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株価急落に初の倒産 政府対応遅れがコロナショックを深刻化

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2020年02月25日 19:35  AERA dot.

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写真新型コロナウイルスの影響で日経平均株価は大場に値下がりした=2月25日、撮影・多田敏男
新型コロナウイルスの影響で日経平均株価は大場に値下がりした=2月25日、撮影・多田敏男
 新型コロナウイルスの騒ぎが拡大している。2月25日には株価が急落し経済の先行きに不透明感が強まった。外国人観光客の急減で倒産する企業も出ている。イベントの中止も相次ぎマスクの不足も深刻。「コロナショック」の襲来に、政府の対応は遅れ気味だ。

 2月25日の東京株式市場では、コロナショックによる企業業績への影響の懸念が強まり、株式が売られた。株価の指標となる日経平均株価の終値は前週末より781円33銭安い2万2605円41銭となった。約4カ月ぶりの安値で、取引時間中には一時、値下がり幅が1千円を超えた。

 米ニューヨーク株式市場でも24日、大企業の株価指標であるダウ工業株平均が、前週末より1031・61ドル値下がりした。下げ幅は史上3番目となった。複数のアナリストは、「コロナショックはすぐには収束せず株価低迷が長引く恐れがある」と指摘している。

 観光地では中国人らの姿が消え、宿泊施設でもキャンセルが続出。経営に行き詰まるところが出てくるのではないかと心配されていたが、それが現実となった。

 民間調査会社の東京商工リサーチによると、愛知県蒲郡市の観光旅館が事業を停止し、破産申請することになった。中国からの団体ツアーのキャンセルが相次いだことが理由の一つで、新型コロナウイルスによる初の経営破綻だという。

「新型コロナウイルスによる影響は急速に広がっています。中小企業は資金調達が難しく、いずれ経営破綻するところが出てくると心配されていました。国内の個人消費は伸び悩み、各企業とも外国人観光客を取り込んで、なんとか生き残ろうとしていた。消費増税もあって倒産が全体的に増加傾向にあるなか、コロナウイルスが追い打ちをかけたのです。経営破綻するところは今後も出てきそうです」(東京商工リサーチ情報本部情報部の後藤賢治課長)

 加藤勝信厚生労働相は、対策の基本方針を発表する2月25日の会見で、こう述べた。

「現在国内の複数の地域で感染経路が明らかでない患者が散発的に発生し、小規模な患者の集団が把握されている。まさに今が今後の国内での健康被害を抑える上での極めて重要な時期です」

 その上で、新型コロナウイルスの特徴を踏まえて国民に次のような呼びかけをした。

○感染の不安から、適切な相談を行わないまま医療機関を受診することがないようにする

○感染しやすい環境に行くことを避ける。手洗いやせきエチケットを徹底し、風邪の症状があれば外出を控える。やむを得ず外出する場合は必ずマスクを着用する。

○休暇の取得やテレワークについて、企業や団体の協力も必要となる。

○患者の集団が確認された地域では、関係する施設やイベントなどの自粛を検討してもらう。

 このように述べた上で、「引き続き先手先手の対応を進めていきたい」と強調した。だが、基本方針といっても、これまで呼びかけていたものとほぼ同じ内容。具体性に乏しく、外出やイベントの自粛などについて、個人や企業の判断に委ねる姿勢が目立つ。

 そもそも、国内で初の感染者が確認されたのは1カ月以上前。政府は、国内での感染拡大の恐れは少ないとして、移動制限などの抜本的な封じ込め策をとってこなかった。国内の感染者は2月24日正午現在で144人にまで増えている。政府の対応を巡っては、後手に回ったとの指摘が相次いでいる。

