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部下が動かないのは「伝え方」が悪いせいじゃない 本当に必要な上司のスキルとは?

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2020年02月19日 16:00  AERA dot.

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写真日本傾聴能力開発協会・代表理事の岩松正史さん
日本傾聴能力開発協会・代表理事の岩松正史さん
「部下がなぜか動いてくれない」「社内で企画が通らない」「取引先との交渉がうまくいかない」――。そんなとき、状況を打破するために必要なのは、「相手の話を上手に聴く」スキルだ。

 その真髄を、一般社団法人日本傾聴能力開発協会の代表理事・岩松正史氏による著書『その聴き方では、部下は動きません。』(朝日新聞出版)から一部を抜粋・再構成して紹介する。

*  *  *
 話し方にTPO(時間・場所・場合)があるように、聴き方にもTPOがあります。

 目上の人に対して「おい!」とタメ口をきいたら、「なんだ、その口のきき方は!」とトラブルが起きます。このように、聴き方の間違いが原因によるトラブルも日々確実に起きているのです。

 でも、聴き方の間違いには、なかなか気づきません。なぜなら、言い間違いはその場ですぐ訂正してもらえますが、聴き方の間違いは外からはわかりづらいいので、誰も指摘してくれません。勘違いしたまま過ぎ去ってしまうのです。

■「聴き方」を間違えると、「伝え方」も間違う

 では、聴き方の間違いに気づくことはできないのでしょうか?

 そんなことはありません。こんな経験はないでしょうか。よかれと思って、親切心でアドバイスしてあげたときに、

「いっていることはわかるんですけど……」
「できたら……やってみます」
「だいたい……わかりました……」

 というふうにスッキリしない反応が返ってくることです。

 スッキリしない反応が返ってくると、人は「伝え方がまずかった」と反省します。でもそれは、間違いです。そのときがまさに、聴き方を間違った瞬間です。伝え方ではなく、「聴き方」を間違えたのです。

 会話には必ず、表向きに聞こえてくる言葉と、その根っこにある言葉をいいたくなる気持ちの2つが含まれています。後者のことを、「主訴」と呼んでいます。

 表面的な言葉ではなく、根っこの訴え、つまり、主訴をそのまま聴きとることができれば、伝える内容もずれず、会話がすれ違わないはずです。しかし、表面の言葉だけ聞き、根っこを聴きそびれると、それに対するアドバイスもずれて、的外れになってしまうのです

■もともとみんな聴き方を習っていない

 私たちはもともと聴くスキルを持っていません。なぜなら、聴き方を習った経験がないからです。

 唯一、聴き方について学習した経験があるとすれば、学校時代に、先生が騒がしい生徒たちに向かって「先生が話している最中は、黙って静かにして聴きなさい!」と怒られたくらいでしょうか。その経験があるため、私たちには「聴くこと=黙ること」という習慣が身についてしまっています。

 また、ちゃんと理解される「聴かれ方」もされた経験がないため、聴くよさがそもそもわかりません。その一方で、「この人は話を聴かない人だなぁ」とか「この人にいっても無駄だ」と仕分ける感覚は、みんなが持っていたりします。

 これはきっと潜在意識として、わかってくれていないことを察知するアンテナを誰もが持っているからなのでしょう。ちゃんと話を聴いてくれる人には話しかけやすいのは、聴いてもらった経験の有無に関係なくみんな同じです。

 だからこそ、聴く力を身につけていく意味と価値があります。ちゃんと話を聴いてくれる人と思われるだけで、さまざまな情報が入ってきやすくなるのですから。

■シンプルかつ実用的な傾聴の秘策

 気持ちをしっかり聴きとれるようになるためには、継続した傾聴の練習が必要です。それには正直、時間がかかります。

 でも、ご安心ください。傾聴の練習が十分できない人でも、簡単に気持ちを聴きとる方法があります。

 私自身がこの10年ほど使っている、シンプルかつ実用的な傾聴の秘策をご紹介します。会話しているとき常に相手が、「スッキリしているか? モヤモヤしているか?」。その一点に注目して聴くのです。

「え? それだけ?」と思ったでしょう。はい、それだけで十分です。

 たとえば部下に「こんなふうにやってみたら!」とアドバイスをしたとします。そのときの相手の反応が、「はい! やってみます!」ならスッキリ。「はい……そう……ですね……。できるだけ……やって……みます……」なら、モヤモヤです。

 簡単でしょう? 「スッキリか? モヤモヤか?」だけ気にして聴けば、傾聴になります。

 なぜか? それは、問題解決とは「気持ちのモヤモヤが晴れて、スッキリした気持ちに変わった状態」のことをいうからです。モヤモヤしたまま問題が解決することはありません。問題が解決すれば、人は必ずスッキリした気持ちになります。

 気持ちがスッキリしている人には、迷いも不満もありません。つまり、問題を抱えていません。ですから、「スッキリしているか? モヤモヤしているか?」だけに注目して聴けばいいのです。

■「スッキリかモヤモヤか」に注目する理由

 部下がモヤモヤしている様子を放置して、話をそのまま進めてしまうリーダーがいます。問題が目の前で起きているのに、スルーしているのです。モヤモヤを発見したら立ち止まり、共有し、関わることで、問題は解決に向かいます。

 そのためには、話の聴きはじめから、「どうしたいか?」よりも、「何にモヤモヤしているか?」に焦点を合わせておくことです。

 リーダーの重要な役割は、部下にスッキリしたイメージを見せることです。

 スッキリしたイメージさえ見えてしまえば、人は勝手に動きはじめ行動を起こします(たぶん止めてもやります)。そのためにはまず、スッキリできていないモヤモヤした部分の正体を十分に知る必要があります。

 モヤモヤを知り尽くすことが、問題の本質を理解することなのです。「モヤモヤこそチャンス!」です。モヤモヤを発見したら立ち止まり、スッキリになるまでやりとりしましょう。

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