元イングランド代表監督のファビオ・カペッロ氏が、FIFAワールドカップ 2010・南アフリカを振り返った。4日、イギリス紙『ガーディアン』が伝えた。
現在73歳のカペッロ氏は、2007年12月から2012年2月にかけてイングランド代表を指揮も、在任期間中にタイトルは獲得できず。南アフリカW杯ではグループステージを2位で通過し、決勝トーナメント1回戦でドイツ代表と対戦したが、1−4で敗戦。同試合では1−2のビハインドで迎えた38分、MFフランク・ランパードのシュートがゴールラインを割っていたにも関わらずゴールを認められなかったなど、判定にも泣かされた。
■「今も頭から離れない」
インタビューに応じたカペッロ氏は、試合のターニングポイントとなったランパードの“幻のゴール”について、「私の人生で起こったもっとも驚くべきことだ。全員が目撃していた」とコメント。また、「2月の会議で私は、『5人目の審判をゴールの後ろに置いてみないか?』と提案したが、『ノー。レフェリングについてはすでに決定している』と返されたよ」と大会前に関係者にルールについて提案していたことを明かした。
その会議から4カ月後、カペッロ氏は同じ男性に対して「だから言ったろ!私はこういう事が起こるだろうと言ったんだ」と主張したようだ。「私たちはW杯のために2年間準備していたのに、誰かのミスのせいで家に帰ることになってしまった。『何のためにスタンドに座っているかもわからない人がいるなら、彼をゴールの後ろに置こう』と私は言ったんだ」と当時を振り返った。
最後に、同氏は「当時のドイツは非常に若いチームだった。若いチームが2−0のリードから2点を追いつかれたら、心理的な問題が生じる。私たちにとってそれは大きな後押しとなるはずだったが、(ランパードのゴールが認められなかったため)そうはならなかった。今もそのことが頭から離れないんだ」と、当時から続く苦悩を告白した。