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広岡達朗、江本孟紀が語る野村克也さんの人間味「選手時代の業績ひけらかさない」

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2020年02月24日 11:30  AERA dot.

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写真野村克也さん (c)朝日新聞社
野村克也さん (c)朝日新聞社
 野球界の偉人が、また鬼籍に入った。一世を風靡した「ID野球」で、「データ」の印象が強かった野村克也さん。努力の陰に人間味があふれていた。

【写真】ブルペンで談笑する野村克也さんと星野仙一さんはこちら

*  *  *
 突然の訃報だった。選手として監督として、輝かしい実績を上げた野村克也さんが11日、亡くなった。84歳だった。

 テスト生として南海に入団し、戦後初の三冠王、歴代2位の657本塁打に加え、「生涯一捕手」を宣言し45歳まで現役を続けた。その原点は、監督として南海黄金時代を築いた鶴岡一人さんだった。鶴岡さんの同郷の後輩で、ヤクルトや西武を率いて両リーグで日本一を成し遂げた広岡達朗さん(88)が言う。

「野村の素材を見いだし、レギュラーに育て上げたのは間違いなく鶴岡さんの功績。野村も努力でそれに応えた。でも現役の最後に西武に来て、西武球場の階段を上るのが『キツイ』とこぼしていてね。確かにあの球場の階段は急なんだけど、何だ元気ないなという印象は受けたね」

 鶴岡さんの薫陶を受け、攻守両面でインサイドワークに優れた選手に成長、34歳からは南海の監督も兼任した。しかし、指導者として開花したのは1990年にヤクルトの監督に就任してからだ。古田敦也を当代一の捕手に育て上げ、長距離打者の池山隆寛、リリーフエースの高津臣吾(現ヤクルト監督)らを擁して9年間の在任中にリーグ優勝4回、うち3回日本シリーズを制覇した。

 なかでも同世代で現役時代は同じ捕手としてしのぎを削った森祇晶さんが監督だった西武と2年連続で顔を合わせた日本シリーズは、球史に残る名勝負になった。92年は3勝4敗で森西武に苦杯を喫した野村ヤクルトは、翌93年には逆に4勝3敗で雪辱を遂げた。これについて『捕手ほど素敵な商売はない 森祇晶vs.野村克也』の著者、松下茂典さんが振り返る。

「一球一球に野球の醍醐味が凝縮された名勝負でしたね。知将同士がお互いに、次にどう動くのかを読み合う心理戦が随所にちりばめられていた。当初の取材にはお互い、キツネとタヌキの化かし合いのようにぼかしていたことも、月日が経つと次第に当時の心境を交えて話してくれました」

 他球団で活躍できなかった選手の実力を開花させる「野村再生工場」も野村さんを語るキーワードの一つ。在籍1年の東映から未勝利で移籍してきた江本孟紀さん(72)とバッテリーを組み、球界を代表する名投手に育てたのに始まり、江夏豊、小早川毅彦、山崎武司ら錚々たる選手たちを「再生」させた。

 こうした「野村野球」について、江本さんはこう語る。

「打って守って走るだけじゃなくてモノを考えて野球せえというのが原点でしたから、我々が現役当時からデータの蓄積や分析も凄かった。しかし、野村さんが監督専任になってあれだけ成果を上げたのは、選手時代の業績をひけらかすことなく『別業種』としてきちんと分けて取り組んだからだと思います」

 野村さんの「考える野球」の原点は、選手兼任監督時代にヘッドコーチとして支えた元大リーガーのドン・ブレイザーにあり、同時代に阪急監督だった上田利治さんはダリル・スペンサーの「スパイ野球」に接して野球眼を鍛え、一時代を築いた。本場の野球の厳しさを肌で知る広岡、野村、上田各氏らが日本のプロ野球のレベルを引き上げた。あのボヤキが聞けなくなるのは寂しいが、野村克也という巨星は、野球強国の礎として永遠に残る。

【野村語録】
「落ちて踏みつぶされたって、たいしたことないわい」
1993年11月1日、ヤクルト監督として日本一に輝き、ダイヤ付きのメガネをつけたまま胴上げされ、喜びを表現

「監督は『歩』を『金』にして初めて評価される」
野村さんが考える監督の手腕。選手の育成について将棋で例えた(著書『負けに不思議の負けなし』から)

「神様が寝込んでるんじゃないの」
99年1月、阪神監督として兵庫県内の神社で必勝祈願。13年間優勝がないことに、ぽつり

「アンパイアは夫の上司のようなもの」
ピッチャーの女房役であるキャッチャーにとっての審判の存在。現役時代は審判に愛嬌を振りまいていたという(著書『野球は頭でするもんだ!』から)

「人間の名誉というのは、すぐ忘れられるもんです」
楽天の監督に就任した際のインタビューで、つねに現場で活動しなければならない意気込みをこう伝えた(AERA2006年1月23日号から)

(編集部・大平誠)

※AERA 2020年2月24日号

このニュースに関するつぶやき

  • 広岡はいつも偉そうだけど。選手として二流なのに。まぁ監督としては凄いが
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  • ヤッパリ凄い人だったな。ホントに残念だ。どこやら��の誰かが逝けば良いのに。
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