EXILE公式レモンサワー、なぜ大ヒット商品に? LDH×宝酒造×ローソン担当者が語る開発秘話

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2020年02月28日 21:51  リアルサウンド

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EXILE公式レモンサワー、なぜ大ヒット商品に? LDH×宝酒造×ローソン担当者が語る開発秘話

 EXILE監修の公式レモンサワー『LEMON SOUR SQUAD from NAKAMEGURO』が、2020年1月1日の発売後、全国各地のローソンにて約1カ月で100万本の売り上げを突破する異例のヒットとなっている。LDH、宝酒造、そしてローソンの三社による共同開発の同商品は、缶に記された「PREMIUM LEMON SOUR」の通り、濃厚なレモン感、深い焼酎の味わい、そして爽快な強炭酸にこだわって作られた、まさに“プレミアム”な美味しさのレモンサワーだ。そのクオリティの高さから、LDHファンのみならず、老若男女を問わずに幅広い人々を虜にしつつある同商品の開発秘話を、LDH kitchenの鈴木裕之氏、宝酒造の小澤真一氏、ローソンの中村良平氏に語ってもらった。(編集部)


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■私たちが飲んでいるレモンサワーをファンの方にも


ーーついに登場した『レモンサワースクワッド』は、かなり売れ行きが良いと聞いています。


中村(ローソン):はい。特に発売初日は、これまでに見たことのないほどの実績でした。もちろん、ある程度のヒットは予想していたので、通常の5倍ほどの在庫を準備していたのですが、それでも追いつかないほどのヒットで、発売から一週間ほど経ったところで一時、供給をお休みさせていただいたほどです。発売から2カ月ほど経ちますが、今も酎ハイではローソンでナンバーワンの販売数です。


小澤(宝酒造):今回はローソンさん限定という形での販売ですが、弊社の商品の中でもダントツの売れ行きです。


鈴木(LDH):LDHファンのみなさんからはもちろん、幅広い方に手にとっていただいているようです。


ーー今回のタイアップは、そもそもなにがきっかけで実現したのですか?


鈴木:EXILEのメンバーは結成当初からレモンサワーを飲みながら将来の夢を語り合ってきて、それがだんだんLDHの文化として根付いていき、世間でも“EXILE=レモンサワー”というイメージが浸透していきました。いつか私たちが実際に飲んでいるレモンサワーをファンの方にも飲んでもらいたいというアイデアは、数年前に出てきたものです。LDHでは今年、1年を通じて様々な催しを行う「LDH PERFECT YEAR 2020」を開催するので、ではこのタイミングで実現しようと、以前から様々な形で提携させていただいているローソンさんにご相談したところ、焼酎にこだわるなら宝酒造さんにもご協力いただこうということになり、この座組みができました。


ーー『レモンサワースクワッド』を開発するにあたって、まず意識したことは?


鈴木:実際にアーティストたちが飲んでいるレモンサワー、つまりLDH kitchenのレモンサワーを缶で再現しようというところからスタートしました。宝酒造さんに私たちのレモンサワーを飲んで分析していただき、1年近くかけて試行錯誤を重ねた上でようやく完成しました。


小澤:お酒の成分を分析する機械で、香りの成分や甘味と酸味のバランスなどを検証し、さらに人による官能検査で、香りの広がり方や焼酎の濃さなどを徹底的に吟味しました。お店で提供する味を再現しつつも、さらに美味しいレモンサワーにしたいというご要望がありましたので、焼酎の種類にもこだわっています。濃厚なレモンの果汁感と、しっかり深い焼酎の味わい、飲みごたえのある爽快な強炭酸は、『レモンサワースクワッド』の大きな特徴で、メンバーのみなさんのこだわりが具現化された部分です。


ーーEXILE監修とのことですが、メンバーのみなさんはどんな感じで携わったのでしょうか。


鈴木:試作品が16種類できあがったところで、みなさんに試飲してもらいました。そこで評判がよかったものを4種類に絞り、さらに最後に残った1種類に磨きをかけて、この商品にたどり着きました。


小澤:特に炭酸の強さ、焼酎とレモンのバランスにとてもこだわっていらっしゃいました。レモンと相性の良い樽貯蔵熟成焼酎を使用したり、さらにレモン感がバランス良くなるよう、レモンの甘さや酸味にもこだわったりと、本当に試行錯誤の連続でした。


