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気候危機をどう防ぐ? 「パリ協定」スタートも足並みがそろわない理由

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2020年02月29日 17:00  AERA dot.

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写真昨年9月に開かれた国連気候行動サミットを前に、主催するグテーレス国連事務総長は、「『気候変動』はもはや『気候危機』であり『気候非常事態』だ」と、温暖化対策の強化を訴えた(写真/朝日新聞社)
昨年9月に開かれた国連気候行動サミットを前に、主催するグテーレス国連事務総長は、「『気候変動』はもはや『気候危機』であり『気候非常事態』だ」と、温暖化対策の強化を訴えた(写真/朝日新聞社)
 地球温暖化が進み、現在は「気候危機」とも言える状況に直面している。人類はこの危機をどう防げばいいのか。小中学生向けのニュース月刊誌「ジュニアエラ」3月号は、「ストップ! 気候危機」を特集。朝日新聞で環境問題を担当する石井徹編集委員が解説する。

*    *  *
――地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」が始まったの?

 今年から本格的にスタートしたんだ。協定では産業革命以前に比べて世界の平均気温の上昇を2度未満にすると決めたが、各国の温室効果ガスの削減目標では足りない。もし各国が自分の目標を達成できたとしても、3度以上になる可能性が高いんだ。

 2年前には1・5度未満にしないと危ないという科学的評価が出た。1・5度の実現には、さらに大幅な削減が必要だ。2030年までに世界の温室効果ガスの排出をほぼ半減させ、50年には「実質ゼロ」にしなければならない。このためグテーレス国連事務総長は、各国に削減目標の引き上げを促している。

――国際社会はどう動いているの?

 昨年9月には、ニューヨークの国連本部で気候行動サミットが開かれた。12月には、スペインのマドリードで国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)があった。どちらも最大のテーマは、各国の温室効果ガスの削減目標をどう引き上げ、世界全体の排出量をどう減らしていくかだった。

 COP25で、国連は84カ国が、削減目標の引き上げの表明か、検討をしていると発表した。だが、ヨーロッパのいくつかの国以外は、太平洋の島国や南アメリカ、アフリカ諸国がほとんどで、排出量も小さい。世界最大の中国以下、アメリカ、インド、ロシア、日本という5大排出国に目標を上げる気配はないんだ。

――世界の足並みがそろわないのはなぜなの?

 アメリカがパリ協定からの離脱を表明し、中国やインドは途上国としての権利を主張するなど、気候危機に対してリーダーシップを発揮しようとする国が見当たらないからだ。

 CO2を大量に排出する石炭火力発電所の新設を国際的に批判されている日本も、方針を変えていない。主要国で前向きなのは「50年実質ゼロ」を打ち出しているヨーロッパ連合(EU)ぐらいだ。

――私たちはこの危機にどう向き合えばいいの?

「脱炭素社会」と呼ばれる「実質ゼロ」に向けた各国の動きは鈍いが、企業や自治体、市民など「非政府主体」の動きは加速している。グレタ・トゥンベリさんに象徴される若者の抗議活動もその一つだ。

「50年実質ゼロ」の実現に沿った投資を約束した保険会社などの運用資産は約4兆ドル(約440兆円)、ヨーロッパなどの大手企業で「50年実質ゼロ」の計画を持つのは177社(従業員計580万人)に達した。

 また「50年実質ゼロ」に向けて「気候非常事態」を宣言した自治体や議会は、現在、世界で1200以上、住民人口は約8億人に及ぶ。日本でも長崎県壱岐市や長野県、神奈川県鎌倉市などが宣言している。

 自分のいる場所で、声を上げ、意思を示すことが最も重要だ。

【パリ協定】
温暖化対策の国際ルール。2015年にフランス・パリで開かれた国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)で、196の国と地域の代表によって採択された。すべての国が自主的に温室効果ガスをどれだけ減らすかを届け出て、5年ごとに実行できたかどうかを国連の場でチェックする。目標1は、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べて2度未満、できれば1.5度に抑える。目標2は、今世紀後半に温室効果ガスの排出を実質ゼロに。

【SDGs】
国連が2015年に採択したSDGs(持続可能な開発目標)でも、温暖化を食い止めることが重要な課題となっている。17分野の目標の中で、目標13は「気候変動に具体的な対策を」とし、適応策の強化も求めている。目標7では「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」を掲げ、再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大することを目指す。

(朝日新聞編集委員・石井徹)

※月刊ジュニアエラ 2020年3月号より

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このニュースに関するつぶやき

  • グテーレス国連事務総長は何を企んでいるのか。危機感を持つならまずはEPA(経済連携協定)という人間活動の肥大化に反対すべき。何故しない。相当のペテン師。そうでなければただの馬鹿。
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  • 気候危機かよ?w人間が地球の気候をどうにかできると思っているところで詰んでるわ。チャイナやインドが一番関心を持たねばどうにもならんよ。
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