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浦和レッズ、開幕戦勝利も不安になる内容。「引き分けが妥当だった」

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2020年02月22日 16:32  webスポルティーバ

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「内容的には、引き分けが妥当だったかなと」

 大槻毅監督のコメントは、勝ったチームの指揮官にはふさわしくないものだった。どちらかというと、負けたチームの監督が自チームへの称賛と、半分は負け惜しみで語る時によく用いられる言葉だからだ。

 それでも、勝者にふさわしくないその言葉も、さしたる違和感はない。「よくぞ、勝てた」と感じていたから、むしろ納得のいくものだった。

 2020シーズンのJ1リーグが幕を開けた。他試合に先駆けて2月22日に行なわれたのが、湘南ベルマーレと浦和レッズの一戦だ。

 新たなシーズンの最初のゲームというものは、観る側にとっても、やる側にとっても、期待と不安が入り混じるものだろう。新戦力はフィットするのか、新たなやり方は機能するのか。今年に限って言えば、VARへの対応力も問われるものとなった。

 よりポジティブな印象を与えたのは、敗れた湘南のほうだった。主力の大量流出によってチームは半壊状態にあったが、その影響を感じさせない機能的なサッカーを見せた。


 3−5−2へとマイナーチェンジした新システムで臨んだ湘南は、高い位置からのプレスを徹底。球際の攻防や出足の速さ、セカンドボールの回収でも、浦和を凌駕した。ボールを奪えば素早くサイドに展開し、そこに複数が連動して相手ゴールに迫っていく。

 7分には左サイドからの鈴木冬一のクロスを、新加入の石原直樹が頭で合わせて先制点を奪取。その見事な展開には、記者席の前に座っていた早くもほろ酔い気分の湘南ファンのおっちゃんも、「今年は優勝狙えるで!」と、思わず息巻いてしまうほどだった。

 その後、一度は逆転されながらも同点に追いつき、72分にはVAR判定によってPKも獲得。もっとも、これを失敗したのが痛恨で、終了間際にカウンターから失点し、力尽きた。

 とはいえ、その躍動感あふれるサッカーは、昨季失われたかと思われた湘南スタイルの復活を大いに感じさせるもので、敗れたにもかかわらず件(くだん)のおじさんも、最後まで上機嫌だった(飲みすぎていただけかもしれないが……)。


 一方の浦和は、慣れ親しんだ3−4−2−1の布陣から4−4−2へとシステムを変更。この新機軸の機能性と、新戦力のレオナルドのパフォーマンスが焦点となった。

 しかし、立ち上がりから湘南の圧力に押され、防戦を余儀なくされてしまう。早々に失点し、反撃に打って出ようとしても、危険な位置でボールを失い、際どいシーンを作られた。

「相手が前からプレッシャーをかけている時に、うまくつなげなかった。(ボールを)取ったあとの出足もよかったので、こっちがやりたかった2次攻撃、3次攻撃を逆に相手にされてしまった」

 柏木陽介が振り返ったように、前半は完全に湘南にペースを握られた。

 それでもこの苦境を脱せたのは、新生2トップの存在があったからだ。39分に興梠慎三、42分にレオナルドが立て続けにゴールを奪い、一気に試合をひっくり返した。

 なかでも際立ったのは、レオナルドだ。

 エリア内で秀逸な動きを見せる新戦力は、ゴールシーンでも直前でコースが変わったボールに瞬時に反応し、見事なヘディングシュートを決めている。このブラジル人ストライカーがいきなり結果を出したことは、浦和にとっての大きな収穫だろう。


 左サイドで躍動した汰木(ゆるき)康也もインパクトを放った。単独突破で局面を打開し、興梠の同点ゴールを演出している。

 また、豊富な運動量で中盤を引き締めた柴戸海も、及第点のパフォーマンスを披露した。彼らがスタメン争いに名乗りを上げたことで、槙野智章や青木拓矢、長澤和輝といった昨季の主軸がベンチスタートとなった。

 ほかにも武藤雄樹や杉本健勇、マウリシオといった面々が控えている。補強の頭数は少なかったにもかかわらず、昨季よりも選手層の充実ぶりをうかがわせている。

 ただし、目立ったのは個人の力。とりわけ攻撃面における連動性は乏しく、単発に過ぎなかった。決勝点の場面でも、マルティノスのスピードに助けられた部分が大きく、いい距離感を保ち、スムーズなコンビネーションで打開する湘南のそれと比べて、完成度は見劣りした。

 それでも勝ったという事実こそが、浦和にとっては大きいだろう。

「勝利するのが一番大事だった。最後まであきらめずに戦えたのは去年とは違うところかなと思うので、そこはポジティブに捉えています」


 内容的には芳しくなかったが、柏木が言うように負け試合を勝ちに持っていったところに、昨季とは異なるたくましさが感じられた。

 先週に行なわれたルヴァンカップも含め、今季の公式戦2試合で8ゴールと得点力が向上。昨季はリーグワースト4位の34得点で、これが響いて14位と低迷しただけに、ひとまずウイークポイントの解消に向けて、着実な成果を見せている。

 一方で、攻撃の連動性だけでなく、サイド攻撃への対応にもろさを見せ、あっさりと2失点した守備にも改善ポイントはある。

 期待と不安が入り混じる開幕戦。結果は前者で、内容では後者と、復権への一発回答は示せなかった。もちろん、まだ始まったばかり。結論を出すのは早計だ。浦和の未来に待つものは、果たして……。

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