Zeebraが小池都知事にもの申す「夜の街名指しはフェアじゃない!昼と夜の線引きなき補償を」

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2020年04月04日 18:30  AERA dot.

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写真渋谷区観光大使ナイトアンバサダーのZeebraさん(提供・ソロモン・アイ・アンド・アイ プロダクション)
渋谷区観光大使ナイトアンバサダーのZeebraさん(提供・ソロモン・アイ・アンド・アイ プロダクション)

「小池さん、どうか公平な政策をお願いします」

 4月2日、本誌の取材にこう話したのは、ヒップホップミュージシャンのZeebra(ジブラ)さんだ。

 ことの起こりは、東京都の小池百合子知事が(67)が3月30日の緊急会見で、新型コロナウィルス対策として、夜の繁華街への外出自粛を以下のように要請したことだ。

「感染経路が不明な症例のうち夜間から早朝にかけて営業しているバー、そしてナイトクラブ、酒場など接客を伴う飲食業の場で感染したと疑われる事例が多発している」

 そしてカラオケやライブハウスを含めた夜間の繁華街に対し、「こうした場への出入りを控えていただくようにお願いしたい」と呼びかけた。

「夜の街」ばかりがことさら名指しされるこの状況。そこを「生きる場」としている当事者たちはどう受け止めているのだろうか。渋谷区観光大使ナイトアンバサダーでもあるZeebraさんはこう語る。

「今、渋谷や西麻布の街は昼も夜も閑散としています。ハチ公前で待ち合わせする姿も見かけません。渋谷にあるダンスクラブは私の知る限り店を閉めていますし、バーや飲み屋も休業を選んだ店舗が多いです」

 換気の悪い密閉空間、多くの人が密集する場所、近距離での密接した会話。「夜の街」はこの「3つの密」がより濃厚なかたちで重なる場となりやすく、確かに感染リスクはあがる。Zeebraさん自身も、店舗などが通常通りに活動していくことは不可能だと考えている。

 しかし、現在のように当局が客側に「夜の街に行くのを控えて」と呼びかけるやり方には、強い違和感があるという。

「『店を閉めろ」ではなく、お客さんに『控えて』という言い方は、フェアじゃないと思う。『営業禁止』と言うべきです。特に夜の飲食店は、1カ月も休めば潰れてしまうような小さな規模であることがほとんどですし、休業補償が得られなければ最悪、解雇される従業員も少なくない。『バーやナイトクラブ』なんて名指しされたら、あっという間に潰れてしまう。ロックダウンを行い、最低限のライフラインをのぞいて飲食店や店舗も営業を休み、政府がその分の補償をするのが今できる最善の策だと思います」

 政府は新型コロナ対策で休校の影響で仕事を休んだ保護者に対して、企業のパートを含む従業員には日額8330円、個人事業主には4010円を上限とする助成金を出すことを決めた。しかし、こうした制度を利用しない中小企業も多い。さらに政府は、接待を伴うナイトクラブや風俗業の関係者は「公金を投じるのにふさわしくない業種との判断」(厚労省)として、支給対象外とした。

「風俗やキャバクラに勤める人のなかには、休業で露頭に迷いかねないシングルマザーもいます。いわゆる社会的弱者が少なくない。政府や自治体の政策に不満の声をあげることのできるひとが、どれだけいるのか。どのような業種であれみんな必死に生活し、生きている。しかしなぜ、『夜の街』だけを名指ししておいて、パチンコ店に行くなといわないのでしょう。先週、知人が送ってくれた通勤時の品川駅の写真を見ましたが、歩く人と人の間は10センチもない。車内に至っては密接空間そのものです」(Zeebraさん)

 バーやナイトクラブのように、「おかしい」と声をあげにくい人たちが働く業界を名指しするならば、せめて少しでもいい、補償を約束して欲しい、昼と夜の職業で線引きをしないで欲しい。Zeebraさんはそう訴える。

 「夜の街」には、バーやダンスクラブから接待のあるクラブなど多様な文化が根づき、近年は外国人観光客を呼び込む「インバウンド戦略」の一つとしても注目されるようになってきていた。Zeebraさんは2016年、なかなか世間に認知されていなかった「夜の街」の文化を紹介する渋谷区観光大使アンバサダーに就任し、国内外で様々な活動をしてきた。

「私もこれまで夜の街の文化を盛り上げようとやってきました。よい方向に向かってきた矢先に、仕方のないことですがとても残念です。でも、こんなときだからこそ、小池さんにも夜への偏見をとりさって頑張って欲しいし、安倍さんも日本がコロナに負けないよう、みんなを引っ張っていってくださいね」
 
 こうした声が届いたのだろうか。4月3日には、東京都が新型コロナの感染拡大を受けて時短営業や休業する店舗を対象に、独自に支援する制度を創設する方針を固めたと報じられた。だが、金額や支給される時期もまだ公表されていない。休めばその日の収入が途絶える人も多うえに、支給額も生活して行けるだけの額となるかはまだわからない。さらに、風俗やキャバクラなど、対象となる業種にどこまでが含まれるのかもまだ不明だ。

「『おかしい』と声をあげにくい人たちが働く業界のひとたちはまだまだいます。できるだけ広い範囲で、補償を約束して欲しいです」(Zeebraさん)

 昼も夜も線引きはない。声のあげられない人たちの犠牲の上にではなく、「みんなで」コロナに勝つ未来を手にしたいものだ。
(本誌・永井貴子)

※週刊朝日オンライン限定記事

【おすすめ記事】有名投資家が実践! 「コロナショックでお金を失わない方法」


このニュースに関するつぶやき

  • どこの記事かと思えばAERAか・・・そんなに夜の街が心配ならAERAの記者が飲み歩けば?
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  • 《横井英樹の孫》NEWJapan��
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