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深海グッズ通販サイト、注文殺到の理由 ドキっとする言語センス 購入は「捕獲」売り切れ「滅亡しました」

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2020年02月27日 07:00  ウィズニュース

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写真深海生物「メンダコ」をモチーフにしたカップ麺のフタ「カップメンダコ」=「深海マザー」オンラインショップ
深海生物「メンダコ」をモチーフにしたカップ麺のフタ「カップメンダコ」=「深海マザー」オンラインショップ

 購入は「捕獲」、売り切れると「滅亡しました」。ダイオウイカやメンダコなど深海生物をモチーフにした雑貨を販売するオンラインショップの、ユニークな表現が話題です。人気で売り切れが続出し、多くの商品が「滅亡」しているのを眺めると、ちょっぴり胸が痛みます。一体どんな思いが込められているのでしょうか? ブランドの担当者に聞きました。(朝日新聞デジタル編集部・野口みな子)

【画像】購入は「捕獲」売り切れは「滅亡しました」…深海グッズ通販サイト、注文殺到の理由とは

おすすめも「この生物を捕獲した人は…」
 話題になっているのは、オリジナルの深海グッズを制作するブランド「深海マザー」のオンラインショップ。

 取り扱っているのは、深海生物「メンダコ」をモチーフにしたカップ麺のフタ「カップメンダコ」や、「ダイオウグソクムシ」のドアストッパー、「ダイオウイカ」のペーパーナイフ「ダイオウイカッター」など深海生物の特徴を捉えた、かわいらしくて独創的な商品ばかりです。

 しかし今回注目されているのは商品そのものではなく、このオンラインショップの仕組みです。通常のオンラインショップであれば「カートに入れる」があるはずですが、深海マザーではその代わりに「捕獲する」の文字が。商品の単位は「匹」で、売り切れの商品には「滅亡しました」と表示されています。捕獲して滅亡すると言われると、なんだか心がチクッと痛みます。

 その他、お決まりのオススメ文言も「この生物を捕獲した人はこんな生物も捕獲しています」にアレンジされているなど、表現の端々からこだわりが感じられます。

 ツイッターアカウントのロッズさん(@rods_skyfish)が「こんなに罪深く感じるSOLD OUTは見たことない」と深海マザーを紹介すると、ツイートは2.5万回以上リツイートされ、4.9万件以上のいいねが集まりました。「こういう遊び心好き」「滅亡したらどうなるの」などの反響があり、話題になっています。

 一体どうしてこのような表現を使っているのでしょうか。「深海マザー」創設者で雑貨を制作している宇山亮さんに聞きました。

「生き物と接する時の大切なこと」感じてもらえたら
――「深海マザー」はいつ、どんなコンセプトで生まれたブランドでしょうか。

 2013年4月よりオンラインショップをオープンしました。コンセプトは、部屋の中へ深海生物をインテリアとして迎え入れるとしたら、どのように迎え入れたらおもしろいかを考えました。それをデザインに取り入れた雑貨を作り販売を始めました。

 暗いニュースの多い昨今ですが、世の中を、せめて部屋の中でもほんの少し明るく温かくできたらと思っています。

――深海生物をモチーフにされていますが、これらの生物の魅力はどんなところでしょうか。

 深海生物には驚かせられることが多いです。デメニギスやダイオウグソクムシ、ダイオウイカのような見た目が奇抜な生物にも単純に驚きますが、深海底の熱水噴出孔(地熱で熱せられた水が噴出する割れ目)に生息する生物の中には、硫黄や水素などを利用してエネルギーを得ている生物もいます。

 陸上生物とは違いすぎる暮らしぶりには知れば知るほど驚かされ、その魅力に惹かれてしまいます。

――オンラインショップで「捕獲」「滅亡しました」など、ユニークな表現を採用しているのはどうしてでしょうか。

 深海生物を購入するとして、「カートに入れる」「○個」「売り切れ」だとなんだか殺伐としているような気がするからです。購入する行為は楽しいものなので、リアリティも含め楽しく表現することにしています。

 また、「深海マザー」は個人企業のネットショップなので、新規のお客様から怪しいという印象を持たれないよう配慮している面もあります。余計に怪しいと言われることがよくあるのでその度にショックを受けます。

――特に「滅亡しました」という言葉は少し胸が痛みます。Twitterでも「罪深く感じるSOLD OUT」と話題になっていますが、この表現にはどんな思いが込められているのでしょうか。

 そのように感じていただけたら本望です。私自身もTwitterで「ちょっとかわいそう」「エモい・・・」などといったツイートを見かけました。

 普通、生物が絶えることは「絶滅」と言うので「滅亡」は違うのではないかと思われるのではないかと思います。1種とはいえ、生物が絶滅すると生態系のバランスが崩れ、他の生物の絶滅の連鎖が始まり、もしかしたら土地や環境までまるごと絶えてしまうかもしれません。

 愛らしい深海グッズの写真の下に赤く表示される「滅亡しました」の文字。そのギャップから、生き物と接する時の大切なことを何かしら感じていただけたらという思いを込めています。

すべて手作り「成長していくよう」
 商品の制作は宇山さんが全工程を手がけています。より手頃な価格で提供できればと、量産も検討してきたそうですが、今ある品質や「味」はハンドメイドだからこそ。ひとつひとつ手作りするのは簡単なことではありませんが、「製造工程を踏むごとにまるで成長していくかのように出来上がっていく様子を見ていると、苦労はあまり気になりません」。

 一方で、生産量にも限りがあります。Twitterで話題になった日には、通常の70倍以上の受注があり、商品が無くなってしまったそう。「カップメンダコシリーズは、全30種完全滅亡中につき再建復興に取り組んでいます」と宇山さん。今後も入荷は続き、再入荷情報や製作風景などは、SNS(@deepseaMOTHER)にて随時発信していくといいます。

 Twitterで拡散されたことについては、ツイートで感情や購入先を詳しく紹介されていたことも含め、「話題にしていただいたツイート主様には感謝しかございません」。

 「カップメンダコや深海マザーオンラインショップで使われている表現に関しては、単体では何度か話題になっているのですが、ショップと商品が噛み合って話題になったことは初めてのことなので、本当に評価していただけたことを感じることができました」

 また、これから深海マザーの商品の「捕獲または乱獲」を狙っている人たちには、「今後も新作を含め、捕獲本能をくすぐれるようなおもしろい商品を作っていけたらと思っています」と、ここでもセンスが光ります。

 「深海マザー」以外でも、オンラインショップでは「いきもーる」「ヴィレッジヴァンガードオンライン」、店舗では「サンシャイン水族館」「沼津港深海水族館」「かなざわ珈琲世田谷店」でも取り扱いがあるそう。店舗限定カラーのカップメンダコも販売しており、「よろしければぜひ捕獲ください」とのことでした。

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