iPhone 9(SE2)の発表は3月以降に延期? 一方“全面ガラス端末”の特許も明らかに

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2020年02月25日 07:11  リアルサウンド

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BGR「This is what Apple’s upcoming iPhone 9 is going to look like」より

 世界中で収束の気配を見せずに流行している新型コロナウイルスの影響は、テック業界にも及んでいる。先日は世界最大級のモバイル関連イベント『MWC』(スペイン・バルセロナ)が中止されたが、今度はiPhone 9(SE2)の発表スケジュールにも影響し、延期を余儀なくされそうだ。その一方で、Appleが思い描く未来を垣間見せてくれる特許が明らかになった。


(参考:新型iPhone SE 2のケースが早くも販売へ 発表前のケース商戦はすでに激化


・当初は3月発表だった
 iPhone 9(SE2)の発表スケジュールに関しては、先週まではドイツのApple専門ニュースブログ『iphone-ticker』が17日に報じた内容が有力視されていた。その内容とは、同スマホは3月31日に発表され、4月3日から発売というものだ。このスケジュールの情報源は「Appleに直接的に近いところ」とされていた。この予想スケジュールは、昨年の3月26日にApple arcade等のサブスクサービスを発表した過去の傾向から見ても可能性が高い妥当なものだった。


 しかし、中国テック業界の動向を報じるメディア『GizChina』が22日に公開した記事によると、上記の予想スケジュールは延期されるようだ。その理由は、もちろん新型コロナウイルスの影響により中国にある組み立て工場の製造能力が低下しているため。2月末時点での組み立て工場の製造能力は、通常時の半分以下となっているという。


 iPhoneの組み立てを受注しているFoxconnの当初のプランでは、2月末までに工場の製造能力を50%に回復させ、3月には80%にすることを目指していた。しかし、2月末の段階で50%を下回っている状況を考慮すると、同社のプランは思惑通りには実現しない公算が高まっていると言わざるを得ないだろう。


・Appleも業績予測を修正した
 新型コロナウイルスの影響については、Apple自体がその影響を認める声明を17日に発表した。「Apple、投資家向けに四半期業績を更新」と題された声明では、2020年第1四半期の業績予測を達成できない見込みであることが報じられた。


 業績予測を下方修正した第一の理由は、iPhoneの供給が一時的に制限されていることだ。iPhoneシリーズの製造パートナーの工場は、新型コロナウイルス流行の発生源となった湖北省以外にあり徐々に操業を再開しているものも、当初の予定よりそのペースが遅れているのが現状だ。


 第二の理由には、Apple製品の需要に影響が出ていることが挙げられている。既報のように、中国国内のApple Store全店舗とパートナー各社の店舗は2月初めに閉鎖された。Apple Storeに関しては徐々に営業を再開させる予定であるが、再開に向けては「着実かつ安全」に取り組む、とのこと。そのため、Apple Storeの営業再開によって中国の同社製品に関する需要が急速に回復するとは考えがたい。


 声明では中国以外でのApple製品とサービスの需要は堅調で予測通り、ともコメントしている。また、新型コロナウイルスによる影響は一時的なものであり、基本的にはAppleの業績は堅調であることも強調した。


・未来のiPhoneは全面ガラス?
 Appleに関する暗いニュースが続くなか、Apple専門ニュースメディア『appleinsider』は21日に未来のiPhoneを垣間見せてくれる特許について報じた。2020年2月20日付で発行された特許では、6面全面がガラスで覆われたスマホが解説されている。背面と側面にもガラス素材が使われることにより、スマホ自体がガラスで作られた造形物のようになるという。


 6面全面をガラスで覆うというデザインコンセプトは、見た目だけではなく機能上の変化も引き起こす。特許文書によると、現在のiPhoneシリーズの側面にある各種物理ボタンが一掃され、すべてタップ式のソフトウェアボタンになる。さらには、側面や背面が前面のようにディスプレイとしても機能する。例えば、側面に天気情報や株価を表示することができるのだ。こうした6面全面ガラスモデルは、スマホ全体がディスプレイ化すると言えるかもしれない。


 スマホ全体がディスプレイ化する影響は、各種アプリのUIデザインにも現れる。6面全体がつなぎ目なく単一のディスプレイと化した場合、もはや側面や背面といった概念そのものが希薄になり、代わってスマホ全体を覆うUIデザインが採用されるようになるのだ。


 appleinsiderの記事では「ラップアラウンドタッチスクリーン」とも表現される6面一体型のディスプレイデザインは、Samsungが販売しているフォルダブル端末に対抗するアイデアと解釈することができる。というのも、6面全面をひとつのディスプレイにすれば、スマホ本体を折り畳まずにディスプレイの表示面積を増やせるからだ。


 以上の特許文書で語られているアイデアが未来のiPhoneで実現する保証は何ひとつない。しかし、新型コロナウイルスの影響にさらされながらも、Appleは常に未来のiPhoneの可能性に思いを巡らしていると言って間違いはないのだ。


(吉本幸記)


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