ダルビッシュや大谷翔平に求められる役割。日本人投手7人への期待は大

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2020年04月04日 11:31  webスポルティーバ

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 新型コロナウイルスの感染拡大により、米国では各州で自宅待機命令が続出しています。「早くとも5月中旬以降」で検討していたメジャーリーグの開幕もさらに遅れる可能性があり、「6月中旬までは難しい」という報道もあります。

 そんな先の見通せない状況ではありますが、メジャーリーグでプレーする日本人選手は今季、それぞれの所属チームでどんな役割が求められているのでしょうか? 今回、まずは投手編です。

 シカゴ・カブスのダルビッシュ有投手は、今年メジャー9年目。2017年オフにロサンゼルス・ドジャースからFAとなり、カブスと6年総額1億2600万ドル(約137億6000万円)の超大型契約を結びました。

 ところが最初の年は右ひじの故障により、わずか8試合の先発登板だけ。昨年もシーズン前半までは18先発で2勝4敗・防御率5.01と奮わず、本人いわく「ストライクを投げようと思っても投げられない技術レベル」でした。


 それでもシーズン後半は13先発で防御率2.72と立て直し、142打者連続無四球を記録するなど制球力が劇的にアップ。前年の同時期に比べて「全然違う人かな」と本人も自信を取り戻したようで、オフには契約を破棄できる権利を行使せず、チーム残留を決めました。

 そしてカブス3年目となった今年、ダルビッシュ投手に求められるものは、左腕ジョン・レスターに代わるエースとしての役割です。

 メジャー通算190勝を誇り、ボストン・レッドソックス時代に2度の世界一に貢献したレスターがカブスに移籍したのは2015年。昨年まで3年連続、通算で8度も開幕投手を務めてきました。

 そんなレスターも現在36歳。どれほどのパフォーマンスを見せられるのか、今季は不透明という声もあります。一方、ダルビッシュ投手はキャンプから調子がよく、テキサス・レンジャーズ時代の2017年以来、2度目の開幕投手は決定的とまで報道されました。


 百戦錬磨の実績を誇るレスターも、ダルビッシュ投手について「彼の能力に嫉妬する時もある」と称賛しています。ダルビッシュ投手が真のエースとして活躍すれば、カブスも3年ぶりに地区優勝を果たせるでしょう。

 ニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手は、今年でメジャー7年目。2014年のヤンキース入団以来、6年連続でふたケタ勝利を挙げており、開幕投手はこれまで4度も務めてきました。

 しかし昨年12月、ヒューストン・アストロズからFAとなった剛腕ゲリット・コールが投手史上最高額の総額9年3億2400万ドル(約356億円)という超大型契約で移籍。新エースの加入によって、田中投手は先発3、4番手ぐらいに格下げとなりました。

 ところが、シアトル・マリナーズから移籍1年目の昨年に自己最多15勝を挙げた左腕ジェームズ・パクストンが腰の手術を受け、5〜6月頃まで戦線離脱することが決定。また、2018年に自己最多19勝を挙げて一躍エースにのし上がったルイス・セベリーノも右ひじのトミー・ジョン手術に踏み切り、今シーズン全休となったのです。


 ブレット・ブーン監督は今年、コールとセベリーノの剛腕コンビによる「新しい二枚看板」を構想していました。そこで、田中投手に求められているのは、セベリーノに代わる先発2番手の役割です。

 2009年以来11年ぶりのワールドシリーズ制覇が至上命題のヤンキースにとって、先発投手陣を引っ張る「二枚看板」の存在は必要不可欠。昨年、初の世界一に輝いたワシントン・ナショナルズのマックス・シャーザー&スティーブン・ストラスバーグや、ア・リーグを制したアストロズのジャスティン・バーランダー&コールのように、7年契約の最終年を迎える田中投手の活躍に期待したいものです。

 今年2月、前田健太投手はミネソタ・ツインズに移籍しました。昨年、ツインズは球団記録にあと1勝と迫る101勝を挙げ、9年ぶりに地区優勝。また、メジャー新記録となる307本塁打を放つなど、破壊力抜群の打線で話題となりました。

 しかし一方で、投手陣の出来はいまひとつ。とくに、プレーオフでは防御率7.56と散々な結果でした。そこでツインズは、ブラスダー・グラテロルという超有望株の若き剛腕をロサンゼルス・ドジャースに出してまで、先発ローテーション強化のために実績のある前田投手を獲得したわけです。


 2年連続の地区優勝、さらにはリーグ優勝や世界一を目指すツインズにとって、前田投手の能力は魅力的です。投球回数より多い奪三振を記録している制球力があり、広島時代から大きなケガもないので、シーズンを通して計算できます。

