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一塁守備の“軽視”? 巨人・陽岱鋼のコンバートに「危険性」はないのか

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2020年02月27日 16:00  AERA dot.

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写真巨人・陽岱鋼 (c)朝日新聞社
巨人・陽岱鋼 (c)朝日新聞社
 今年の巨人キャンプ、レギュラー争いで一つの見どころとなったのがファーストのポジションだ。昨年のレギュラーだった岡本和真は本格的にサードに転向となり、阿部慎之助も引退したことで今のところ誰が開幕スタメンとなるかは見えづらい状況だ。

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 そんな中で候補の一人となっているのが陽岱鋼だ。陽といえば日本ハム時代に4度のゴールデングラブ賞に輝いた外野の名手である。高校時代はショートでプロ入り後も数年間は内野手としてプレーしていたが、ファーストの経験はない。そして今回の陽の例に限らず、近年の野球ではファーストの守備を軽視している風潮が見られる。昨年行われたプレミア12でも選出された内野手の中にファーストが本職の選手は一人もいなかった。そこで今回は各球団の一塁手事情から、ファースト守備の重要性を検討してみたいと思う。

 まず昨シーズン、ファーストでスタメン起用された選手の数と最多出場の選手を球団ごとに並べてみると以下のような結果となった。

■パ・リーグ
西武:2人(最多出場:山川穂高・142試合)
ソフトバンク:6人(最多出場:内川聖一・130試合)
楽天:5人(最多出場:銀次・128試合)
ロッテ:3人(最多出場:鈴木大地・74試合)
日本ハム:5人(最多出場:中田翔・99試合)
オリックス:9人(最多出場:モヤ・55試合)

■セ・リーグ
巨人:4人(最多出場:岡本和真・69試合)
DeNA:2人(最多出場:ロペス・140試合)
阪神:7人(最多出場:マルテ・103試合)
広島:7人(最多出場:バティスタ・89試合)
中日:2人(最多出場:ビシエド・142試合)
ヤクルト:4人(最多出場:村上宗隆・117試合)

 一塁手を最も固定することができていたのは西武と中日の2球団で1試合を除いて山川とビシエドが一塁手のスタメンを務めている。次いでDeNAのロペスが140試合となった。一方で最も多くの選手を一塁のスタメンで起用したのはオリックスの9人だ。開幕からT−岡田、マレーロ、メネセスらが入れ替わりで起用され、最終的には途中加入のモヤが最多出場となっている。

 スタメン起用人数は少ないものの、固定されていなかったのがロッテと巨人だ。ロッテは鈴木大地が74試合、井上晴哉が68試合とほぼ同数で並んでいる(他に香月一也が1試合)。また巨人は岡本、大城卓三(42試合)、阿部(27試合)、中島宏之(5試合)という状況だ。冒頭でも触れたがこの4人から岡本がサードに移り、阿部が引退となれば他の選手を入れて競争させようという考えも分からなくはない。

 また改めて上記の顔ぶれを見てみると12球団のうち5球団は外国人選手がレギュラーを占めている。また日本人選手もアマチュア時代から主に一塁手だったのは山川と岡本の二人だけである。そして昨シーズンのレギュラー一塁手の守備について、セイバーメトリクスの指標であるUZRで見てみると以下のような数字となっている(1.02 ESSENCE OF BASEBALL 株式会社DELTAより引用)。

■パ・リーグ
内川聖一:18.6
銀次:4.3
鈴木大地:−0.8
モヤ:−2.2
中田翔:−4.5
山川穂高:−6.3

■セ・リーグ
村上宗隆:4.2
ビシエド:3.9
ロペス:0.3
マルテ:0.1
バティスタ:−4.2
岡本和真:−9.0

 UZRについての算出方法や詳細についてはここでは省略するが、0が平均的な選手であり、プラスの数字はそれ以上、マイナスの数字はそれ以下という見方となる。昨年の数字を見ると、パ・リーグでは内川が飛び抜けた数字を残しており、銀次も高い水準にある。セ・リーグでは実質1年目の村上がトップでビシエドがそれに次ぐ数字となった。そして両リーグで最低の数字となったのは山川と岡本という先述したアマチュア時代からファーストだった二人となっているのだ。山川は2018年には5.1という数字を残しているが失策数はリーグワーストの14個を記録しており、岡本は2018年も−7.3と非常に低い数字になっていることを考えると、元々ファーストだった選手だからといって守備力が高いとは言えないということになるだろう。

 だからといって他のポジションだった選手をファーストに回せば問題ないかというと、そんな単純な話でもない。昨年初めてファーストを任せられた鈴木のUZRは平均以下の−0.8であり、また井上の2.4と比べても下回っているのだ。やはり慣れや経験、適正も軽視できないと言えるのではないだろうか。昨年行われたU18W杯ではファーストの選手を一人も選出せずに守備の乱れが生じたことも記憶に新しいが、やはり経験は必要なのである。

 話を戻すと、陽のファースト転向は内川や銀次の成功例を見ても成功することも十分に考えられる。しかしながら、短期決戦では経験のない選手にいきなりファーストを守らせるというのは危険ではないだろうか。ペナントレース、東京五輪でもどのような起用になるのか、ファーストを任せられた選手がどのような守備を見せるのかという点にもぜひ注目してもらいたい。(文・西尾典文)

●西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

このニュースに関するつぶやき

  • 岡本固定か他の選手を発掘のが良いのでは?陽岱鋼をコンバートさせてまで使わなきゃいけない理由がわからない。 https://mixi.at/a3F3N3P
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  • 陽の外野の守備は,微妙ってこと?それとも他の選手で外野で使いたいんですかね?確かに中島の1塁とか勿体ないのもあるけど.
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