新型5G iPhoneは厚めの設計に? Appleがアンテナを自社開発

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2020年02月23日 07:01  リアルサウンド

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リアルサウンド

Photo ACより

 Appleが、新型iPhoneの携帯のアンテナ自体の設計を進めていることが分かった。Appleはアンテナの設計においてあまり実績がなく、今年のiPhoneの接続速度が5Gにより高まる上で、どうなるか注目が集まる。


(参考:新型iPhone SE 2のケースが早くも販売へ 発表前のケース商戦はすでに激化


 これはAppleが、Qualcommから提供されたQTM 525ミリ波アンテナモジュールを拒否する構えだということを示唆している。Appleは、新機種のスマホに求めている洗練された工業デザインに、Qualcommのパーツが適さないと考えているという。Appleは通常、複数の設計を行なっており、今回もまた別の設計を同時に進めているようだ。


・Appleのアンテナ設計における課題
 『Fast Company』が入手した情報によると、今年後半に、そちらの選択肢が採用される可能性があるという。その結果として、Appleが望んでいるよりも、やや厚めのiPhoneにする必要があるようだ(参考:https://www.fastcompany.com/90464429/apple-5g-iphone)。


 Appleには、アンテナの独自設計を行う上で、複数のハードルがある。Appleはアンテナの設計が得意というわけではない。以前に独自のアンテナを設計したが、必ずしも満足のいくものではなかった。iPhone 4のアンテナ設計では、電話の持ち方によっては、通話中に切れてしまうことがあった。Appleの別のアンテナ設計では、無線信号を生成するために、2倍の電力を消耗したという。


 そして、ミリ波を使用する5Gデバイスに必要なアンテナは、他の種類のものより、設計が難しい。


・Appleが独自アンテナを使用したい本当の理由
 Appleが独自のアンテナを使用するのは、工業デザインだけが理由ではない。 


 Qualcomm部品使用に対するロイヤリティ支払いを抑えたいため、Qualcomm提供のパーツを減らすことを考えていると見られる。両社の取引は、ときに法廷闘争にまで発展した。紛争は解決したが、現在でもしこりが残っていないわけではない。


 将来的にQualcommモデムを外すべく、Appleは、Intelのモデム事業を買収し、独自の5Gモデム製造に向けて、多くのリソースを投下している。


 今年の5G iPhoneは、発表までまだ時間があり、どのアンテナが使用されるかは、流動的だ。計画しているコンポーネントや機能が変更されることもありうる。ただ、分かっていることは、初となる5G iPhoneのアンテナには、2通りの選択肢があるということだ。おそらくは、今年の夏頃までには、どちらかに確定するだろう。


・著名アナリストも予見していた
 TF International Securitiesのアナリストであるミンチー・クオ氏は、Appleが2020年のiPhoneの価格を抑えるべく、より高価な新しいコンポーネントのコストを相殺するために、他のパーツでコストを節減する方法を模索していると主張していたと『Digital Trends』は指摘(参考:https://www.digitaltrends.com/mobile/apple-designing-own-antenna-5g-iphone/)。


 5G iPhoneは2020年9月に発表されると思われる。Appleは、5G iPhone開発とデバイス用のアンテナ設計を同時進行させており、コストを維持できるかは、現時点では不明だ。


 Qualcommとしては、Appleの5G iPhoneリリースの支援を最優先事項とし、紛争解決後の作業を進めてきた。しかしAppleは、Qualcommとは距離を置くという長期的なビジョンに基づいて、動きを加速させているようだ。


(Nagata Tombo)


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