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はいさーい!! 日本最南端の鉄道「ゆいレール」に乗って分かったこと

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2020年02月20日 13:23  ねとらぼ

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ねとらぼ

写真延伸開業した沖縄のモノレール「ゆいレール」
延伸開業した沖縄のモノレール「ゆいレール」

 2月10日から12日にかけて沖縄を旅しました。見どころは「延伸したゆいレール」「軽便与那原駅舎」「ネオパークオキナワ」です。



【その他の画像】復元願う 首里城の焼失区画の様子



 ゆいレールは「那覇空港駅」から「首里駅」を経由して「てだこ浦西駅」に至るモノレール。2019年10月1日に首里からてだこ浦西まで「延伸」しました。モノレールのレールはコンクリート製ですが、法規上は「鉄道事業」です。日本全国、全ての旅客鉄道に乗る!! と決めたら、ここを外してはいけません。今回の第一目的です。



 軽便与那原駅舎は、戦前まで沖縄の人々に愛用された鉄道「沖縄県営鉄道」の与那原駅です。鉄道も駅舎も戦時中に破壊されましたが、2014年に駅舎が復元されて、沖縄県営鉄道の資料館になっています。



 ネオパークオキナワは動物園です。動物園ですけれども、園内を周回する「軽便鉄道が再現」されています。アトラクション扱いで鉄道事業法による鉄道ではありません。でも、沖縄県を走る唯一の「鉄のレールを使った鉄道」です。



●ゆいレールに乗る前に、鉄道ファンならば「ゆいレール展示館」へ行きましょう



 羽田空港6時15分発「JAL901便」で那覇空港へ。始発便にした理由は使用機が「エアバスA350型」だからです。



 JAL国内線の新型機エアバスA350、特に筆者のお気に入りは「機外ライブ映像」です。主脚の後部と垂直尾翼に前向きのカメラがあって、飛行中の様子を眺められます。これが楽しいんですよ。JAL国内線は羽田〜福岡線、羽田〜札幌線に続いて、2月から羽田〜沖縄線の運行も始まりました。2月の沖縄行きを決めた理由の1つがこの新型機に乗るためです。



 那覇空港には9時10分着。ゆいレールの那覇空港駅は、那覇空港ターミナルビルの2階から連絡通路でつながっています。



 でも、まだ乗らない。鉄道ファンならば先に行くところがあります。それは「ゆいレール展示館」です。空港ターミナルビルから徒歩10分ほど。ゆいレールを運行する「沖縄都市モノレール株式会社」の本社敷地内にあります。入館は無料です。



 1階にはゆいレールの各駅の紹介、ゆいレールの建設、開業までのドキュメンタリービデオ上映などがあります。2階は沖縄県営鉄道の資料のほか、国内各地の鉄道の資料、模型が展示されていました。沖縄本土復帰を願って名付けられた寝台特急「なは」のヘッドマークもありました。



 ゆいレール展示館は平日のみ開館します。開館時刻は9時30分。そう、羽田からの早朝便でちょうどいい時間に開きます。筆者が見学していると、その横で作業員の方が壁や通路などの距離を計測されていました。リニューアルの予定があるのかもしれません。



 そういえば、1階にあった全駅紹介の展示は那覇空港駅から首里まで、2019年10月1日に延伸した区間はまだでした。リニューアルされるといいなあ。



●ゆいレールで体験 これが「QRコード乗車券」だ!



 空港ターミナルビルに戻りました。那覇空港駅の連絡通路では、長袖の人々と半袖の人々がすれ違います。飛行機を降りてモノレール駅に向かう人々は長袖。モノレール駅から空港に乗る人は半袖。沖縄の温暖な気候が面白いように可視化されております。



 ちなみに、ゆいレールの那覇空港駅は「日本最西端」の駅。そして隣の赤嶺駅は「日本最南端」の駅です。



 那覇空港駅の券売機で「1日フリー乗車券」を買いました。おおっ、これがうわさの「QRコードきっぷ」か。裏面に磁気塗膜がなく、表面にQRコードが印刷されています。この表面を改札機の読み取り部分に押し当てると……ピッ。通過完了。スムーズです。このあと何度か使ってみたところ、読み取り器にピタッとこすりつけるようにすればうまくいくようです。



