「シーズンにとっておけ」は本当?オープン戦で打ちまくった選手の“その後”…

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2020年02月29日 10:44  ベースボールキング

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ベースボールキング

DeNA・オースティン
◆ “打ちすぎ”注意?

 2月1日の球春到来から、早くも1カ月が経とうとしている。各チームがキャンプを打ち上げ、3月になると平日にもオープン戦が行われるようになる。いよいよ開幕が近づいてきた。


 2月16日にはオープン戦が開幕。この日は巨人−DeNAのひとカードのみで、その後も土・日と振替休日だった月曜日という4日間の開催に留まっているが、その中でロケットスタートを決めた選手も何人かいる。

 例えば、DeNAの新助っ人タイラー・オースティン。メジャー挑戦のため退団した筒香嘉智に代わる大砲候補として注目を浴びる男は、ここまでオープン戦は3試合に出場して7打数6安打、打率は驚異の.857を記録。チームが4試合戦っているため規定打席(チーム試合数×3.1)には達していないものの、放った6安打のうち2つが二塁打、本塁打は3本という大暴れで、長打率は「2.429」、OPSは「3.317」という見たことのない数字になっているのだ。


 ほかにも、中日の京田陽太は3試合の出場で打率.625(8−5)と絶好調で、レギュラー奪取を目指すソフトバンクの韋駄天・周東佑京も打率.600(5−3)と上々の滑り出しを見せた。あまりに調子が良いと「開幕までとっておけよ」という声も聞こえてくるが、果たして過去の傾向はどうだったのだろうか。

 今回は、「アテにならない」と言われがちなオープン戦の成績に注目。昨年のオープン戦で、打撃の主要3部門(打率・本塁打・打点)において優れた成績を残した3名ずつをピックアップして、その後のシーズンがどうだったのか調べてみた。


◆ 1年置いて、今季に期待…?

▼ 2019オープン戦・打率トップ3

1位 .388 楠本泰史(DeNA)
[シーズン成績] 39試 率.208(72−15) 本1 点6

2位 .385 塩見泰隆(ヤクルト)
[シーズン成績] 45試 率.182(88−16) 本1 点7

3位 .373 木浪聖也(阪神)
[シーズン成績] 113試 率.262(363−95) 本4 点32


 昨年の春は各地で期待の若手が躍動。ハイレベルな争いを制したのは、当時大卒2年目の楠本だった。

 ドラフト8位入団ながら、ルーキーイヤーから56試合に出場するなど奮闘を見せた左打ちの外野手。経験を糧に2年目の飛躍に期待がかかったなか、オープン戦でも文句なしの結果を残すと、開幕スタメンの座もゲット。ここまでは良かったのだが、いざシーズンが始まるとその打棒は影を潜め、一軍定着はならなかった。

 それでも、交流戦の西武戦ではプロ初本塁打を代打逆転満塁弾でド派手に飾るなど、印象に残る働きを見せたのも事実。ファームでは70試合の出場で打率.315、7本塁打と格の違いを見せているだけに、1年置いて2020年・プロ3年目のブレイクに期待がかかる。


 昨季のオープン戦打率2位だった塩見も、大きな期待を受けながら一軍だと結果が残せずに苦しんでいる。ウラディミール・バレンティンが抜けたのはチームにとっては痛手だが、塩見にとってはこれ以上ないチャンス。今季のオープン戦でも3試合の出場で打率.364と好スタートを切っているだけに、こちらも今季が勝負の年になりそうだ。


 3位の木浪は当時プロ1年目のルーキー。キャンプ・オープン戦での活躍が認められ、開幕スタメンも勝ち取って113試合に出場したが、レギュラー定着とまでは至らず。奮闘を見せたとはいえ、やはり話題は同じルーキーの近本光司にさらわれる格好となった。


◆ 村上が新人王へ!

▼ 2019オープン戦・本塁打トップ3

1位 5本 大田泰示(日本ハム)
[シーズン成績] 132試 率.289(557−161) 本20 点77

2位 4本 村上宗隆(ヤクルト)
[シーズン成績] 143試 率.231(511−118) 本36 点96

2位 4本 大山悠輔(阪神)
[シーズン成績] 143試 率.258(538−139) 本14 点76


 意外な苦戦が目立った打率部門とは異なり、本塁打部門で上位に入った選手は軒並みレギュラーとして活躍を見せた。

 全体1位の5本塁打を放った大田は、プロ11年目にして自己最多の132試合に出場。打率・本塁打・打点と主要3部門すべてにおいてキャリアハイの成績を残している。


 大田に次ぐ4本塁打を放った村上は、プロ2年目の昨季大ブレイク。チーム唯一の全試合出場を果たし、清原和博氏が持っていた10代選手のシーズン本塁打記録を塗り替える大暴れ。リーグ3位に入る96打点をマークして、新人王にも輝いた。


 大山もプロ3年目にして4番の座を定位置に。全143試合に出場して自身初の規定打席もクリア。チーム最多の76打点を叩き出すなど、こちらも成長の跡を見せている。


◆ 大器が覚醒

▼ 2019オープン戦・打点トップ3

1位 15点 高橋周平(中日)
[シーズン成績] 117試 率.293(430−126) 本7 点59

2位 12点 村上宗隆(ヤクルト)
[シーズン成績] 143試 率.231(511−118) 本36 点96

2位 12点 西浦颯大(オリックス)
[シーズン成績] 77試 率.195(220−43) 本1 点18


 最後に打点部門。短期間だけに本塁打の多さが決め手になるかと思いきや、続けてランクインしたのはヤクルトの村上だけ。全体トップ・15打点を挙げた高橋の本塁打数は「3」だった。

 2011年のドラフト1位で中日にやって来た大型内野手も、プロの世界ではなかなか芽が出ず。しかし、プロ8年目の昨季はオープン戦の打点王に輝く活躍を見せると、勢いのままにシーズンでもレギュラーとして奮闘。残念ながら途中で骨折による離脱を強いられたものの、それまでは首位打者争いも演じていた。

 故障の影響もあって出場数こそ前年よりも少なくなったものの、打率.293と126安打はキャリアハイ。ベストナインとゴールデングラブ賞にも選出されるなど、飛躍の年となった。


 打点部門で3位にランクインした西浦は昨季が高卒2年目の選手。シーズンではプロの壁にも苦しんだものの、ルーキーイヤーの2試合から出場数を飛躍的に増やし、プロ初本塁打もマーク。こちらも今季、そしてそれ以降のさらなる成長に期待がかかる。

このニュースに関するつぶやき

  • 「オースティン」の実力はもう十分に分かったので、シーズンに備えて、もうオープン戦には、あまり出場させないのもアリだと思います。
    • イイネ!22
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