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外国料理の関心高まるイスラエル “食の革命”が進行中

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2020年02月19日 08:00  AERA dot.

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写真エルサレム中心地の市場にあるフュージョン料理レストラン「マハネイェフダ」(ニシム・オトマズキン提供)
エルサレム中心地の市場にあるフュージョン料理レストラン「マハネイェフダ」(ニシム・オトマズキン提供)
 日本での留学中に見ていたテレビ番組で最も印象に残っているのは料理番組です。料理や食に関する番組の多さと、日本人の食への関心の深さに魅了されました。旅行会社のパンフレットには国内旅行、海外旅行用共に多くの現地料理の写真が宣伝用に使われています。

 アジアの他の国を旅した際、現地で「料理の鉄人」「裸の少年」「どっちの料理ショー」「孤独のグルメ」など、料理をテーマにした多くの日本の番組が大変人気であることも知りました。
 イスラエルでは過去20年間に食に関する大きな変化がありました。豚や多くの魚介類を食さない宗教上の理由もあり、元々食に対して比較的保守的であり自宅で食べることが一般的であったのですが、時代の変化と共に外国料理への関心が急速に高まっています。

 いわゆるイスラエル料理と呼ばれるものも劇的に変化し続けています。ファラフェルやフムスという中東料理だけでなく、世界各地のユダヤ人によってイスラエルにもたらされた料理と相まって正確に定義付けるのは難しくなっています。イスラエルの人口の半分は移住者なので料理も多様です。
 また最近では、アジア料理を含む新しい食を試すことに、よりオープンになってきました。イスラエル料理は欧州、中東、北アフリカの影響を受けており、一般的に多様な野菜、肉や魚などが含まれます。パンが主食ですが、最近では米の消費量も増えています。

 例えば私の母の場合、彼女はモロッコで生まれ、幼い頃にイスラエルに移住しました。料理が好きで、主に北アフリカのクスクスや香辛料の効いた魚料理や肉料理などを作ります。15年程前まで両親が外食をすることはめったになく、料理の好みは保守的でした。ところが最近、母はレストランに出かけ、新しい中東料理やフレンチを試し始めました。とは言え、イタリア料理や寿司はまだハードルが高いようです。
 外国料理への関心が高まっている主な理由の一つにテレビ番組の影響があります。今までは政治に関する討論番組が多くの時間を占めていたのですが、最近は食に関する番組が増えてきました。アマチュアの料理人たちがその腕を競い合う「マスターシェフ」などの料理番組が高視聴率を取り、出演者の中には有名なシェフとなり現在活躍している人達もいます。

 フュージョン料理を提供するレストランはイスラエル都市部で急成長しています。こうしたレストランのシェフになることは若者のあこがれとなっており、そのために欧州や米国の有名レストランで長い期間修行する人もいます。私のお気に入りは、エルサレム中心地のマハネイェフダ市場にある「Machneyehuda (マハネイェフダ)」というレストランです。素晴らしい料理だけでなく、祭りのような楽しい雰囲気も魅力の一つです。何週間も前に予約が必要な大変人気のレストランです。
 以前のコラムにも書きましたが日本食も大人気です。テルアビブだけでも200軒以上の日本食レストランがあり、人口一人当たり、東京とニューヨークに次いで寿司店が多い都市といわれています。私の姉はバトヤムというテルアビブ近郊の小さな沿岸都市で「タンポポ」という日本食レストランを経営しています。この町で4軒目の日本食レストランです。

 テレビ番組の影響も大きいですが、イスラエル経済が好調であり、国民に金銭的余裕ができたことが外食文化の成長を後押ししています。テルアビブやエルサレム、ハイファなどの都市部のカフェは、あらゆる年齢層の人々で賑わっています。イスラエルのカフェはスターバックスなどに代表されるようなカフェとは違い、様々な料理を楽しむことができます。外食をして新たな食にチャレンジすることは、イスラエル都市部の人々にとって人気のライフスタイルとなっています。

 料理は日本とイスラエルの変化を理解するのにどのように役立つのでしょうか。食への大きな関心はライフスタイルの変化としてとらえるといいでしょう。

 最後に私の個人的な感想ですが、日本人は食に関して世界で最もオープンで好奇心旺盛な人々です。例えば見知らぬ食べ物でも、見た目や好き嫌いに関係なく日本人は必ずチャレンジしていました。一方イスラエル人は、前述したように外国の食べ物の影響を大きく受けているとは言え、日本人と比べるとまだまだ保守的です。
○Nissim Otmazgin(ニシム・オトマズキン)/国立ヘブライ大学教授、同大東アジア学科学科長。トルーマン研究所所長。1996年、東洋言語学院(東京都)にて言語文化学を学ぶ。2000年エルサレム・ヘブライ大にて政治学および東アジア地域学を修了。07年京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科修了、博士号を取得。同年10月、アジア地域の社会文化に関する優秀な論文に送られる第6回井植記念「アジア太平洋研究賞」を受賞。12年エルサレム・ヘブライ大学学長賞を受賞。研究分野は「日本政治と外交関係」「アジアにおける日本の文化外交」など。京都をこよなく愛している。

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