ーーやっぱりEXILEの皆さんはレモンサワーに並々ならぬこだわりがあったのですね。


小澤:弊社でも以前から、レモンサワーを売るときは「EXILEメンバーも飲んでいるみたいですよ」とセールストークにしていたくらい、“EXILE=レモンサワー”のイメージはあったのですが、実際にそのこだわりを形にするのは大変でした(笑)。2016年くらいから凍らせたレモンを使うなど、工夫を凝らしたレモンサワーを出す飲食店が増えて、女性や健康志向のお客さんに好まれるようになってから、コンビニなどでも缶のレモンサワーが人気となっていった経緯があるのですが、“EXILE=レモンサワー”のイメージも同時期くらいから浸透していったように思います。


■20〜30代の女性がレモンサワーを飲むきっかけに


ーーローソンでは2014年の「EXILE TRIBE PERFECT YEAR 2014」の際に、店舗でコラボ小冊子『EXPPI』を配布するなど、以前からLDHとコラボレーションをしています。企業から見たLDHブランドの魅力はどんなところにありますか?


中村:幅広い年齢層に支持されているところが、まず大きな魅力です。私が担当しているお酒だと、愛飲者がだんだんと高齢化しているため、20〜30代の女性をどう取り込んで行くのかが大きな課題なのですが、その意味でもLDHさんとのコラボレーションには価値があります。女性の方がまず興味を持ち、その美味しさを実感してリピーターになり、口コミでそのご家族やお友達など、男性を含めた幅広いお客様に手にとっていただけるようになるという広がりを感じています。発売当初は7割が女性のお客様でしたが、だんだんと男性のお客様も増えています。


ーーパッケージデザインについても教えてください。「EXILE監修」をあまり打ち出していないのは意外でした。


鈴木:デザインはPKCZ®のDJ DARUMAが担当しています。シンプルで力強く、それでいてファッショナブルなデザインを依頼して、いくつかのパターンをあげてもらい、最終的にこのデザインになりました。『レモンサワースクワッド』という商品を単発の企画商品ではなく、レモンサワーのブランドとして定着させたかったので、あまりEXILEの色を打ち出さず、売り場に並んだときに新鮮に感じてもらえることを念頭に置きました。


小澤:デザインのデータは平面でいただいたのですが、それを缶の上に印刷して再現するとなると、やはり大変でした。この黄色も30種類の中からメンバーの皆さまが選んだ、こだわりが詰まっています。また、通常のレモンサワーだと大体、真ん中に果実の絵があるのですが、その果実をプリントする面積はジュースと区別するためにあまり大きくできないという業界内のルールがあります。逆にいうと、果実の絵は果汁の味わいをアピールするポイントでもあるので、このように絵を載せないというデザインはかなりのチャレンジでした。今までにない商品ということで、我々にとっても様々な壁を越えての開発となりました。


鈴木:このデザインにしたことで、ファンの方以外にも届いている手応えがあります。LDH kitchenに限らず、LDHではコンテンツやサービスの質の高さにこだわっているので、そのことが『レモンサワースクワッド』を通じて伝われば嬉しいです。この味わいを生み出していただいた宝酒造さんには本当に感謝しています。


小澤:220円という店頭売価なので、同じサイズの缶酎ハイより少し高く思われるかもしれませんが、中身の質へのこだわりから考えると決して高い商品ではないと言えます。本当は250円で販売したいくらいです(笑)。でも、LDHさんよりできるだけ手に取りやすい価格にしてほしいとのご意向がありましたので、我々としても努力してこの価格となりました。飲んでいただければ、150円前後の酎ハイとは明らかに違うことがすぐにおわかりいただけると思います。


■レモンサワーのブランドとして定着していくように


ーーEXILEのメンバーの評判はどうですか?


鈴木:すごく評判がいいです。元旦の販売開始に向けて、完成した商品を飲んでもらったところ、びっくりするくらい美味しいと太鼓判を押してくれました。


小澤:メンバーのみなさんが美味しそうに飲んでいる映像が拡散したことで、弊社としてもこれまでとは違う層に焼酎の魅力が伝わっていると感じています。


中村:SNSでも「美味しい」とおっしゃってくださるお客様が多いですね。ほかのメーカーさんからも「画期的な商品ですね」といった言葉をいただいています。この素晴らしい商品がさらに多くの人々にブランドとして認知され、定着していくように売り場としても企業努力を続けたいと思います。


鈴木:『レモンサワースクワッド』をきっかけに、美味しくて楽しいレモンサワー文化がさらに広まっていったら、我々としてもとても嬉しいです。


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