ニールは覆せる? 長らくエース級不在な西武の外国人投手

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2020年02月24日 11:20  ベースボールキング

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ベースボールキング

西武・ニール
◆ 1/143試合=開幕を任される“エース”

 3月20日のプロ野球開幕まで1カ月を切り、いくつかの球団で監督が開幕投手をほのめかしている。これまでに発表されたのは、菅野智之(巨人)、西勇輝(阪神)、大野雄大(中日)、大瀬良大地(広島)、有原航平(日本ハム)、山岡泰輔(オリックス)といったエース格の投手たち。近年の実績を見れば、順当な顔ぶれといえるだろう。

 開幕戦はあくまでも143試合のうちの1試合に過ぎない。しかし、そのシーズンの初戦を白星でスタートするのは、どの球団でも気持ちがいいものだ。だからこそ必勝を期す。そのためにも、先発投手は「エース」を起用することが通例だ。かつて、ダイエーの指揮を執っていた王貞治監督が、「開幕投手にも格というものがあるだろう」という発言をしたこともあった。

 そんななか、パ・リーグ3連覇を目指す西武の辻発彦監督は、春季キャンプ最終日に開幕投手をザック・ニールに任せることを発表。これを受けニールは、チームメートの前で挨拶をし、最後は得意の「あざーす」で締め笑いを誘っている。

 ニールは来日1年目となった昨シーズンの開幕当初こそ苦しんだものの、登録抹消を経て復帰した6月20日以降はなんと負け知らず。13試合に先発し11勝0敗、シーズントータルでは12勝1敗という数字を残した。規定投球回には未到達(100回1/3)だったが、防御率2.87と優勝の立役者になった。

 今年の西武の投手陣の顔ぶれを見ると、ニールは確かに開幕投手にふさわしい存在だろう。しかし、昨年1年間ローテーションを守れなかったことや、規定投球回に届かなかったことを踏まえた場合、「エース」と呼ぶには物足りないのも事実である。


◆ 外国人の開幕投手は25年ぶり

 現在の西武の投手陣を見ると、高橋光成や今井達也といった将来エースになる可能性を秘めた投手はいる。だが、これまでの実績には乏しく、現段階で「エース」と呼ぶには少し早い。だからこそ、外国人投手のニールにエースとしての働きが求められている。

 しかし、西武(前身球団含む)の外国人投手の歴史を振り返ってみると、エースと呼べる投手はほとんどいない。エースとしてのひとつの証でもある開幕投手を務めたのは、「オリエンタルエクスプレス」こと郭泰源(1994年・1995年)ただひとりだけ。郭は1980年代後半から1990年代にかけての黄金時代を支えたひとりだ。2度に渡って最高勝率のタイトルを獲得しており、エース格といっても差し支えはないだろう。

 郭以降では、許銘傑と張誌家のふたりが外国人投手として2桁勝利を達成したが、エースやそれに準ずる扱いではなかった。規定投球回到達も、張が2004年に1度達成したのみとなっている。それから15年間に渡って外国人投手の規定投球回到達は達成されていない。

 その許と張が主力として活躍していた2000年代は、松坂大輔や西口文也といったエース格の日本人投手が確固たる地位を築いていた。そのため、彼らのような外国人投手にエースとしての働きを求めることはなかったのである。あくまでも、先発ローテーションを1年間に渡って回す役割だった。

 だが、今シーズンのニールは事情が異なる。チームのエースとして、最低でも1年間先発ローテーションを回し、規定投球回の到達、そして2年連続の2桁勝利が求められる。長らく外国人投手のエースが不在の西武だが、ニールにはその歴史を覆すような活躍に期待したい。


▼ ザック・ニール投手 プロフィール
投  打:右投右打
身長体重:191センチ・95キロ
生年月日:1988年11月9日(31歳)
経  歴:オクラホマ大−アスレチックス−ドジャース−西武(19年〜)

[2019年成績]
17試合(100回1/3) 12勝1敗 防御率2.87


【西武の歴代開幕投手とシーズン成績】
2020年   ザック・ニール
2019年 − 多和田真三郎[12試 1勝6敗 防5.83]
2018年 ○ 菊池雄星[23試 14勝 4敗 防3.08]
2017年 ○ 菊池雄星[26試 16勝 6敗 防1.97]
2016年 − 菊池雄星[22試 12勝 7敗 防2.58]
2015年 ○ 牧田和久[34試 9勝11敗 防3.66]
2014年 ● 岸 孝之[23試 13勝 4敗 防2.51]
2013年 ● 岸 孝之[26試 11勝 5敗 防3.08]
2012年 ● 涌井秀章[55試 1勝 5敗 防3.71]※30S
2011年 ○ 涌井秀章[26試 9勝12敗 防2.93]
2010年 ○ 涌井秀章[27試 14勝 8敗 防3.67]
2009年 ○ 涌井秀章[27試 16勝 6敗 防2.30]
2008年 ● 涌井秀章[25試 10勝11敗 防3.90]
2007年 ○ 西口文也[26試 9勝 9敗 防3.55]
2006年 ● 西口文也[25試 9勝11敗 防4.28]
2005年 − 松坂大輔[28試 14勝13敗 防2.30]

このニュースに関するつぶやき

  • 特大のホームラン凄かったですね。イチローが出塁してその後だから! え?違う?ww
    • イイネ!6
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