ホーム > mixiニュース > エンタメ > 映画 > 94年前のロストフィルム発見

無声映画史に残る大発見 94年前のロストフィルム「STOP, LOOK AND LISTEN」が日本で発見される

57

2020年02月28日 13:41  おたくま経済新聞

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

おたくま経済新聞

写真無声映画史に残る大発見 94年前のロストフィルム「STOP, LOOK AND LISTEN」が日本で発見される
無声映画史に残る大発見 94年前のロストフィルム「STOP, LOOK AND LISTEN」が日本で発見される

 今から94年前の1926年にアメリカで公開され、長らく現存しないロストフィルム(失われた映画)と考えられてきた喜劇映画「STOP, LOOK AND LISTEN」の一部が、2020年2月に日本の映像収集家によって発見されました。無声映画史に残る大発見と注目されています。


【さらに詳しい元の記事はこちら】


 映画「STOP, LOOK AND LISTEN」は、1926(大正15)年1月1日にアメリカで公開された、無声映画の名優ラリー・シモンが監督・主演、同じく無声映画の名喜劇俳優オリヴァー・ハーディー出演の映画。ラリー・シモン(Larry Semon)とオリヴァー・ハーディー(Oliver Hardy)がコンビを組んだ最後の作品(1927年からハーディーはスタン・ローレルとコンビを組み「ローレル&ハーディー」として1955年まで活動)です。


 日本でも「弗箱(どるばこ)シーモン」のタイトルで1927(昭和2)年1月に公開。今回発見されたのは日本版の16mmフィルムで、60分(6巻)のうち最後の10分あまりが収録された1巻です。フィルムに入っていたケースには「喜活劇 猛進ラリー」のタイトル。主人公のルーサー・ミークをシモンが演じ、太っちょの座長(Show Manager)をハーディー(キャストクレジットでは童顔であることから「ベーブ・ハーディー(Babe Hardy)」名)が演じています。


 ラリー・シモンは、1910年代から結核により39歳の若さで死去した1928年にかけての無声映画全盛期に活躍した人物で、俳優としてだけでなく脚本・監督とマルチな才能を発揮した人物。1925年版の「オズの魔法使い(当時の邦題:笑国万歳)」を監督したことでも知られます。


 その作風は、当時の喜劇にありがちな派手な演出やアクションの一方、スローモーションを多用して緩急をつけたり、爆発シーンや合成、ミニチュア特撮なども駆使するという変幻自在なもの。当時発展途上だった映画において、新しい映像表現を追求する姿勢が見られます。


 今回発見された16mmフィルムは、歴史研究家/映像収集家の笹山俊彦さんが、資料の収集過程で愛知県の骨董業者から入手したモノクロの映像フィルムを確認したところ、古い無声喜劇の映像であることが分かり、親交のあったクラシック喜劇研究家のいいをじゅんこさんに調査を依頼。その後、アメリカの無声喜劇映画研究家、スティーブ・マッサさんの協力も仰ぎ、これが失われたと考えられていた「STOP, LOOK AND LISTEN」の一部であることが判明しました。


 ちなみに、笹山さんは戦前の資料や映像をもとに、東京六大学野球をはじめとした学生スポーツの研究を行っている人物。プロ野球の巨人で選手・監督を務めた水原茂が慶應大学の三塁手時代に関連した、戦前の東京六大学野球史に残る早慶戦の大乱闘「リンゴ事件」当日(1933年10月22日)の試合映像を発見したことでも知られます。


 奇跡的に発見された「STOP, LOOK AND LISTEN」の映像を見ると、シルエットで格闘シーンを見せるといった印象的な演出のほか、背景を高速回転させてスピード感を強調したカーチェイスシーンなど、巧みな映像表現が見てとれます。


 また、サザン・パシフィック鉄道のパシフィックP-1形蒸気機関車2414号機をフィーチャーした、走る列車の上で展開されるシモンとハーディーの対決も見もの。ミニチュア特撮による鉄道橋の爆破シーンも迫力満点で、ラストで崖から転落し、長さが半分ほどに潰れた車で帰っていくコミカルな表現も秀逸です。


 いいをじゅんこさんは「無声映画の7〜9割はフィルムが失われていて、ラリー・シモン主演の長編作品も、現在、全編あるいは部分のみでも観ることが可能なものはきわめて限られており、ほとんどの作品はフィルムが存在しない。したがって、部分のみとはいえ今回日本で『弗箱シーモン』の最終巻がほぼ完全な形で見つかったことは、ラリー・シモンの知られざる長編作品の一端を明らかにする上できわめて重要な意義がある。無声映画史に残る大変に貴重な発見だ」とコメントしています。


 また、いいをさんは「ベビー・ペギー、チャーリー・チェイス、『しあわせうさぎのオズワルド』など、海外の無声喜劇フィルムが日本で発掘されるニュースがここ数年続いている。家庭鑑賞用に販売されたフィルムや玩具映画フィルムには、ロストフィルム(失われた映画)がまだまだ眠っているはずだ。古いフィルムは捨てず、ぜひお近くの博物館やフィルムアーカイブなどに託してほしい」とも語っています。


 歴史的大発見となった「STOP, LOOK AND LISTEN」の映像は、2020年4月にロンドンで開催される無声映画喜劇を特集した国際映画祭での上映が予定されています。日本では、いいをじゅんこさんが実行委員長を務める、2021年1月に開催予定の「神戸クラシックコメディ映画祭」で上映される予定となっています。


情報提供:「STOP, LOOK AND LISTEN」PR事務局


(咲村珠樹)


このニュースに関するつぶやき

  • 昔のフィルムは可燃性だったので、自然発火したり大戦で焼失したりで現存率が低い。あと再上映までは考えられてなかったもんね。
    • イイネ!1
    • コメント 0件
  • オズの魔法使いを「笑国万歳」とかどういうセンスでこんなお笑い草なタイトル付けたんだろう こんなくだらんタイトル付ける様な軍国主義なぞ焼け野原にされても当然でしかない
    • イイネ!13
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(26件)

あなたにおすすめ

ニュース設定