“絶滅危惧”に光を…天王寺動物園のホッキョクグマが熱愛中、アイスキャンデーで有名な大阪の会社が寄贈

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2020年04月02日 15:30  まいどなニュース

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写真互いの匂いを嗅ぐイッちゃん(メス、手前)とゴーゴ(オス)=天王寺動物園
互いの匂いを嗅ぐイッちゃん(メス、手前)とゴーゴ(オス)=天王寺動物園

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、各地の動物園でも臨時休園や屋内展示中止などの対応が続いています。そんななか…つい先日まで臨時休園していた「天王寺動物園」(大阪市天王寺区)では、静まり返った園内で明らかに「熱い」場所が。ホッキョクグマのカップルが初めての繁殖シーズンを迎えているのです。野生のホッキョクグマは温暖化の影響で絶滅の危険にさらされていますが、実は動物園でも「絶滅危惧種」。国内の飼育頭数はここ20年で4割近く数を減らしているのです。

【写真】ロシア生まれのイッちゃん、イナバウアーポーズはこちら

 期待のかかる天王寺動物園の2頭はゴーゴ(15歳、オス)とイッちゃん(6歳メス)。3月某日、お邪魔したところ、200キロ、300キロを優に超える白い巨体が、大きく口を開け、頬寄せ合ってはガウガウ。プールで遊んだり、同じポーズで休んでみたり。素知らぬフリをしながらも視線の端では常に相手の姿をチラ見。ずばり、イイ感じです。ところで、この2頭の名前、少し不思議なのですが、続けて読んでみてください。関西地方にお住まいの方ならもう分かるはず。「あるとき〜♪ ないとき…」。ホラ、ね。

 実はこの2頭、豚まんやアイスキャンデーで知られる「551(ゴーゴーイチ)の蓬莱」こと蓬莱(本社・大阪市浪速区)からのプレゼントなんです。なんて太っ腹!ということで聞いてみました。

―なぜホッキョクグマを?

「弊社のアイスキャンデーのキャラクターがシロクマなんです。アイスキャンデーは1954年から販売し、シロクマとブルーのストライプのマークは1957年5月ごろから使っています。寒い地域で暮らすホッキョクグマを見ると、お客様も冷たいものをイメージしやすいから…という思いからです」

―にしても、どどーんと2頭も!

「ホッキョクグマが来てくれたら、大阪のみなさんが喜んでくれるかな、という思いで贈らせて頂きました。2006年にゴーゴ君、2015年にはお嫁さんにとイッちゃんに、それぞれロシアの動物園から来てもらいました」

―イイ感じだそうですね。

「はい、動物園からはそんな感じのご報告を頂いています!」

と、こちらでも楽しみにしている様子です。

 そんな盛り上がりを知ってか知らずか、今年2月下旬に初めての同居をスタートさせた2頭は、いきなりラブラブ全開に。気が合わなければ流血の事態もあったのですが、それも杞憂と終わり、ヒトがコロナ禍で巣ごもりした臨時休園中もさらに愛を深め、交尾は何度も確認されているそうです。うまくいけば年末年始頃には出産の有無が明らかになり、無事に育てば春にはかわいい子グマが見られる「かも!」なのです。

 というのも、ホッキョクグマの飼育下での繁殖は至難の業。野生では3〜5月の繁殖シーズン以外はオスメス共に単独行動をしており、メスは出産前から子どもが大きくなるまで3〜4カ月も暗い巣穴の中で絶食状態で過ごします。ですが動物園でそのタイミングを逃さず環境を整えるのは大変。死産も多く、出産に至っても数日で死亡してしまうケースも少なくなく、無事に育つ例は2割程度とも。さらに、鳴き声などで出産が確認されても、いつの間にか子どもが消えてしまう=親に食べられてしまう「食害」も。子どもに問題があり育つ可能性が低いと母親が判断するからと言われますが、それも北極圏の厳しい自然に生きる動物ゆえなのでしょう。

 そんなこんなで、日本で現在飼育されているホッキョクグマは38頭。高齢個体が多く、ここ20年で約4割も減ってしまいました。このため2011年に「日本動物園水族館協会(JAZA)」による「ホッキョクグマ繁殖プロジェクト」がスタート。飼育施設間で積極的に個体の移動が行われ、その成果も含め2012年に3頭、2013年は1頭、2014年に2頭が誕生。その子が成長してカップリングに挑戦…という動きも出ています。

 北海道の「釧路市動物園」のミルクもその1頭。担当の大場さんは「ミルクは当園開園当初のホッキョクグマペアの孫にあたる個体。是が非でもこの血筋を残したい」。一方、「姫路市立動物園」から秋田県の「男鹿水族館GAO」にお嫁入りしたユキは今年が2シーズン目。担当の田口さんは、「ユキは姫路で2回出産を経験しています。そのときは交尾が遅めで5月だったので、今回の同居開始も遅めにしようと思います」と作戦を練ります。ほかにも繁殖が期待されるカップルが複数おり、「今年こそ」の期待は大きいのです。

 そんな中でも、とても順調に見える「天王寺動物園」のゴーゴとイッちゃん。担当の通称ケンさんはホッとした様子ながらも、「交尾確認は最初のステップ。今後は夏のダメージを少なくし、秋からは体重を増やし、出産・子育てができる体づくりをします」。前任者のジャックさん(同)も「野生のスケジュールに合わせた環境づくりが大切。オスの気配を消し、静かな環境を来園者の協力も得て園全体でつくっていきたい」と話します。

 ところで…ふと気になったことが。「551」のゴーゴとイっちゃんから生まれた子グマは一体なんて名前になるのでしょう? 前出の蓬莱の広報担当者は「551からのゴーゴくんとイッちゃんの子どもなので、ほうちゃんとらいちゃんでほうらいちゃんとかいいですね!」。でも、三つ子だったら?? 空想にふけりながら1年後を静かに、静かに待ちます!

(まいどなニュース特約・茶良野 くま子)

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  • 「北極」は何してんねん!www
    • イイネ!3
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  • さすが蓬莱やるねー!結構ここのアイス美味しいんだよねwww
    • イイネ!22
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