7,980円の「ZARA」では物足りず!? 買い物狂い、ハイブランド「FOXEY」でコーヒーを出されてメロメロになる

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2020年04月02日 00:02  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン


――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。

 あるとき、あまりにも金がないので、洋服代をケチろうと考えたんですよ。ファッション系YouTuberの動画を見ていると、大体、ZARAかGUかユニクロの購入品紹介なので、試しにZARAのお店に行ってみようかと出かけてみたんです。

 日曜日の昼間。店に入ると、特におしゃれさんでもない私は、入り口に呆然と立ち尽くしボッ立ちになりました。

「え……、どこから見て行けばいいの……?」

 店の中は人、人、人。そして商品、商品、商品……。売り場も広いし、どこから見たらいいのかわからん!! とりあえず、クールな顔でマネキンが着ているものを見つめてみました。

「ジャケット7,980円。おお、ジャケットにしては安い……。でも、試着室はどこ……?」

 ジャケットを羽織ってみたいものの、試着室がどこかわかりません。店員さんが近寄ってきてくれる気配はまったくないし……。10分くらい、ジャケットを持って店内をウロウロしましたが、ついに試着室を見つけることができず、私はまた呆然としました。

「なんて、大変なんだ、ZARAという店は。品物は豊富だし安いけど、試着室が1つもないとは……ええい、仕方あるまい」

 観念して、その場でコートを脱ぎ、片手にコートを持って足でバッグを挟んで、私はジャケットを羽織ってみました。ゼイゼイ……、ちょっと大きいかな……。もう1個小さいのにしないとだめかもしれない……。よし、片手で元に戻して、次のジャケットを……。

 そのときでした。後ろからZARAの店員さんが登場。

「あ、試着室はお2階にありますので、どうぞそちらをお使いください!」

 に、2階だあ〜〜〜!?!?!? どうりで試着室がないわけだわ……。鏡を前にひとりファッションショーをやっている人間なんて私しかいないわけだ……。恥ずかしくなって慌ててジャケットを元に戻しました。

 その後、スキニーパンツを手に2階の試着室に入ったのですが、微妙にサイズが合わなくて、またもやパンツ1丁で悩む私……。また服を着て1階まで降りて、違うサイズのスキニーパンツを手にここに戻ってこなきゃいけないのか……。最初から何サイズも持って来ればよかったのね……。

「めちゃくちゃ欲しい!」と思うくらい一目ぼれしたパンツなら、それくらいの労力はいとわないのですが、いま手にしているパンツは可もなく不可もない商品……(ZARAさんすいません)。結局、めんどくさくなって店を出ました。

 あぁ……。長らくファストファッションのお店に入っていなかったけど、ああいう店って全部自分でやらなきゃならないんだなぁ……。服を選ぶのも自分だし、試着室に持っていくのも自分。買うか買わないか決めるのも自分。うーん、流されやすい私には『似合ってますよ、お客様!』の声が欲しいんだよなぁ……。

 そして、てくてく街を歩いていると、今度はFOXEYの路面店を発見。一度も入ったことがないお店でしたが、とにかくこのFOXEYって名前は、フリマアプリで『価格が高い順』にソートすると必ず出てくるのです。だから、私の中では超有名店。定価はいくらなんだろう? という興味が湧き起こり、ふらふら〜っと店に入っていきました。

「いらっしゃいませ〜!」

 店に入った瞬間、4人の店員さんが一斉に声をかけてくれました。おお、客は私1人……。私は「へへ、どうも……」などと言いながら、ふら〜っと陳列されているスカートやトップスを見てみました。すると、店員さんがよどみない口調で説明をしてくれます。

「こちらは昨日入ってきたスカートで、素材は麻なので夏まで涼しくお使いになられますよ〜。膝が隠れるフレアスカートなので、どんなトップスにもなじみます! 例えば、こちらのトップスにも合わせやすいですよ」

 ああ……、これよこれ! 特別扱いされてるこの感じ! 高いものを購入するときの店員さんの本気の接客が私にはたまらないの‼ そのとき、ふいに壁にかかっているジャケットが目に入りました。

「……………」

 すんげえきれい。マジできれい。光沢があって、ピカピカ光っていてカッコいい……。羽織ると見せかけ、そっと値段を確認する私。9万4,000円。素材はポリエステル。ポリエステルなのにこの価格をつけてくるFOXEY。……嫌いじゃないわ。

 私は買い物狂いになってから、『高い値段で商品を売ろうとする店』が好きになってしまったのですよ……。だって、買い手もバカじゃないから、粗悪なものに高い金を支払わないじゃないですか。そこを「買おうかしら?」と思わせるほどに、商品を魅力的に作り、陳列し、接客する。ああ、そういう強えやつらを見ると「オラ、わくわくすっぞ!(CV.野沢雅子)」となるんです……。

「このジャケット、いただきます」

 ああんもう、こっちのセリフもマダム口調になっちゃう。こういう、品のいい人ごっこができるのもお高い店の特権! すると、うやうやしくコーヒーと「FOXEY」と書かれたチョコが出てきました。商品を包むまでの間、ソファでおくつろぎください、だそうです。

 やられた……。ほんと、やられましたよ……。服買いに行って、コーヒーとチョコ渡されたことなんてないよ、わたしゃ……美容室もびっくりだよ……。

 お店の人と談笑しながらチョコを食べ(もちろん、品の良いお嬢さん的なしゃべり方で)、商品のほかに、FOXEYのチョコとミネラルウォーターとマグカップ(ノベルティ)をもらって、ずっしりと重たい荷物を抱えて外に出ました。

 ああ、来月のカード払いが恐ろしい……。でもやっぱり、楽しいんだよなあ……。そんなわけで、結局『あまりにも金がない』状態をさらに悪くして、私は帰宅しました。何やってんだよおおお!!!!

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  • 商品をたくさん買う人にはさらなるvip待遇が用意されています。このまま行きますと鴨になるでしょうが、わかっていても楽しいでしょう。
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