2020年のF1は、F1創設70周年目を迎えるメモリアルイヤーということで、合同テストが開始される前に、FOMがレースドライバーを集めて撮影会を行った。
この撮影会は、初日にテスト走行を行わないドライバーが集っただけでなく、インフルエンザで急きょ休養を取ることになったセバスチャン・ベッテルも参加して行われた。
まず丸い輪になって撮影が行われた後、ドライバーたちは全員スタートラインに進んだ。向かって左から5人目のダニエル・リカルド(ルノー)が、NBA(北米のバスケットボールのプロリーグ)のレジェンドで今年の1月26日にヘリコプター事故で亡くなったコービー・ブライアントに敬意を表するために、ブライアントが所属していたロサンゼルス・レイカーズのチームカラーであるパープルをベースにしたヘルメットを隣にいるレーシングポイントの2人に披露している様子が見える。
この直後、歴史的な和解がスタートライン上で披露された。それはリカルドの左隣にいたチームメートのエステバン・オコンの行動から始まった。オコンはチームメートのリカルドとは反対にいるレッドブルのほうを向き、何かを話し始める。すると、アレクサンダー・アルボン(レッドブル)を挟んでその隣にいたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が「どうした、僕に用でもあるか?」という感じでオコンのほうを振り向く。
この2人、2年前のブラジルGPで小突き合いのケンカを繰り広げた因縁の仲。2人の会話が聞こえたのか、リカルドとレーシングポイントの2人が少し心配そうにオコンとフェルスタッペンに視線を送る。
次の瞬間、オコンが右手を差し出すではないか!!
すると、今度はフェルスタッペンも右手を!!
こうして、がっちりと握手し、2人は1年3カ月ぶりに和解したのだった。
その後、何もなかったかのように、別々の方向を向く2人。少し照れ臭そうにしている2人を、周囲が温かい笑顔で見守っていた。