 QRコード型乗車券は「磁気乗車券に比べて改札機の機構を簡易にできる」とか「きっぷを含めてコストを下げられる」などの利点があります。鉄道会社側の利点ばかりのようですけれども、使ってみると「改札機からきっぷを取り出す動作が不要」という利用者側の利点も感じました。入れて、取る。磁気乗車券時代にずっと行っていた動作でしたが、抜き取りは意外と手間だったと気付かされました。QRコード乗車券は、IC乗車券ほど便利ではないけれど磁気券よりはずっと良い仕組みです。ちなみにゆいレールは、2020年春にIC乗車券の「Suica」も導入します。



●生活手段として定着した「ゆいレール」で終点へ直行



 プラットホーム階へ上がり、ようやくご対面ゆいレール。2両編成のモノレール車両。車両は通勤仕様のロングシート型ですが、運転席の真後ろだけはクロスシート、通称「鉄オタシート」になっています。もちろんここに座ります。



 ここは真横に窓がないので前方の景色に集中できます。さあ出発。グーンと力強い加速感。静かで、ゴトゴトした縦揺れが少なく、横方向もブレません。1本のレールに車体がまたがり、左右からゴムタイヤで保持している感じ。とても快適です。



 ゆいレールは、東京モノレールや大阪モノレールのように車体がレールをまたがる「跨座(ござ)式」です。これに対して千葉都市モノレールや湘南モノレールは懸垂式です。ゆいレールはなぜ跨座式になったのでしょう。きっと、沖縄にはコザ(市名、現在は沖縄市の一部)があるからだな。なんちゃって。本当は「台風襲来地域のため絶えず塩害の恐れのあることから、コンクリートが主体の跨座型となった」(公式サイトより)のだそうです。



 那覇空港駅からてだこ浦西駅までの所要時間は約36分です。途中で立ち寄りたいところもいくつかありますけれども、まずは終点へ直行します。都心部はビルの谷間をスイスイと通り抜け、高いところを走るので見晴らしも良く、まるで遊覧飛行のようです。楽しいし快適だし、沖縄の人は「これが鉄道だ」と思ってしまうかもしれない。普通じゃないよ。かなりレベルの高い乗り心地ですよ〜。



 赤嶺駅、小禄(おろく)駅と、どんどん乗客が増えていきます。那覇空港発車時は座席が埋まる程度でしたが、国場川を渡って壺川駅に着くと立ち客も多数いるほどに混んできます。空港と都市部を結ぶだけではなく、ビジネスパーソン、通学生、買い物客など、さまざまなお客さんが乗っています。生活手段として定着したことが伺えます。



 県庁前駅でビジネスパーソンと観光客がごっそり降りていきました。ここは県政の中心であり、有名な繁華街「国際通り」の入口でもあります。



 2両編成のゆいレール車内は、東京メトロ銀座線や大阪メトロ御堂筋線の昼下がりと同じくらいの混雑ぶりでした。終戦以来、鉄道がなかった沖縄はクルマ社会でした。しかし都心部の慢性的な渋滞が問題となり、鉄道が必要としてモノレールが計画されました。しかし当時ここまで大成功するまでは予測できなかったかも。ゆいレールは2030年度を目標に3両編成にする方針です。



●車窓から都市の発展と沖縄文化を感じる



 ゆいレールは国際通り北側の川沿いに差し掛かります。国際通りの端、牧志駅を過ぎると高層ビルがいくつか見えてきます。都心部から離れた場所に高層ビルが多く建つ理由は、この辺りから那覇空港の建築制限区域が緩和されてくるからです。特におもろまち駅周辺は「新都心」として整備されているそうで、立派なビルが目立ちます。乗客もごっそりと降りていき、両側の窓が開けて車内が明るくなりました。



 沖縄らしい車窓は古島駅から始まります。建物が低くなり、丘陵の建物がクリーム色の壁に赤い瓦屋根の景色に変わります。



 沖縄っぽい車窓の筆頭は、儀保駅から首里駅の間です。進行方向の右側には首里城が……見えません。森があるだけ。首里城は2019年10月31日に正殿と両隣の建物が全焼しました。その様子はTVニュースで中継されました。延伸開業したゆいレールに乗りに行ったら必ず寄ろうと思っていた場所だけに……残念です。



 首里駅から先は2019年10月1日に延伸開業した区間です。新しいコンクリートレールの白さをまぶしく感じます。石嶺駅はかなり高いところにあって眺望良し。経塚駅の手前でちょっとだけ海が見えます。海岸からやや離れたところですが、それだけ高さがあるわけです。経塚駅を出ると右手に小さな建物がびっしりと並んでいました。コビトさんの家のようですが、こちらはお墓でした。



