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新型コロナ“10の真実” 希望者全員検査は医学的に意味なし

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2020年02月19日 08:00  AERA dot.

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写真停泊するダイヤモンド・プリンセス号 (c)朝日新聞社
停泊するダイヤモンド・プリンセス号 (c)朝日新聞社
 新型コロナウイルスが国内で広がっている。神奈川で最初の死者が出て、和歌山では院内感染が明らかになった。水際対策では食い止められず、すでに蔓延している可能性がある。自分の身を守るためにも、正しい情報を見極めていただきたい。

【写真】ダイヤモンド・プリンセス号の客からのSOS

(1)クルーズ船を停泊させた対応は正しかったのか?
 政府は乗客の感染が判明したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」を2月3日以降、横浜港沖で停泊させた。その結果、200人超の感染者を出すことになった。

 一方、イタリアは地中海のクルーズ船を、一時停泊させたが、12時間後に乗客全員を解放している。厚生労働省は14日から80歳以上で持病のある人など、一部の高齢者の下船をようやく認めたが、対応の遅れを露呈した形だ。

 川崎市健康安全研究所所長の岡部信彦医師が言う。

「クルーズ船の中は中国・武漢のような事態になっている。船内感染ともいうべきで、早急に解決する必要がある。閉じ込めたことで新たな感染が続く可能性は高い。感染しなくても高齢者の持病の悪化や、心筋梗塞(こうそく)や高血圧、脳出血のリスクが増し、拘禁による精神的な症状も出てきます」

 海外メディアからも「感染の第二の震源地をつくった」(米ABCニュース)などと批判を浴びた。

(2)官邸主導の水際対策は被害を拡大させたのでは?
 そもそも国内で感染が広がっていないことが前提で行われるものだ。ナビタスクリニック理事長の久住英二医師があきれる。

「国内ではすでに感染は広がっており、水際対策が無意味なのは明らかです。感染症に詳しい人が誰一人いない官邸が主導して、墓穴を掘った格好です」

 官邸主導は2009年の新型インフルエンザが流行したときに始まった。危機管理の甘さを危ぶむ専門家も多い。

(3)日本で感染はどこまで拡大するのか?
 医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師が指摘する。

「国立感染症研究所は新型インフルエンザが流行した場合、一人の感染者が首都圏の電車に乗れば10日目に12万人に拡大するとシミュレーションしています。武漢では昨年12月中旬にはヒト・ヒト感染が起こっていたことが確認されていますが、日本で入国制限など水際対策を強化したのは2月1日です。1カ月半も無防備な状態だったことからも、すでに感染者がどんどん拡大し始めていると考えるべきです」

(4)検疫官のような防護服を着なければ危ないの?
 クルーズ船に乗り込む検疫官は防護服を着ていた。乗務員からは「検疫官たちが完全防備の防護服なのに、客室にいる感染者を連れてくるのはマスク1枚だけの乗務員任せ」との声が漏れる。自治医科大学付属病院臨床感染症センター感染症科診療科長の森澤雄司医師が言う。

「あの様子をテレビで見たら、国民にすごく怖いウイルスではないか、との印象を与え、かえってよくありません。また慎重を期すのはわかりますが、きちんとした着脱の訓練をしていないと逆効果で、着け方が悪ければ、脱ぐ際にうつります」

(5)検査は希望者全員にするべきでは?
 湖北省への渡航歴などとは関係なく検査できる体制を整備するべきではないか。

「医者が必要だと思ったら検査を受けられるようにしてほしい。しかし、不安になったからといって希望者全員に検査を受けさせるのは、医学的にまったく意味がない。肺炎になっている人の診断を確定させなければならないので、せきやのどの痛みぐらいでは検査の必要はない」(久住氏)

(6)やはりインフルエンザよりも怖い?

 岡部氏が解説する。

「必要以上に不安に陥ることはない。感染=発病ではないし、多くの人にとって発病=重症ではない。09年の新型インフルエンザの時ほど早くは、世界中に広がっていない。もちろん完璧ではないが、インフルエンザ対策やノロウイルス対策は一定の効果があります。重症になるのはごく少数ですが、重症者らを早くピックアップして必要な治療と感染対策を行うことが重要です」

(7)中国の武漢の死者数が突出している理由は?
 致死率は武漢が約4%、武漢のある湖北省以外の中国全体では、約0.17%と低い。久住氏がこう語る。

「患者が多すぎて、治療できる医療機関が不足しているからでしょう。重症の患者さんを武漢以外の高度医療機関に送って、集中的な治療ができれば致死率は下げられます。病院がパンク状態のため把握しきれない感染者数も、実際にはもっと多いと見ています」

(8)どんな症状が出たら病院にかかればいいの?
 普通の風邪なのか新型コロナなのか、症状だけでは医者でもわからない。患者が受診するタイミングについて、久住氏が助言する。

「普通の風邪は2、3日でピークを超えますが、新型コロナは1週間くらい経っても症状がよくならないことがわかっています。肺炎になるかどうかが目安で、4、5日経っても症状が改善しない時は受診する」

(9)検査方法は?
 国立感染症研究所と地方衛生研究所で、PCR法(ポリメラーゼ連鎖反応法)を使って新型コロナの遺伝子の有無を確認する。

「検体が検査所に届けば5〜6時間で結果が出ます。ただし、操作と結果の読み方には細心の注意が必要で、インフルエンザの迅速キットのように簡単に結果が出るものではありません」(岡部氏)

(10)簡易な検査キットは使えないの?
 一般の病院には検査機器がないので、判定できない。症状は風邪と見分けがつかないため、感染者の診断ができない。クリニックなどに普及すれば確かに利便性は高いが、問題点がある。

「確度が低く、一定数の患者を必ず見落とす」(上氏)

(本誌・亀井洋志、小島清利、山内リカ)

※週刊朝日  2020年2月28日号より抜粋

このニュースに関するつぶやき

  • 船内は外国なんですよ。 上陸したいとするから、検疫の観点で対象しているだけでは。
    • イイネ!1
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