松田凌&神尾楓珠が語る、『オオカミ』シリーズの奥深さと自身の恋愛観「一度だからこそ効果的な“嘘”もある」

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2020年03月29日 12:01  リアルサウンド

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神尾楓珠×松田凌(写真=池村隆司)

 いよいよ、3月29日にフィナーレを迎える『月とオオカミちゃんには騙されない』。本作は、10代を中心に爆発的な人気を誇り、20〜30代の視聴者も増えてきているAbemaTVオリジナル恋愛リアリティーショー『オオカミ』シリーズの最新作。真実の恋をしたい男女が、恋の駆け引きやデートを繰り返しながら、本気の恋に落ちていくまでを追う。だが、女性メンバーの中には決して恋をしない“オオカミちゃん”が最低一人混ざっているため、本気の恋か本気の嘘か、最後まで行方はわからない。


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 リアルサウンドテックでは、スタジオMCの松田凌とスタジオゲストの神尾楓珠にインタビュー。最終回の収録を終えたばかりで余韻に浸る二人に、『月とオオカミちゃんには騙されない』の魅力をたっぷりと語ってもらった。


■「このシリーズにとって最も大きいものは、“オオカミ”になった人の気持ち」
ーー『月とオオカミちゃんには騙されない』を最終回まで見守った今、率直な感想を教えてください。


松田凌(以下、松田):僕は、『オオカミ』シリーズの1作目『オオカミくんには騙されない』からずっと、スタジオMCを務めさせていただいているので、もう何度終わりを見届けてきたことか……。でも、毎回とても新鮮で。7作目となる今回は、タイトルに“月”が入っているので、僕にとっても「心に残る、いい思い出になったな」と感じています。月って、僕たちの日常にも関わっているじゃないですか? だから、日々を送る中で、ふと月を見上げたときに、『月とオオカミちゃんには騙されない』を思い出すし、「ああいう恋愛できたらいいな」って感傷に浸れると言いますか……。そういう風に思えるような最終回を迎えたかなと。


神尾楓珠(以下、神尾):僕はスタジオゲストとして、今回、8話連続で出させていただきました。僕、友達とか周りが恋愛してても、あまり興味を持たない方だったのですが、『月とオオカミちゃんには騙されない』にはどっぷりハマってしまって。こんなにも深く考えながら、他人の恋愛を見たのは初めてでした。しっかり観ていると、それぞれの想いが浮き彫りになってくるだけでなく、言動一つひとつにいろんな意味があるんだなと。「恋愛って、こうあるべきだな」と思うこともありました。だから、僕も疑似恋愛体験と言いますか、彼らと一緒に恋愛してるみたいな感覚になりましたね。あと、凌くんの言葉を借りると、月を見たときに、「あのとき僕が見てた月をメンバーのみんなも見てたかもしれない」と思って、なんだか不思議な気持ちになります。


松田:確かに〜! そうだよね!


ーーなんだかロマンチックですね。では、今の一押しメンバーは?


神尾:めちゃくちゃ迷いますね。難しいな……。


松田:僕はもう、女の子はりおん(岡本莉音)ですね。単純にタイプです(笑)。一つひとつの仕草とか反応が可愛らしくて。彼女、笑うと、頬にヒゲができるんですよ。あれ、たまんないですね。素敵な笑顔に、さらにオプションついて来た! みたいな。「僕がそばにいたら、ずっと笑わせてあげるのにな」と思います。恋愛面では悩んでる姿が多かったので、支えてあげたいという気持ちにもなりました。画面越しに見てるだけなんですけどね……。


神尾:うーん……3人いて、本当に絞れない……。


松田:楓珠、“オオカミくん”だろ!


神尾:(笑)。決めました! 僕は、ななかちゃん(松川菜々花)。ななかちゃんは、途中から少しずつ素が出て来たように感じたのですが、それでもなお周りに遠慮しちゃうところがあって。「本当の彼女は、もっと魅力溢れる方なんだろうな」と思いました。でも、そういう一歩引いちゃうところに、僕はグッと来たんです。引っ張ってあげたいなって。


松田:男の子は……僕、コア(Novel Core)かな。


神尾:あ! 同じです。


松田:やっぱり! 一途さはさることながら、何と言っても器が大きいので、男性はみんなコアのことを「カッコイイ」と思うはずです。


神尾:しかもコアくん、すごく聞き上手ですよね。


松田:今回、男の子はみんな初めからカッコよかったんですが……最後まで見て、「すごくカッコイイ」と思う人が増えました。


神尾:多分、見ればわかりますよね。


松田:見ればわかります! 最終回で新たに見えてくるものもあるので、彼らへの印象がまた変わると思います。


ーーそうなんですね、結末がより一層楽しみです。松田さんと神尾さんは自身が出演するとしたら、『オオカミくん』と『オオカミちゃん』どちらを希望しますか?


