佐藤健と上白石萌音の関係が逆転! 『恋つづ』がくれた「やけにやさしい世界」を堪能

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2020年03月04日 12:52  リアルサウンド

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『恋はつづくよどこまでも』(c)TBS

「あなたは気づいたじゃないですか。いち早く、あいつの良さに。俺は気づくまで時間がかかりました」


参考:佐藤健がついに嫉妬!? 『恋はつづくよどこまでも』七瀬を狙うイケメン御曹司も登場!


 回を重ねるごとに多くの視聴者をニヨニヨさせている火曜ドラマ『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)。第7話の無料見逃し配信の再生回数が、TBS史上最高の283万回(TBS FREE、GYAO!、TVerでの合計値 ※3月2日までTBS調べ)を記録し、3月3日放送の第8話では平均視聴率12.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、自己最高視聴率を更新した。


 持ち前の明るさとひたむきさで、天堂(佐藤健)への恋を実らせた七瀬(上白石萌音)。第8話では「魔王を追いかける勇者」という関係が初めて逆転。勇者を手放すまいと魔王が動き出す。


 「医者という仕事以外は、すべて切り捨ててきた」天堂が魔王と呼ばれるのは、かつての恋人・みのり(蓮佛美沙子)を亡くしたことがきっかけだった。1人でも多くの人を救うことで、自分自身を奮い立たせてきたのだ。笑うことも、誰かに恋をすることも忘れるほど、仕事に没頭することでしか、立ち上がる術を見出せなかった。


 そんな天堂のもとにやってきた七瀬は、真逆のエネルギーで自分を鼓舞するタイプだった。笑うことで、天堂に恋することで、自分の生きる道を突き進んできた。最初は、仕事の足でまといになると思っていた七瀬が、思い出させてくれた小さな喜び。業務の間に手軽にかじっていたクリームパンは、誰かと一緒に食べるとさらに甘くなること。豪華なディナーよりも、屋台のたこ焼きをハフハフするほうが、心を温めて食れること。


 仏頂面だった天堂の顔は少しずつ和らぎ、今では七瀬のちょっとした提案に「?」と戸惑う様子や、ボーリングに絶対負けたくないという気合も手に取るように分かる。全身黒で身を包んだ天堂の服装が、徐々に明るい色を着始めたのも、まさにOfficial髭男dismが歌う主題歌「I LOVE…」にある〈高まる愛の中 変わる心情の中 燦然と輝く姿は まるで水槽の中に飛び込んで溶けた絵の具みたいな イレギュラー〉の歌詞そのままを見ているようだ。


 七瀬に固執した挙げ句、嘘で訴訟まで起こした恋敵の御曹司・上条(清原翔)に対しても、患者としてのスタンスを曲げなかった天堂だが、ひとりの男としても向き合えるようになったのも、七瀬からもらった変化だろう。やりたい仕事、周囲からの信頼、どんな邪魔が入ってても動じることのない余裕、そして全力の愛を向けてくれる恋人……上条にとって天堂はすべてを持っているように見えたが、それは七瀬と出会って変わった天堂だからだ。


 「みんなそうです。足りないものがあって、それでも必死に生きてる。足りないものを誰かと補い合って生きてるんです」と語る天堂の言葉からは、足りなかったものを気付かせてくれた七瀬への感謝がにじむ。〈独りじゃ何ひとつ気付けなかっただろう こんなに鮮やかな色彩に〉と歌うように。


 もしかしたら上条の劣等感の始まりは、天堂自身の輝きよりも七瀬の眩しいほどにピュアなエネルギーだったのかもしれない。七瀬をそばに置くことで、自分自身がそのエネルギーを手に入れたような気持ちになれると思ったのではないか。そのエネルギーの源が自分になったら、もっと自分を好きになれるような気持ちになったのではないか。


 相手の幸せを願うことで、自分のエネルギーを注げるのが恋。天堂を想うからこそ、離れるという決断をした七瀬。その七瀬を想うからこそ、ことを荒立てずに対応する天堂。そのふたりの姿を見て上条は、自分の想いが結局、自分自身の幸せにしか向いていなかったと気づく。それが、片想いなのだと。


 そして、故郷・鹿児島に雲隠れしていた七瀬を迎えに行く天堂。きっと視聴者は覚悟していたはずだ。電話の声がだんだんと近づき、きっと天堂が姿を現すはずだ、と。それでも、その登場の仕方がまさかバックハグとは。その「この流れはきっと……」と思わせて、別角度から攻められるのも、『恋つづ』にハマるポイント。


 顔を近づけた=キスと思いきや、結んでいた髪をほどく。その演出は、撮影時に佐藤健から発信されたアイデアだと明かされている。(ちなみに、衣装についても佐藤健の案が反映されているというから、改めて佐藤健恐ろしや! ※参照:https://mdpr.jp/fashion/1949073)


 「絶対こうくる!」という少女漫画的展開にひとクセ加わるから、王道なのに新鮮。わかっていながら、悶えてしまう。『恋つづ』がくれたこの〈やけにやさしい世界〉も、残り2話。ラストまで、大いに翻弄されたい。


(文=佐藤結衣)


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  • ラストシーンはよめたなぁ。������������ӻ����� 出るぞ出るぞって。(笑)
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