 マスクの確保もできていない。ドラッグストアなどでは売り切れが続き、個人が買おうと思ってもできない状況だ。ネットなどでは便乗値上げも目立つ。

 政府はメーカーがフル生産することで、品不足は2月17日以降は解消に向かうと説明していた。だが、世界的な需要の高まりから輸入は難しく、国内の生産だけで確保できるめどは立っていない。せきなどの症状がある人はマスクをするように政府は呼びかけているが、そのマスクが手に入らないのだ。

 政府が早期に徹底した対策をとれなかったのは、中国への配慮と東京五輪・パラリンピックへの影響を避けたかった思惑があると指摘されている。政府が中国からの入国制限を拡大したのは2月13日になってからだ。

 感染の有無の検査を受けられるのは当初、中国の流行地への渡航歴がある人らに限定していた。発熱などの症状があっても検査を断られた人もいて、感染者の発見が遅れた。今では渡航歴がなくても医師の判断で受けられることになっているが、実際は保健所で対象外とされるケースも相次いでいる。霞が関のある官僚はこう分析する。

「中国の習近平国家主席の訪日を4月にも控え、全面的な来日拒否はしにくかった。感染の検査については積極的にしていない国も多い。日本だけが早くからやると、国内の感染者数が世界の中で突出し、五輪の開催が危ぶまれる。政府としては、水際対策で乗り切れると思っていたんです」

 希望的観測は状況を悪化させた。水際対策は失敗し、国内での感染封じ込めはすでに難しくなっている。政府の専門家会議は2月24日の見解で、「一人ひとりの感染を完全に防止することは不可能」と認めた。米国が日本への渡航警戒レベルを、「注意を強化」に引き上げるなど、世界的にも日本への警戒感が強まっている。

 大型クルーズ船での集団感染も問題となった。横浜港に停泊しているダイヤモンド・プリンセス号には約3700人が乗船していた。19日までに延べ3011人が検査を受け、そのうち621人の感染が確認されている。約5人に1人という高い割合で、感染を抑えるために船内で隔離したはずなのに、かえって被害を拡大した疑いがある。下船前の検査に漏れがあったことや、下船後のチェック体制の不備も指摘された。

 乗客のうち4人の死亡が、2月25日までに確認されている。船内業務にあたった厚労省職員やスタッフらの感染も次々に判明。政府は感染防止策は適切だったと主張しているが、早期に下船させて充実した施設で隔離できなかったのかなど、疑問は深まる。

 クルーズ船は英国船籍で、米国やカナダなどの乗客も多く、帰国後に感染がわかるケースもあった。日本政府の対応は失敗したのではないかとの疑念が、国際的に強まる。

 不信感を招く閣僚の行動も発覚している。小泉進次郎環境相と森雅子法相、萩生田光一文部科学相が、新型コロナウイルス感染症対策本部の2月16日の会合を欠席。地元での新年会など私的会合を優先していた。3閣僚とも国会で反省は表明したが、明確な謝罪はなかった。失敗を素直に認めない姿勢で、本当に感染拡大が防げるのか。対策本部長でもある安倍晋三首相の対応が問われている。

 今後の焦点は、夏の東京五輪・パラリンピックへの影響だ。すでに多くのスポーツ大会やイベントで、中止や延期、規模縮小が広がっている。

 加藤厚労相は今後の展開によっては、開催に影響が出る可能性を否定していない。今回の流行が夏まで続けば、開催の延期や縮小、無観客試合などに追い込まれる可能性が高まる。

 最終的に判断するのは日本政府ではなく、国際オリンピック委員会(IOC)や国際パラリンピック委員会(IPC)だ。五輪開催で支持率を上げたい安倍政権としては“強行突破”したいのかもしれないが、決定権は日本にはない。
(本誌・多田敏男、池田正史)
※週刊朝日オンライン限定記事

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このニュースに関するつぶやき

  • 対応遅れはシナとWHO。日本は被害者なのです<丶`∀´>ウェーハッハッハ
    • イイネ!37
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  • 株については、世界同時株安です(笑)アベノセイにするのはちょっと厳しいな(笑)
    • イイネ!48
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