 ゆいレールの車窓は、前半こそ日本のどこにでも見られるような大きな都市の景観と思うかもしれません。しかしここまで来ると沖縄独特の文化を映すようになります。沖縄に来たら、鉄道に興味がなくてもぜひゆいレールには乗って、感じてみてください。



 沖縄モノレールで唯一のトンネル……つまり日本最南端の鉄道トンネルをくぐり抜けると、終点の「てだこ浦西」駅です。真新しいてだこ浦西駅の周辺は整備中(2020年2月の取材時)。高速バスやレンタカーの拠点ができるようです。駅の正面には沖縄自動車道が通っていて、西原インターチェンジも近いです。



 なお、沖縄自動車道も都心には至らず、那覇インターチェンジは郊外にあります。空港や国際通り周辺の道路は混雑しがちなので、ゆいレールでてだこ浦西まで来て、ここから自動車を使う旅程も便利そうですね。



 てだこ浦西駅前に目立つ建物はありませんが、その先へ10分ほど歩くと西原の街。ゆいレール踏破記念として、ネットで評判が高かったトルコ料理屋さんで肉を食べました。「ドネルひよこスペシャルプレート」は、バターライスの上にドネルケバブのスライスが載り、ひよこ豆のトマト煮が添えられていました。肉うまーい。ひよこ豆もポクポクした食感でうまーい!! さらに、セットで出てきたレンズ豆のスープが濃厚でうまーい。レモンドレッシングのサラダもうまーい。



 車窓が楽しい「ゆいレール」とうまい肉。はぁ、幸せ。沖縄、大好き。



 延伸したゆいレール乗車で今回の乗り鉄旅の第一目的は達成しました。でもせっかく沖縄に行ったのならばもっといろいろ見たくなりますよね。おなかも空きますよね。



●せっかく沖縄に行ったので、見たいところを見てきた



 今回は、首里城、日本最南端の駅「赤嶺駅」、海中展望塔、ネオパークオキナワ、A&Wレストラン、うるま市の海中道路、平和祈念公園とひめゆりの塔、与那原町立軽便与那原駅舎を巡り、与那原そば、ナゾの健康食品「トンプリン」、スパムむすびなどを食べました。



 正殿などが焼け落ちてしまった首里城。とても残念です。しかし、首里城はとても広く、城内も見どころがありました。南国の城、琉球の景色。やっぱり来て良かった。



 取材当日は報道陣が多数。ヘリも飛んでいました。係の人に聞いてみたところ、修復に向けたがれきの撤去作業が始まったそうです。首里城は有料拝観施設が焼けてしまったので、全ての区画が無料開放されています(取材時の2020年2月時点)。ガイドさんの説明も分かりやすく親切で、無料じゃ申し訳ない。そう思ったら寄付しましょう。首里城基金や那覇市の公式ふるさと納税・「首里城」再建支援プロジェクトなどがあります。



 動物園のネオパークオキナワ。園内の遊覧鉄道は、かつて沖縄にあった軽便鉄道を再現しています。鉄道ファンはぜひ寄って楽しんでもらいたいスポットです。



 米国発祥の「A&Wレストラン」は、日本では沖縄県と米軍基地内のみ存在します。かつては東京などにありましたが閉店してしまいました。沖縄に行ったらA&W、ハンバーガーとルートビアです。



 沖縄で訪問しておきたかった場所が平和祈念公園とひめゆりの塔。祈りを捧げてきました。ひめゆり平和祈念資料館も見学。勉強になりました。



 与那原町立軽便与那原駅舎も見学。沖縄県営鉄道で最初の路線は那覇と与那原を結ぶ路線でした。初代は木造駅舎、2代目はこのコンクリート造駅舎です。戦争で破壊されたあと、修復して与那原町駅舎となり、さらに改修されてJAおきなわ支店として使われました。JAの移転をきっかけに軽便与那原駅舎展示資料館に。当時の駅舎の姿を復元し、現在に至ります。



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 さて、延伸したゆいレールに乗りましたので、私の全国鉄道踏破率は99.35%になりました。ゴールに手が届いたかな。



(杉山淳一/乗り鉄。書き鉄。1967年東京都生まれ。年齢=鉄道趣味歴。日本鉄道全路線の完乗率は99.35%、JR路線の完乗率は100%(2020年2月時点))



【訂正 2020年2月24日】初出時、壺川駅の表記に誤字がありました。お詫びして訂正いたします


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