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夏帆×妻夫木聡が語る、映画『Red』での挑戦と支え 「弱さを見せられる人って、信用できる」

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2020年02月28日 18:02  リアルサウンド

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写真夏帆と妻夫木聡(撮影:服部健太郎)
夏帆と妻夫木聡(撮影:服部健太郎)

 直木賞作家・島本理生の原作小説を三島有紀子監督が映画化した『Red』が現在公開中だ。


 平凡な結婚、可愛い娘、“何も問題のない生活”を過ごしていた、はずだった村主塔子は、10年ぶりに、かつて愛した男・鞍田秋彦に再会する。鞍田は、ずっと行き場のなかった塔子の気持ちを少しずつほどいていく。現在と過去が交錯しながら向かう先の、原作とは別の結末が描かれる。


 主人公の塔子を夏帆が演じ、鞍田を妻夫木聡、塔子に好意を抱く同僚・小鷹役を柄本佑、塔子の夫・村主真役を間宮祥太朗が務めた。


 今回リアルサウンド映画部では、夏帆と妻夫木にインタビューを実施。それぞれが悩み、選択しながら人生を進んでいく役を演じて考えたこと、共演したお互いの印象について語ってくれた。


【動画】夏帆×妻夫木聡、燃え上がる恋心『Red』本編映像


■妻夫木「弱さを見せられる人って、信用できる」


ーー夏帆さんは本作のような真正面からの恋愛映画のヒロインが初めてだったそうですね。


夏帆:自分とは全く違う環境にいる女性だったので、演じるのが難しかったです。特に妻夫木さんとのシーンは心身ともに繊細なやりとりが多いお芝居だったので、悩みながら演じていました。


妻夫木聡(以下、妻夫木):夏帆ちゃんにとって、今回の役は本当に難しくて、初めてのことが多かったと思うんです。けど、夏帆ちゃんって、分からなかったら分からないという顔もするし、気持ちも素直に出してくれる方で、とてもやりやすく感じました。弱さを見せられる人って、信用できるし、僕はすごく好きで。はっきりと意思表示してくれるからこそ、僕は側にいて夏帆ちゃんの精神的な支えにでもなれればいいなと思っていました。


夏帆:今回はとにかく今の自分自身を全て妻夫木さんにぶつけてみようと思いました。クランクインが、映画のクライマックスにあたる新潟パートからの撮影だったので、役を作っていくには時間もあまりなく、どうしたらいいんだろうとすごく悩んで。そこで関係性を築くうえで、今の自分を包み隠さず、妻夫木さんにぶつけてみたらどうなるんだろうと。そんな私を妻夫木さんはとても大らかに受け止めてくださり、本当に懐の深い方だったから、すごく安心してお芝居ができたと思っています。


妻夫木:分からないことを分からないと言える人ってやっぱりすごいと思います。キャリアもあって、もしやろうと思えばごまかしてやれるけれど、そういうことをせずに役と向き合うことができるのは素晴らしいことだと思うから。夏帆ちゃんが自分に嘘をつく人だったらこういう作品にはなっていないはずです。


夏帆:妻夫木さんも監督の三島(有紀子)さんも、私が悩んでいたり、分からなかったり、そういうことを許してくださるというか、一緒に考えて役を作ってくださる方だったので、本当に環境に恵まれていました。


■本当に問いかけたいのは、生きること、人生、選択


ーーこの物語を撮り終えて完成した作品を観たときに、率直にどう受け取りましたか?


夏帆:恋愛映画ではあるのですが、塔子という一人の女性の生き方を描いた作品だなと感じました。本来の自分を抑圧して表には出さずに生きていた彼女が、鞍田さんや色んな人と出会って刺激を受けて、最終的に何を選び取っていくのか。そんな塔子を演じて、自分自身も人生の中でどんなことを選択していけばいいんだろうと考えさせられました。


妻夫木:撮る前は大人の恋愛のイメージが強くあって、撮影している時は気づかなかったんですが、映像を観終わって感じたのは、宿命の話であり、人生の選択の話なんだなということです。塔子自身も、彼女に関わっている人たちも、人生をどうチョイスしていくか、それによっていかようにも変わっていけるし、どんな色にもなっていくんだなと。脚本を読んだ段階では、キャラクターごとに役割がはっきりとあったような気がしたのですが、三島さんが一人ひとりの人生を描くことによって、それぞれの人生を客観的にも主観的にも見れるという話になっていて、深いなぁと感じました。


