春の入園・入学前に!子どもの食物アレルギー対策で大事なこと

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2020年03月23日 17:00  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

誤食を防ぎ、万が一に備えるため、保護者はどんな準備を?


(左から)調布市教育委員会の廣瀬郷さん、
モデルの長谷川理恵さん、国立病院機構相模原病院の佐藤さくら先生

 今春に入園・入学を控えるお子さんがいるご家庭の皆さん、準備は進んでいますか? 新生活が始まることは、楽しみな一方、これも準備がいるのかな?あれは大丈夫?と、疑問がいくつも沸いてくることもあるかもしれません。また、お子さんに「食物アレルギー」がある場合、「間違って食べてしまったら」と不安になることも…。

 マイランEPD合同会社は2月21日、入園・入学をテーマに「アナフィラキシー啓発メディアセミナー」を開催。アレルギーの専門医である国立病院機構相模原病院の佐藤さくら先生、調布市教育委員会の廣瀬郷さん、食物アレルギーのお子さんを育てるモデルの長谷川理恵さんが登壇し、それぞれの立場から、園や学校での生活において必要な食物アレルギーの知識や備えについて話をしました。

 食物アレルギーとは、特定の食物の摂取により、体の免疫反応が過剰に起こり、皮膚や呼吸器、消化器、あるいは全身にさまざまな症状を引き起こしてしまうこと。平成30年度の調査の結果、食物アレルギーの原因となっている食品として、鶏卵34.7%、牛乳22%、小麦10.6%が上位3つに挙がっています。特定の食物を摂取した後に、数分〜数十分以内の短時間に全身に現れる急性のアレルギー反応を「アナフィラキシー」といいます。

 園や学校生活で誤食を起こす可能性があるシチュエーションは、給食、おやつ(保育園等)、粘土(小麦入り)遊びの他、調理実習や修学旅行やお泊り会などさまざま。「低年齢のうちは、友達が食べる様子を見て、つい食べてしまったり、友達付き合いの中で“食べられない”と言うことが難しいことも。配慮を必要とする場合は、保護者が主導的に園や学校、主治医と連携して対応、情報共有することが重要です」と、佐藤先生はアドバイスしました。

【入学・入園前の準備・情報共有で大切なポイント】
・「生活管理指導表(アレルギー疾患用)」を提出 保護者と主治医が相談の上、医師が記載、保護者が学校へ提出する書類。学校は「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」、保育園は「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」を提出 ・施設(学校や園)での対応を希望する/しないを伝える ・原因食物ごとの症状の程度、医師の診断結果や指導内容を共有 ・家庭での原因食物の摂取状況、取り組んでいる治療の有無を共有 ・アナフィラキシー症状へ備える アドレナリン自己注射薬※を医師に処方してもらう(使い方、使うタイミングの指導も)

お子さんが保育園登園時にアレルギー反応、長谷川理恵さんの経験談

 モデルの長谷川理恵さんは、卵と乳製品のアレルギーを持つ男の子のママ。1歳でヨーグルトを食べた時にせきや顔の腫れ、また、卵かけごはんを友達から一口もらった時も、すぐに嘔吐し顔がパンパンに腫れ…。その時に、お子さんのアレルギーに気が付いたと言います。お子さんが5歳になった頃から、牛乳と卵を少しずつ食べられるようになり、現在小学校に通っています。

 入園・入学にまつわる経験については、オーストラリアの保育園に通い始めた3歳の時、誤ってヨーグルトを一口食べてしまい、アレルギー反応が出たエピソードを紹介。「園の先生から、アドレナリン自己注射薬※は持っていないか?と聞かれ、その時初めてアドレナリン自己注射薬の存在を知りました。家族だけでなく、通っている園や学校の人たちにも、アドレナリン自己注射薬の存在や使い方が当たり前のように知られていたら、もっと安心できると思います」とコメントしました。

 食物アレルギーの子どもたちが安全に過ごすために重要なのは、家庭と園や学校、主治医とのコミュニケーションですが、園や学校で一緒に過ごす、食物アレルギーではない子どもたちに協力してもらうことも大事なことかもしれませんね。(QLife編集部)

※アドレナリン自己注射薬−アナフィラキシーがあらわれたときに使用し、医師の治療を受けるまでの間、症状の進行を一時的に緩和し、ショックを防ぐための補助治療剤

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