災害や有事にサバイブする方法とは? 心理学で解説

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2020年02月24日 11:21  ノーツマルシェ

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ノーツマルシェ

大きな災害時に避難勧告が出ているにも関わらず、避難をせずにいて、命を落としたり、危険にさらしたりする方々がいます。報道を見ていて「どうして避難をしないの?」と不思議に思う時はありませんか? 実は、災害時に避難をしない方々の心理は特別なものではなく、筆者を含めて誰にでも起こりうることなのです。今回は、有事に人々に起きる心理を知ることで生き残るヒントを探ります。


 


■「自分は大丈夫」と人は思いたがる


人は、現実に迫っている危機に対して、それを危機として受けいれるには時間がかかります。災害などの有事で命を落とすのは他人だけ、なぜならば、今までほとんどいつもそうだったから。不吉な前兆はあっても、今まではたいてい事なきを得てきた。だから今回も大丈夫と信じがちなのです。その結果、避難を先延ばしにして命を危険にさらすことになる。心理学では、これを「正常性バイアス」と呼びます。


 


■「正常性バイアス」を認識すること


サバイブするためにはまず、正常性バイアスは誰しもに起きると認識をすることが肝心です。特別な人だけに起こる現象ではありません。その上で、サバイブするためにはこの「正常性バイアス」がかかっている状態から、いち早く抜け出すことが生死を左右します。心理学では、「正常性バイアス」を抜けると「思考」→「行動」という段階に移行し、初めて避難を開始することができます。つまり、「正常性バイアス」に長い間さらされるということは、逃げ遅れ、立ち遅れる時間が長くなるということ。これは致命的です。


 


繰り返しになりますが、「正常性バイアス」は誰しもが経験すること。もちろん筆者も経験済みです。しかしながら、誰しもにも起きる、この一連の流れを知り、自分が「正常性バイアス」にかかっていることを認識するだけでも、逃げ遅れるという最悪の事態は避けられるのです。近年では、大災害やテロや武力衝突など、世界が緊張状態にあります。この混沌とした時代を生き抜くためにも、有事の心理状態を知ることは、自分を守ることでもあります。愛する人を救いたいのなら、まずは自分から。まずは自分の身は自分で守ることからです。


【参考】※1. アマンダ リプリー 著, 岡 真知子 翻訳(2009)『生き残る判断 生き残れない行動』光文社


(写真:pixta/本文とは直接関係ありません)


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  • どれだけ言ってもこればかりは一度怖い思いしないと分かんないよねぇ。
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