神尾:僕は『オオカミちゃん』ですね。『オオカミくん』だと、自分が“オオカミ”ではなかったとしても、誰が“オオカミ”なのかが早い段階でわかってしまう気がして。最初から最後まで「誰がオオカミなのか」を考えながら、楽しみたいです。


松田:僕は“オオカミ”になってみたいので、『オオカミくん』ですね。矛盾してしまうのですが、決して女性を騙したいというわけではいないです。1作目からずっとスタジオにいる立場から見て、このシリーズにとって最も大きいものは、“オオカミ”になった人の気持ちだと思うんですよ。それを自分自身が味わっていないというのが、とても歯痒いなと。どれだけ大きいものを背負っているのかを実際に感じてみたいです。……ふと思ったのですが、“オオカミくん”も“オオカミちゃん”も男女一人ずつ混じってたら、面白くないですか?


神尾:あ! 確かに!


松田:どっちが騙されてるのかわからないっていう。でも、そうなったら告白のしようがないのか……。とにかく『オオカミ』シリーズは様々な可能性を秘めているように思います。


ーーこれからも『オオカミ』シリーズは、進化していきそうですね。松田さんと神尾さんのやりとりを聞いていると、打ち解けた仲という印象を受けるのですが、二人は昨年公演された舞台『里見八犬伝』での共演をきっかけに親しくなったのでしょうか?


松田:舞台『里見八犬伝』で言うと、楓珠だけでなく、主演を務めていた(佐野)勇斗も、以前スタジオにゲストとして来てくれたので、僕はすごく嬉しいです。しかも、今や番組でお馴染みになっている“ガオガオポーズ”、実は勇斗が作ってくれたんですよ。そのポーズを僕が今やっているだけでなく、ついには楓珠までも(笑)。なんだかすごく縁を感じます。


神尾:舞台では、凌くんに本当めちゃくちゃお世話になりました。飲みにも連れて行ってもらって。


松田:え!? お世話って何を(照れ笑い)? 全国各地をいろいろ回ったので、思い出はいっぱいあります。でも、最近みんなでは会えていないので、そろそろ会いたいなと思ってます。


神尾:僕は、まさかここで凌くんと会うとは思ってなかったです。


松田:本当だよね! できればお芝居で再会したかった(笑)。


神尾:舞台では、凌くんとアドリブ以外ではほぼ掛け合いがなかったんですよ。だから、一度、がっつりお芝居をご一緒させていただきたいなと!


ーーお芝居でも再共演する日が来るといいですね。普段、恋愛リアリティーショーは見ますか?


神尾:結構、見ますね。


松田:舞台で共演してたときも見てたよね?


神尾:見てました。楽屋で(岐洲)匠と『ダブルベッド』(TBS系)という恋リアと『あいのり』(Netflix/FOD)を。


松田:すごくその話で盛り上がってて、ずっと騒いでたもんね。そのときちょうど僕が「『オオカミ』シリーズ、見てよ!」って言ったら、「今度、見ます」って返してくれて。そしたらまさか、楓珠がスタジオゲストとして出るっていう(笑)。


神尾:そうでしたね(笑)。


ーー普段から恋リアを嗜んでいる神尾さんは、ほかの作品と比べて、『オオカミ』シリーズの魅力や面白さはどこだと思いますか?


神尾:やっぱり、ゲーム性と臨場感かなと。視聴者も一緒にハラハラできるという部分が、ほかの恋リアとは違うように感じました。ほかの作品は客観的に見て楽しみますが、『オオカミ』シリーズは「“オオカミ”はだれなのか?」という考察もできるので、そこが一番の魅力であり面白さでもあるのかなと、僕は思います。


■「恋愛に関係なく、“好きな人”の定義が“会ったときに元気をもらえる人”」
ーー1作目からMCを担当している松田さんには、男性の視点から見た『オオカミ』シリーズの見どころを教えて欲しいです。


松田:見どころはたくさんあるのですが、一つあげるとすれば、勉強になると思います。女の子の考え方や本音など、普段、男性が見られない瞬間を知ることができるので。“オオカミちゃん”として男性を騙さなければいけない場合に限らず、女の子はこういうことで思い悩んだり、葛藤したり、抱え込んだりするのだなと。同時に、女の子がどういうことでトキメクのかなど、出会いから恋に落ちる瞬間、カップルとして結ばれるまで、恋愛の過程すべてを追うことができるので、すごく参考になります。あとは話題の場所や流行りの曲なども学べるので、男の子は『オオカミ』を見て、自身の恋愛をシミュレーションしてみるといいんじゃないかな。楽しいと思う。


ーー今作でも、数々のデートが映し出されていましたが、松田さん的にはどの場所が一番良かったですか?


松田:えぇ!? 難しいな……。憧れるのはやっぱり、スカイツリー貸切ですね。


神尾:あぁー! 確かに。あれはズルイです。


松田:だってそのとき最上階に行ったら、間違いなく今、自分たちだけが日本で一番高いところにいるってことになりますもんね。


神尾:そんな一番高いところに二人きりで、イチャイチャしたら……。


松田:いやもう、たまんない! これはもう記事には書けないほどのことを……(笑)。


神尾:凌くん今、飲みのときのモードですね(笑)。


松田:危ない危ない(笑)。続きはまた今後、飲み会で話そう。


ーー(笑)。『月とオオカミちゃんには騙されない』を見て、自身のお芝居や私生活に活かせることはありますか?


