方やキャリアについても、違ったモヤモヤを抱えていました。

「ちょうど保育園の通知がきて、落ちてしまったところなんです。実は0歳のときは受かっていたのですが、子どもと過ごす時間が少なくなるのは寂しいと思い、申し込みを断りました。その時の選択が本当によかったのかなって思うこともありますね」

そう話すのは、1歳の息子をもつ保育士のAさん。息子と長くいっしょにいられることに対してはうれしい気持ちもある反面、復帰できない現状にモヤモヤしていると言います。

一方で、正反対の思いを抱えているのが2児の母であるBさん。晴れて春から保育園入園が決まりましたが、それでもモヤモヤとした気持ちを抱えているとか。

「まさに先日通知がきて、1歳の2人目は第1志望の保育園に入れました。それなりに激戦区だったので心配していたのですが、入れるとなった瞬間に離れるのが寂しくなっちゃって。こんなにかわいい子と、あと2カ月しか一緒にいれないと思うとつらいです」と複雑な思いを語ってくれました。

これについて山下さんは、「ワーキングマザーは、保育園に入れてもモヤモヤするし、保活をする中でもずっとモヤモヤしますよね。同じように悩む人は少なくないです」と話します。

○保活の時期も場所も決め切れないモヤモヤ

「何に悩んでいるかすらも把握できていない」、そんな思いを吐露したのが、5カ月の子どもを持つCさんです。

Cさんは、夫の転勤により2年間地方で暮らし、先月都内に帰ってきたばかり。育休中であるものの、すでに2020年度入園の1次募集が締め切られた後に戻ってきたため、保活で遅れをとってしまったというモヤモヤを抱いています。

「すでに出遅れ感があって、今後どのように保活を進めるか、決め切れていません。育休は来年度まで延長できるのですが、ほかにも決まっていないことが多すぎて……。例えば第2子もほしいから育休中にもう1人産もうかなとか、自宅の購入も検討しているから、そもそも保活はどこですればいいのかなど、悩みが多すぎて収拾がついていません」

これに対して山下さんは、「外部要因に揺れ動くものが多すぎて、私がCさんであっても混乱しそうです。引っ越し場所も決まっていない、2人目についてもいつ授かるかわからない……。どれを今するのか先にするのか、自分1人では決められないことにモヤモヤするのかな」と分析します。

Cさんは、「うれしいことに選択肢が少なくないからモヤモヤするのかもしれません。もしレールが1本だけ敷かれていたら、『これに乗ります』と言って迷うこともないのですが、『あっちもある、こっちもあるけどどう?』と言われている感じです。何も情報がない中で、入り口で選択をするのってどうなんだろうなって。もし1回でも経験していたら、『いったんこれに乗って乗り継ぎすればいいや』と思えるけど、やったことがないからそれもわからないんですよね」と語っていました。

そんなCさんに、山下さんはこんなアドバイスを送っていました。

「選択肢の1つとして、認可外保育園を確保するのはアリだと思います。今後転居した場合も、住んでいる自治体には関係なく利用し続けられるのがメリットです。さらに、認可保育園にアプライした時に、加点がつく可能性もあるため、先を見据えた選択になると思いますよ。ただ、認可外保育園は千差万別で、加点のつき方も自治体によって異なるので、そのあたりは事前にきっちりと調べておいた方がいいかもしれません」

さらに選択肢が増えたCさんではありますが、山下さんのアドバイスを受けて、少し表情が柔らかくなったのが印象的でした。

○「なんとかなる」と行動すれば、きっとうまくいく

最後にご紹介するのは、5年間の育休からまもなく復帰する予定という2児の母・Dさん。こんな悩みを打ち明けてくれました。

「上の子は幼稚園に通っていて、下の子は幼稚園併設の保育施設に通うことが決まっています。その幼稚園は、給食や延長保育がついていて、ワ―ママにとっても通わせやすいところなのですが、周りに同じような境遇で幼稚園に通わせている人がいないので、果たしてこの体制でちゃんと復帰できるのかなと、モヤモヤしています」

それに対して山下さんは、「Dさんの『復帰できるのかな』という言葉が気になります。どういうところが特に不安ですか?」と問いかけます。

Dさんは、「希望通りの時短勤務なので、そこに不安はないのですが、頼れる人が少ないことへの不安はありますね。緊急時にはベビーシッターをお願いできるよう準備をしたり、同じマンションの友達に預けられる体制を作ったりと、できることはしているのですが、夫や親に頼れる状況ではないので、そこが1番心配なのかもしれません」と話していました。

そこで山下さんは、こうエールを送りました。

「これまでいろいろな人に会ってきましたが、うまくいく人といかない人の差って『なんとかなる』と思ってとにかくやってみるかどうか、だと感じています。とにかくやってみることで経験が積めるし、うまくいかなくても、次の方法に変えることができますよね。そういうことを繰り返すうちに、うまくできることが増えていくと思うので、まずは気負わずに『きっと大丈夫』と思って取り組んでみるといいかもしれません」

今回の座談会では、保活における悩みは、自身のキャリアと密接にリンクしていることがよくわかりました。自分なりに工夫を凝らして対策を万全にしても、いざ飛び込んでみないとわからないことがたくさんあるため、ワ―ママたちはまるでいばらの道を勇ましく歩く勇者のようにも思えてきます。

一人ひとり、同じようには進まない保活。さらに保育園は入ればいいというだけではなく、入ったあとも日常の中で付き合っていくものです。ワーママにとって保活は死活問題でもあり、大きな悩みの種にもなっているようです。まもなく新年度、すべての親子が笑顔でスタートを切ってもらいたいと願います。(高村由佳)

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