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北原みのり「どら焼きと安倍さん親子」

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2020年02月29日 16:00  AERA dot.

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写真北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表
北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表
 作家・北原みのり氏の週刊朝日連載「ニッポンスッポンポンNEO」。北原氏は安倍晋三首相の家庭環境について考える。

【この記事のイラストはこちら】

*  *  *
 静岡県御殿場市に虎屋のカフェがあり、その日本庭園は一見の価値があるらしいよ〜、と友人に誘われた。行って初めて知ったのだが、そこは東山旧岸邸と呼ばれ、10年ほど前から虎屋が管理運営しているものだった。現総理の祖父の自宅だ。

 1969年に建てられ、岸信介最後の住まいとなったこの家は、敷地約5700平米の自然の中にある。まるで寺院に迎え入れられるような厳かな山門をくぐりぬけ、天を突くように茂る竹林の先に、なだらかな丘、水面がきらめく小川、様々な樹木が完璧に配置された美しい庭園が広がる。冷たく澄む2月の空気を鼻の奥に感じながら、その豊かさに圧倒された。

「この庭で、安倍さんは遊んでいたんだね」

 友人がぼそっと言う。どら焼き目当てのフラリ旅、誰か著名人の邸宅らしい、という適当な情報だけで訪れたので、心の準備がなかった。景色をただ味わいたいのに、小さな晋三が走る幻想がちらついてしまう。

「なんで、あの人たち、こんなに金持ってんの?」

 友人の素朴な疑問に心がざわつき、虎屋のあんこがしょっぱい。

『わたしの安倍晋太郎』(92年)という本がある。安倍さんの母・洋子さんが夫の死後に書いたものだ。タイトルに夫の名が入ってはいるものの、多くは父の岸信介のこと、そして岸家、佐藤家、安倍家という長州派閥の力、自身のファミリーストーリーである。例えば長男の結婚式はニューオータニ(関係が深いんですね)で、誰を呼んで、何人来たとか、そういう細かな記録一つ一つが、権力の縮図なのだ。

 それにしても洋子さんと息子は、言葉遣いや思考回路がよく似ている。例えば父に向けられる批判を「罵詈雑言」と言ってみたり。学生のデモ隊に対して「背後に誰かがいておどらされている」「日当をもらっている」と陰謀論を展開したり。「声なき声」は安保に賛成なのだと父の言葉を借り記したり。

 洋子さんの母は、戦後の選挙運動には、否定的だったという。曰く「代議士というのはみんなのお役に立つべくして立候補するんだから、人から頼まれてなるものでしょう。(略)なぜこちらから頭を下げなくてはいけないの」と。

 頼まれて政治家やっているのに、一般人に頭下げるのは屈辱! そんなお姫様意識と、こじらせた被害者意識の複雑さ。安倍さんが、街頭演説でヤジを飛ばす市民にマジギレしたり、庶民出身の女性議員辻元清美に激昂(げきこう)しちゃうのも、こんな母の影響だろうか。

 岸信介の子であっても、女性であるがゆえに政治家にならず、総理の妻になることが求められた洋子さん。その夢が夫の死で絶たれた後は、総理の母になる以外に道はなかったのだろう。総理の椅子は一族に与えられた権利とでもいうように。

 絶大な富と権力を手にする一族に、虐げられた女の被害感情と根の深い暗い欲望。大変な毒母に、日本そのものが支配されているような妄想が止まらない。どら焼きは3個食べた。完全なやけ食いだ。

※週刊朝日  2020年3月6日号

このニュースに関するつぶやき

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  • 失礼ですね。総理の母親を毒母なんて。
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