【津川哲夫のF1新車初見チェック】レーシングポイントRP20、完全メルセデス化&潤沢なバックアップで躍進の可能性大

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2020年02月23日 07:01  AUTOSPORT web

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レーシングポイントF1、2020年の新型マシン『RP20』
レーシングポイントの新車RP20の事実上のデビューは、バルセロナテスト初日となった。他のチームと同じくRP20は昨年型RP19の継続開発型で、昨年の最終戦から続く形でメルボルンの開幕戦を目指して進化開発されたマシンと言える。

 発表会でお披露目された外観はほぼ昨年のままで、カラースキームは完全にBWTのピンクをベースカラーにしている。そのなかでもRP20の開発の多くはエアロに集中され、大きな変化はノーズユニットに見られる。

 それまで独特の個性になっていたRP20のノーズ先端のツイン・インテークや幅広の親指ストラクチャーが放棄され、メルセデス型のナローノーズに変更されているのだ。
 
 ノーズ幅は細く絞り上げられ、バルクヘッド部もスペンションも変更が加えられた。ボディワークのサイドポッドインテークは小型化され、昨年のメルセデスに近い形になった。ワークスメルセデスPU(パワーユニット)がオーバーヒートに悩んでいても、このチームはいつも熱交換容量の安全率を大きく設定しているので、PUの熱対策にボディワークやエントリーダクト等の問題はなかったのだろう。

 しかし、その余裕がある分、まだ攻めどころは残っていると言うわけだ。昨年から開発への予算が豊富になり、開発妥協点は確実に高くなってきている。もちろんトップ3チームを脅かすにはまだ時期尚早かもしれないが、ポテンシャルが向上するのは時間の問題だろう。

 これまでも無駄の無ない開発で常にコストパフォーマンスの高い結果を得ているので、潤沢なリソースを得ての開発が進めば、ミッドフィールドの覇権争いに大きく関わってくるはず。

 チームはアストンマーチンブランドを手に入れ、チーム史上、最も安定したバックアップを得て、長期的な開発への環境が整った。今シーズンのレーシングポイントは侮れない。RP20の開発のゆくえを追ってゆけば、このチームの今後への本気度が見えてくるはずだ。

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