神尾:間とか目線ですね。どうしてもお芝居では、作れないものなので、勉強になりました。演技というスイッチが入ったときに、本物にどれだけ近づけられるかだと思うので、活かしていきたいです。


松田:ついついセリフが書いてある台本を読み取って、お芝居をしようとしてしまうのですが、それだと、その瞬間の本当の言葉は生まれないんですよね。僕がスタジオで今日まで見てきたものは、間違いなくすべて本物だったから、役者としても考えさせられました。極論、役とあれだけ気持ちが重なり合えたら、セリフはすべていらないなと思ってしまいます。


神尾:最終回で出てくる、あのシーンのことですよね?


松田:そうだね。あのシーンは、「お芝居でもこんな瞬間あるのかな?」と思うほど素晴らしくて、役者としてだけでなく、私生活という面でも「あんな素敵なやりとりできる人になりたいな」と思いました。


ーー確かに『オオカミ』では、ドラマ以上にドラマチックな展開が多々見られますよね。では、恋愛リアリティーショーと恋愛ドラマの違いはどこだと思いますか?


神尾:ドラマの場合は役として動いているので、「こうやってお芝居しているんだ」という視点で、僕は見ています。恋リアは現実だからこそ、出演者のパーソナルな部分が垣間見えるので、その人自身がダイレクトに視聴者に届くのかなと。ドラマと恋リアでは、同じ人物でも全く見方が変わると思います。


松田:僕は、本物か本物じゃないかの違いかなと。恋愛ドラマには本物じゃないからこその面白さがあって、恋リアには本物だからこその面白さがある。ドラマは、一つの作品を作り上げるのに、役者だけでなく、本当に大勢の方が携わっています。みんなの思いと努力の結晶なので、好き嫌いはあると思いますが、面白くないはずがないんですよ。恋リアは、集められた男女が真剣に恋愛しようとすると、必然的にドラマが生まれます。様々な感情がひしめき合うはずなので、絶対に一筋縄ではいかない。だからこそ、面白いんですよね。どちらも違う面白さがあると思うので、その違いも楽しんでいただけたら。


ーー本物だからこその面白さと、創作だからこその面白さということですね。『月とオオカミちゃんには騙されない』では、至る場面で“恋愛の駆け引き”が見られました。松田さん、神尾さんそれぞれが印象に残っている駆け引きや、これやられたら落ちる、もしくはこれやられたら引いちゃうというものがあったら教えてください。


松田:ナナちゃん(加藤ナナ)が、シンデレラタイムでとおる様(堀江亨)に告げた「忘れてもいいよ」という言葉は、「ズルいな……それは、禁じ手じゃん?」と思っちゃいました。この言葉からは、「忘れないで」という真逆の意味も受け取れる、ダブルミーニングを感じましたね。凄まじい一言だなと。


神尾:僕はりこちゃん(莉子)がバレンタインについた嘘は、否定派なのですが、あの状況下ではすごく効果的だったとも思います。限られたメンバーと時間の中で、二人の関係性が安定して少し経ったあのときだからこそ、「他に気になる人ができた」という嘘を吐かれたあとに不意打ちでチョコレートを渡されたら、もう離れられないですよね。完全に心が持ってかれちゃいます。


ーー短時間で感情の浮き沈みが激しく変動するからこそ、安定した関係性にはちょうどいい刺激になりますよね。


松田:確かに! 思いっきり落としてから引き上げるっていうのは、上手いよね。高度な恋愛テクニック。


神尾:あの一発は、大きかったんじゃないですかね。ただ、ああいう嘘は一度だからこそ効果的であって、事あるごとにやられたら、ちょっと面倒だし疲れちゃいます。


ーー最後に、理想の相手や憧れる恋愛などはありますか?


神尾:僕は恋愛や友情に関係なく、“好きな人”の定義が“会ったときに元気をもらえる人”なんですよ。その中で特に、「疲れたときに会いたいな」と思った人が、僕にとって特別な相手なんですよね。だから、一緒にいてお互いに元気をもらえる、そんな関係性が最も理想的です。


松田:はぁ……、素敵やん。なんか楓珠がそういうこと言うと、ドキッとしますね。そりゃ、みんな楓珠のこと好きだわなって納得しちゃいます。僕も、恋愛に関係なく“好きな人”はたくさんいますが、その中で「この人のためだったら、もう自分の人生どうでもいいかな」と思える方と、結婚したいです。正直なことを言うと、僕はいま自分のために人生を生きていて、まだまだ人としても成長したいですし、これからもいろいろなお仕事を頑張りたいと思っています。でも、そういうことが全部どうでもよくなってしまうくらい、「この人のために生きたい」と思える方と出会えたら、それは間違いなく僕にとって特別な存在だなと。その人が産んでくれた子どもも含めて、僕はめいいっぱい愛するし、人生をかけて彼女たちに尽くせると思うんですよ。


(文=戸塚安友奈)


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