 また、ワールドシリーズに2度出場している経験値も大きいでしょう。ポストシーズンでワースト記録更新となる16連敗を喫しているツインズにとって、前田投手は頼れる存在です。

 ドジャースではシーズン終盤になると、先発からリリーフへと回されました。しかしツインズでは、今年初の開幕投手に指名されたホセ・ベリオス、ジェイク・オドリッジに次ぐ先発3番手として期待されています。前田投手の今季の役割は、休むことなく先発陣の一員としてフル回転することでしょう。

 シアトル・マリナーズの菊池雄星投手はメジャー1年目の昨年、ほぼシーズンを通して投げることができました。ただ、結果は32先発で6勝11敗・防御率5.46。悔しい結果に終わりました。


 マリナーズの先発はエースの左腕マルコ・ゴンザレスをはじめ、元西武のウェイド・ルブランなど技巧派ばかりだけに、菊池投手には「左の本格派」として大きな期待が寄せられました。しかし、残念ながら速球の平均時速は92.5マイル(約149キロ)しか出ず、ア・リーグで2番目に多い36被本塁打も喫してしまいました。

 スコット・サービス監督から速球に磨きをかけるように求められた菊池投手は今オフ、基礎トレーニングや投球フォームの改善に取り組んでいたようです。その結果、オープン戦では初戦から最速96マイル(約155キロ)を計測し、スライダーも92〜93マイル(約148〜150キロ)を記録するなど、変化球のスピードも増しました。

 サービス監督は菊池投手のピッチングを見て、「スピードもあり攻撃的。まるで別人のようだ」と驚いていました。ゴンザレスに次ぐ先発2番手という役割は変わりませんが、今年は左の本格派としてチームに存在を示すことが大事だと思います。


 ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手は2018年10月、右ひじのトミー・ジョン手術を行ないました。あれから1年以上経った手術明けの2月中旬にキャンプインした当初、投手としての復帰は5月中旬と見込まれていたのです。

 しかし、開幕が6月か7月まで延期となりそうなため、ジョー・マドン監督は「投手としても開幕までに間に合うかも知れない」とコメント。シーズン最初から二刀流で起用する可能性を示唆しました。

 そもそも、チームが大谷選手の投手としての復帰時期を遅らせたのは、手術明けによって投球回数や登板数の制限が設けられ、フルシーズンで起用できない事情があったからです。しかし、開幕が遅れて短縮シーズンになれば、100〜144試合ぐらいを想定するなか、おそらく15〜20試合ほど先発することができ、さらにポストシーズンでの登板も可能になります。

 エンゼルスのように投手力が盤石でなくとも、試合数が減れば勝つチャンスも広がります。マドン監督が大谷選手に求めているのは、「プレーオフ進出への切り札」としての重要なポジションでしょう。


 今年トロント・ブルージェイズに入団した山口俊投手は現在、先発5番手候補と言われています。ただ、山口投手は横浜時代や巨人時代に先発と救援の両方を経験しているので、ロングリリーフという役割も求められそうです。

 マーク・シャパイロ球団社長は「何でもできる柔軟性は非常に助かる」と、山口投手の能力を高く評価しています。その万能性をメジャーでも示すことができれば、チーム内でも重用されるでしょう。

 そのなかでも注目したいのは、本来のリリーフ投手が先発して1、2イニングを投げる「オープナー」のあと、本来の先発投手がロングリリーフとして継投するポジションです。

 メジャーで初めて本格的にオープナーを採用したのは、2018年のタンパベイ・レイズでした。そのレイズで当時ベンチコーチを務めたのが、現在ブルージェイズを率いるチャーリー・モントーヨ監督です。

 山口投手は日本プロ野球14年間で、合計1080イニング3分の1しか投げていません。先発要員ながら肩の消耗も少ないので、チームはロングリリーバーとして求めることもあると思います。


 最後にアリゾナ・ダイヤモンドバックスからFAでマリナーズに移籍した平野佳寿投手は、クローザーとして任される可能性があります。そのカギを握るのは、サービス監督が「重大事だ」と言うルール変更です。

 今年からMLBはワンポイントリリーフを禁止するため、救援投手は最低でも打者3人に対して投球を完了するか、イニング終了とならないかぎりマウンドを降りることができません。また、投手の負傷者リスト入りが10日間から15日間に戻り、投手の交代や入れ替えも頻繁にできにくくなります。

 さらに、短縮シーズンとなれば連戦やダブルヘッダーが増えて、そのぶん連投も多くなるでしょう。そうなると、昨年は3連投が一度もなかった36歳の平野投手にとっては、新ルールと過密日程に耐えるだけの体力が必要となりそうです。

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