ーー塔子の生き方を見ていて、女性として生きる決意や強さを感じる作品でもあるなと感じました。


妻夫木:三島さんは一人の女性として、この作品で女性が女性としてどう生きるかを問いかけていると感じましたし、三島さんだからこそできることだったと思います。恋愛はひとつの材料なだけで、本当に問いかけたいのは、生きること、人生、選択。男としては勝手に、女性ってそういうものに直面した時に振り返らないものなんだろうなとも思いました。ギリギリになって引き止めても振り払われてしまうというか、なす術がなくなって……(笑)。やっぱり男って女々しいですからね。女性は本当に振り返らないんだろうな、気をつけよう、みたいな気持ちにもなりました(笑)。


夏帆:女性としての強さという視点は難しいですね……私はガンガン振り返っちゃいますし(笑)。私には最後の塔子の決断は三島さんらしいなと感じました。塔子はこの映画の中で葛藤しながらも自分というものと向き合い、最後はどんな決断をしても、自分の手で何かを選び取った姿はすごく強いなとは思います。


■夏帆「恐れずに自分を出していくことも必要なこと」


ーー三島監督がインタビューで、本作について「“人はいつも、自分の内側に潜んでいるものを目覚めさせてくれる誰かを探し求めているのではないか”そんなテーマでした」と語っていたのですが、今まで生きてきて、そういう節はありますか?


夏帆:常にそういうことを求めているわけではないですが、結果として人との出会いで自分自身が変わった経験はあります。今回の作品をやっていても思いましたが、自分ひとりでは飛び越えられないことも、誰かの力を借りることで見たこともない景色が見れるのかもしれないと思いました。


妻夫木:お芝居は自分自身だけでやっているものではないので、そういう意味だと、相手役、監督に引き出してもらっていることはあるんだと思います。作品の中で自分が他では見たことのない顔をしているなと思うことはあるし、それが良いのか悪いのか分からないけど、評価してもらえた時に、自分では想像し得ないものが内に存在していたんだと驚くことがあるんです。自分だけの力じゃなくて引き出してもらえていることは多そうです。


ーー塔子のように、自分が何をやりたいかよりも社会や世間に尺度を置いて行動している人が多いと思いますが、お2人はいかがですか?


夏帆:“求められているんだろうな”と思うことに合わせてしまう気持ちは、分からなくもないです。私は10代の頃から仕事をしていて、20代前半くらいまでは思っていることを相手にぶつけるのがすごく苦手でした。今も得意ではないんです。でも、それだと本当の意味で自分を理解してもらうことは難しい……だから、恐れずに自分を出していくことも必要なことだと思います。もし誰かと生活するとなったら、自分のやりたいことだけを優先するのは難しそうですし、そこはちゃんと思っていることをぶつけないといけないと思うんですけど……。きっと塔子と真(間宮祥太朗)はそれができていなくて。心の内を明かした上でどうするかを考えられるのが一番良いと思うんです。自分の考えを相手に伝えるのは、大事なことなんじゃないかなと。


妻夫木:人間は生きている以上、やっぱり必要とされたいから、そういう考えはしょうがないなとも思います。特に僕は役者で、必要とされなくなってしまったら終わってしまう仕事なので、求められたらそれに答えたくなるのが普通だから。でも、本当の自分を見つめるためには、たまにそういうものから一回離れてみることも大事だなとは思います。


夏帆:なるほど。


妻夫木:でも、ノーと言えない日本人だからね。それがいいところでもあり、悪いところでもあるんでしょうけど。5回求められることをしたら、5回自分のやりたいことをやるくらいの思いで、プラマイゼロになるようなイメージで良いんじゃないかな。やりたいことしかやらないのは、ただのわがままというか、自己中心的で自分よがりかもしれないから、周りがいて初めて成立することも当然あって、持ちつ持たれつの感じがいいんじゃないかなと思います。


(大和田茉椰)


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