田中みな実がぶりっ子と闇キャラをさらけ出し築きあげた、究極の“女モテ”ポジション

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2020年02月25日 16:00  週刊女性PRIME

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田中みな実 ('19年8月、ドラマ『奪い愛、夏』記者会見)

 田中みな実が人気だ。昨年12月に発売された写真集『Sincerely yours...』が異例の売り上げを示し、テレビなど各種メディアにも連日出演している。特に注目を集めているのが、その女性人気の高さ。“女性が嫌いな女子アナ”から“女性が好きな女子アナ”への転身。その背景には何があるのだろうか。

 田中は身体づくりに余念がない。仕事に空き時間があれば、ジムに通い、エステに向かう。そんな姿を、彼女はメディアで繰り返し発信してきた。身体は日に日に鍛え上げられていき、近年ではしなやかな背筋を画面に見せるほどになっている。

 また、果物を中心に食事には細心の注意を払う。水ひとつとっても、個人の見解に基づくこだわりを見せる。

「人間の体内のpH値って、7.4なんですよ。pH値があってるお水のほうが、身体に吸収されやすくて水分量も上がるので」(TBS系『サンデー・ジャポン』2019年7月7日)

 もちろん、これらの言動はバラエティー番組でネタとして取り上げられ、ツッコミの対象にもなる。けれど、継続は力なり。彼女の堅実な取り組みを何度もテレビで見てきた視聴者は、写真集で披露した“美”が“努力”に裏づけられていることを、いつの間にか理解するほどになっていた。

 ジム通いなどが常に笑いの対象であったという経緯が、“周囲に笑われながらも頑張ってきた”というストーリーになっている面もあるのだろう。彼女の努力家としての顔は、確かに今の高い支持につながっているように思う。

“ぶりっ子”からの脱却

 そんな田中は、2009年のTBS入社当初は目立たない存在だったという。最初に注目されたのは、2011年に『サンデー・ジャポン』でコーナーを任され、“ぶりっ子”キャラを確立してからだ。

 また、2014年に退社しフリーになってからは、バラエティー番組で“闇キャラ”を見せ始めた。同時に、女性ファッション誌の表紙を飾るなど美容方面でも注目を集め、最近はついに“美のカリスマ”と呼ばれるようにもなっている。

 ――と、こうまとめると、彼女は次々とキャラを変えてきたように見える。華麗なる転身を果たし、“ぶりっ子”を脱した結果、女性からの人気を得たように思える。

 しかし、実際は少し違う。例えば、浜田雅功の口元についた食べかすをとって食べるといった動作を、田中は今でもごく自然に見せる。それを見たSHELLYは、坂上忍に「ああいうことができる女ってどう思う?」と尋ねられ、こう言い放った。

「私もうホントに嫌いなんですよ」(フジテレビ系『ダウンタウンなう』2020年1月17日)

 お酒を飲んで帰った夜は昔の彼氏の写真を眺める、と自身の“闇”を語ることもいまだにある。

「すごく虚無感に襲われるから、それでガラケー差し込んで写真を見て。モテてたころのメールとか見て」(テレビ朝日系『川柳居酒屋なつみ』2019年12月10日)

 彼女は今でも以前と同様に、ぶりっ子として女性に嫌われる姿を見せる。闇モードに陥る自分も語る。可愛さや美しさを高めつつ、どこか残念なところがある――そんな存在として、田中はテレビの中で振る舞っているのだ。

 それは一方で、彼女のブレなさを示している。簡単にキャラクターを捨てないその一貫性、変わらない姿をずっと見せてきたというイメージも、支持理由のひとつだろう。

 完璧すぎるものを手放しで支持することには抵抗があるという、そんな視聴者心理に合致している面もあるように思う。

「嫌悪」から「憧れ」の対象へ

 田中みな実には複数の顔がある。努力家、ぶりっ子、闇キャラ、美のカリスマといった面だけではない。自立した“職業人”としての顔だ。

 TBS退社当初、他局のバラエティー番組に呼ばれた彼女は、フリーになったのは10年後の自分のキャリアを見据えての決断だったと、繰り返し語っていた。後輩が次々と入ってくる中、“ぶりっ子”だけでは自分の将来の立ち位置が見えない、と。

「30歳になるまでにもっといろんなことに挑戦したいのに、現状維持のまま30歳を迎えるのが怖かった」(フジテレビ系『ボクらの時代』2016年11月27日)
 
 そんな自立した生き方、さらに言うと、女性として可愛く・美しくありたい自分を捨てずに仕事でも自立する、そんな生き方を実践しているという面も、同性からの憧れの対象なのかもしれない。

 もちろん、女性人気の高さにばかり注目するのはどうかとも思う。“女性に人気”というのは、男性にとって“エロい”ものをこの時代に堂々とテレビでお届けするための、体裁のよい包装紙なのでは、とも邪推する。

 いずれにしても、田中はさまざまな顔をテレビの画面上で見せている。そして、どこまでがキャラクターで、どこからが素なのか、見るものを手玉に取りながら、そのキャリアを着々と築き上げている。

 田中みな実とは何者か。そんな問いをめぐり、この記事も含め各所で多数の言説が生み出されているのは、自身の虚像と実像をコントロールし簡単には正体をつかませない、彼女の卓越した自己プロデュース力のためでもあるだろう。

 SNS時代に生きる私たちは、彼女のそんな顔にも魅せられているのかもしれない。

文・飲用てれび(@inyou_te

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