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鳥栖がシステムも選手もガラッと変更。攻撃的な「革命」は成功するか

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2020年02月20日 07:12  webスポルティーバ

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「去年よりは相手にボールを持たせず、ゴールに向かう回数が確実に増えました。その質を上げていきたいですね」

 サガン鳥栖の金明輝監督はやや硬い表情ながら、自らを信じるような口調で言った。

 2月16日、鳥栖。ルヴァン杯開幕戦で、鳥栖は北海道コンサドーレ札幌と本拠地で刃を交えている。彼らは堂々とイニシアチブをとった。4−3−3でアンカーを置く攻撃的布陣。高い位置でボールを持ち、ゴール前まで幾度となく侵入した。敵将ミハイロ・ペトロヴィッチがその攻撃を称賛したように、疾風を感じさせるコンビネーションを使い、攻撃を繰り返した。

 しかし、結果は0−3という大敗だった。

「チャンスを多く作れたのは収穫。ただ、経験値の差は出たと思います。ホームで0−3での負けは屈辱でしかない」

 金監督はそう言って口の端を曲げた。

 2020年Jリーグ、変わりつつある鳥栖は”革命”を遂げられるのか。

 過去10年、鳥栖は戦いの伝統を作ってきた。しぶとく勤勉な守りで相手の攻撃を最小限に抑え、必ず生まれる勝機を探す。タフで得点力のあるストライカー、豊田陽平の高さ、強さをたのみに戦術を動かしてきた。

 時代は転換期にあるのだろう。

 金監督はそのスピリットは土台にしながらも、プレーモデルを一変させている。一昨シーズン、昨シーズンと暫定監督を務めたが、その当時とはまったく違う。ボールを自分たちが持って、相手のラインを越え、高い位置で攻め続ける。そのために、小屋松知哉、宮大樹、エドゥアルド、森下龍矢、内田裕斗らを次々に獲得した。

「(大卒でプロデビュー戦を飾って)サポーターの力が凄かったです。これまでは仲間の声に励まされてきましたが、やっぱりプロの世界の声援はすごい力を持っているんだなって」

 明治大学から入団した森下は札幌戦後に語っていたが、実に初々しい。

 そして新生・鳥栖の象徴と言えるのが、鳥栖ユースから昇格した18歳のMF本田風智だろう。ユース時代から4−3−3のインサイドハーフでプレー。ボールの動き方や入り方など、システムの仕組みを心得ている。インサイドでプレーメイクしながら、セカンドストライカーのようにゴール前へ飛び込む。ルヴァン杯の札幌戦でも、一番輝きを放った選手だ。

 しかしながら、鳥栖は一度もネットを揺らせていない。

「4−3−3にするというのは、キャンプの初日で伝わってきました。ガンバ(大阪)戦とかはそれで勝った。(本田)風智とかはやりやすそうですね。ユースで(金)明輝さんとやってきたようだし、若くて動けているので」

 鳥栖在籍11年目になるFW豊田はそう言って、チームの変化を冷静に見つめている。札幌線はベンチ入りしたが、出場はなかった。

「去年の(ルイス・)カレーラス(監督)の時(の4−3−3)よりは、うまくいっていますね。ルヴァンでも、取れそうなところまでは何度もいっていましたし……。自分としては、どう点を取るかにフォーカスしています。正直、キャンプはふくらはぎのケガで出遅れたし、1トップでの動きはまだつかめていないですが。自分は点を取るポイントは知っているつもりだし、『取れそう』を取ってきて、そこは長けているはずなので、どういう形(システム)になっても、ゴールのところ(の決定力)は出せるように準備したいです」

 エリア内は本陣である。そこを相手に落とされたら敗北だけに、死に物狂いの戦場となる。機敏にゴールを撃ち抜く異能が求められる。たとえば後半、鳥栖は左サイドを鮮やかに破って、ファーポストで待つ安庸佑へ絶好のボールを通した。フリーの安はエリア内でこのパスを大事に左足に置き、利き足でシュートを打ったが、ブロックを浴びている。続けざまに金崎夢生が放ったシュートも止められた。

 多くの点を取ることに機軸を置いた選手選考とシステムである。ボールを回し、崩し、飛び込む。その作業の質は高くなりつつあるし、機動力と細かい技術は武器だ。

 しかし、ゴールを奪えないと、必然的に劣勢に立たされる。高く強いFWにボールを収められ、攻勢を受け、セットプレーから失点する。あるいは、攻め続けても決めきれず、拠点を潰され、カウンターを浴び、浮き足立って失点を食らう。そしてなんでもない長いパスを受けたストライカーへの対応に手間取り、反転からの一撃を防げない。

 少しでも受けに回ると、構造上の欠陥が出るのだ。

「相手陣地でボールを奪い、やろうとしている新しいスタイルを出すことができた。完成度? いろいろなチームからたくさんの選手がやってきて、まだ100%ではないよ」

 ブラジル人センターバック、エドゥアルドはそう言う。革命にリスクはつきものだ。

 2月22日、Jリーグ開幕戦。鳥栖は一昨シーズン王者の川崎フロンターレと、敵地でぶつかる。


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