佐藤健、窪田正孝ら“88年世代”が熱い! 2020年は“主役”としてさらなる台頭の年に

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2020年04月01日 06:01  リアルサウンド

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『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』(c)和月伸宏/集英社 (c)2020映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会

 公式LINEが話題になり、豪華ゲストが盛りだくさんのYouTubeチャンネル開設、SUGARでの生電話などSNSを駆使して一気に人気をものにしている佐藤健。実は彼と同級生となる世代が今注目を集めているのだ。2019年から2020年にかけて、窪田正孝、松坂桃李、瀬戸康史、三浦翔平、佐藤健、千葉雄大など88年世代(1988年4月〜1989年3月生まれ)の俳優が大きく活躍した。この世代は芸能界でも男女共にビッグネームが多いことから、「奇跡の88年生まれ」などと表現されることもある。そんな世代が30代前半とまさに脂ののった年齢に差し掛かり、話題作への主演が続いている。


【写真】佐藤健撮り下ろしカット


 彼らが育ってきた世代は、世風として恵まれていたとは到底言えないだろう。ゆとり教育の風を受け、リーマンショックの打撃を受け、事あるごとに自然災害に見舞われてきた。教育面では「これだからゆとりは」などと言われ、リーマンショックでは就職先が見つからない。社会情勢の観点から見ると、なかなか明るいニュースに恵まれなかった。しかしそれをバネにしてか、この世代が芸能界・スポーツ界など日本のスターを背負う業界に多いのもまた事実。落ち込んだ時代を自らの手で切り拓き、輝かせてきた世代だろう。


 特に2020年になって、彼らの活躍は目覚しい。もちろん年齢的に主演を背負えるキャリアを重ねてきたという理由もある。しかしそれを抜きにしても、彼らの輝きには眼を見張るものがある。その筆頭になるのが佐藤健ではないだろうか。『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)の天堂浬役が大きな注目を集め、その姿に多くの視聴者から“キュンキュンした”との声が寄せられた。さらに佐藤はSNSなどにも力を入れており、“彼氏感”あるメッセージが届く公式LINEアカウントには根強いファンが多い。女性同士が集まって食事に行ったときに、スマホが一斉に鳴ったかと思えば「佐藤健からLINEきた!」などと全員が声を弾ませる現象も起きている。彼が送る、短文でそっけないがどこか温かみのあるメッセージはまるで彼氏のそれ。飾り立てた宣伝文句以上にパワーを発揮する。今年は代表作である映画『るろうに剣心』シリーズの最終章の公開が予定されており、今年の“佐藤健旋風”はまだ序盤に過ぎない。


 さらに、3月30日からスタートしたNHKの朝ドラ『エール』では窪田正孝が好演を見せる。初回放送では、紀元前1万年の原始人からスタートし、現代の姿ではフラッシュモブでダンスを踊りながらプロポーズをする青年を演じた。この特徴的な演出は見事視聴者を引き込み、『スカーレット』(NHK総合)からわずか1日を開けた状態ながらもしっかりと『エール』へと気持ちを向けさせたことだろう。窪田はもともとダンスが得意で、バラエティ番組などでも度々「ポッピン」と呼ばれるジャンルのダンスを披露している。しかもかなりの腕前で、共演者からは感嘆の声が漏れるほど。『エール』ではプライベートでの特技をふんだんに活かした演出で視聴者の心をさっそく掴んだ。


 これからさらに人気が過熱しそうな俳優といえば、千葉雄大だろう。彼の場合、バラエティ番組や特に話題となった、2019年12月31日放送の『久保みねヒャダこじらせナイト』(フジテレビ)で見せたパーソナルな部分があまりに面白く、衝撃的だったため、SNSで一躍話題に。ドラマや映画で見せていた雰囲気とガラリと変わった“顔芸”や、“即興劇場”でのテンションの高いギャグ連発に魅了される人が続出した。こうした笑いに貪欲なパワーは今後作品にも活かされていくだろう。4月4日から放送の主演ドラマ『いいね!光源氏くん』(NHK総合)ではまさに、現在に転生してきた光源氏役でコメディに挑戦している。「テンションが上がると和歌を詠む」などユニークなキャラクターを愛らしく、面白く演じるのではないだろうか。


 第43回日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞を受賞した松坂桃李も忘れてはならない。映画『新聞記者』(2019年)での芝居を評価され受賞につながった松坂は、テレビと同様に映画の世界でも素晴らしい活躍を見せる。2018年から2021年公開予定の作品だけで実に6本もの主演作があるのだ。『娼年』(2018年)では体を張った演技で話題をさらい、過激な作品ながらも堂々とした芝居で魅せた。公開待機作には『耳をすませば』(2020年)の天沢聖司役が決まっており、ジブリを代表する青春ムービーの実写に挑む。俳優として申し分ないステップアップを遂げている。彼の魅力は役の幅を限定しないところだ。シリアスな役から爽やかな役までこなせる確かな実力がある。着実に歩みを進める松坂は、今後も日本映画を背負う俳優としてより進化を遂げていくだろう。


 これだけのスターを世に送り出している世代はなかなか見当たらず、2020年はまさに、彼らの台頭の年になるだろう。彼らの世代が背負ってきたある種の“辛さ”を吹き飛ばすパワーは、今の日本にとって非常に重要な力になる。彼らがエンターテインメントで発揮する魅力は、鬱屈とした日本の現状を輝かせてくれることだろう。


(Nana Numoto)


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