『デジモンアドベンチャー:』はストーリーを完全一新 時代背景を映し出した新シリーズに

4

2020年04月05日 14:11  リアルサウンド

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

リアルサウンド

『デジモンアドベンチャー:』(c)本郷あきよし・フジテレビ・東映アニメーション

 1999年に放送され一世を風靡した『デジモンアドベンチャー』のリブート作品『デジモンアドベンチャー:』(フジテレビ系)の第1話「東京デジタルクライシス」が、4月5日に放送された。


参考:『デジモンアドベンチャー』とは何だったのか “無限大の夢のあと”に斬り込む最新作に寄せて


「ネットワーク。人と世界の未来を開き、加速を続けるその進化は、今、さらなる未知の領域へ繋がろうとしている」


 西暦2020年。ネットワークで異変が起き始めていることも知らず、子供会のキャンプの支度をしていた小学5年生の八神太一。そこに上の階に住んでいる4年生の泉光子郎がキャンプについて質問したいとやってくる。


 そこで太一のスマートフォンに流れてきた首都圏を中心にした大規模なサイバーテロのニュース。光子郎がタブレット端末を取り出して、タイムラインをチェックしていた光子郎は、ある情報を入手する。それは「東京の環状線がコントロール不能」という危機的な状況に陥っているということだった。


 それを聞いた太一は母親と妹のヒカリが渋谷で乗り換え中であることを思い出し、急いで2人のもとへと向かう。駅へと到着した太一と光子郎だったが、渋谷への行き方に苦慮。そこで太一はひとり改札を乗り越え、階段を駆け上がり助けに行くのだった。しかし、階段を登っていると突然“勇気の紋章”が輝きだし、「太一」と呼びかける謎の声が聞こえてくる。太一は現実世界とは異なる“ネットワークの世界”へと導かれるのだった。


「やっと会えたね。太一」


 気がつくと、太一の目の前にいたのは自らをアグモンと称するモンスターだった。


 太一とアグモンにサイバーテロを引き起こしたとされる原因のモンスターが襲いかかってくるが、アグモンの協力を得て応戦。そこで、現実世界に残されていた光子郎から通信が入り、太一がいる場所が“ネットワークの中の世界”、つまりデジタルワールドであることを知らされる。


 光子郎の協力もあり、残り1体まで追い詰める太一とアグモンだったが、突然そのデジモンが進化してしまう。苦戦を強いられ防戦一方になりながらも、太一は「デジヴァイス」を駆使して、アグモンをグレイモンへ進化を果たすことに成功。電車の衝突が迫り予断を許さない状況のなか、グレイモンは圧倒的な力を見せ、敵デジモンを撃破。無事に緊急停止プログラムが発動し、電車の衝突を回避することができたのだった。


 しかし、喜びもつかの間、新たにアメリカでデジモンによる米軍の戦術ネットワークが標的にされていることが光子郎から告げられるのだった。このままでは兵器の暴走による社会の崩壊が起こりかねない……太一らはこの危機をどう乗り越えるのか。


 1999年の放送以来、私たちを取り巻く環境は大きく変化してきた。それはミクロな意味でのネット環境も同様で当時とは全く様相が違ってきている。デジタルとリアルな世界に明確な分断があった1999年と、その境がなくなりつつある2020年では、ネットの捉え方も大きく違っているのは間違いない。


 今回初回放送を迎えた『デジモンアドベンチャー:』は当時のキャラクターはそのままに、完全にストーリーは一新されている。いわば現代に適合するように組み直されたストーリーに生まれ変わっているのだ。


 時代背景の変化とともに、太一たちが持つデバイスも一新されており、スマートフォンやタブレット端末といった最新機器が登場する。第1話の冒頭で太一がニュースを見ようとスマートフォンを手にする。何気ないが現代を象徴する重要なシーンだったように思う。


 第1話で太一たちの身に起こったのは、まさにサイバーテロというインターネットが全世界的に普及した今だからこそ身近に感じるテーマだ。デジタルクライシスが単なる仮想空間だけで完結するものではなく、現実世界にも影響を与えるというのはデジモンのこれまでのシリーズでも描かれていたが、ネット社会といわれる昨今の状況が理解を容易くする。


 まだ第1話が始まったばかりだが、今後の期待が高まる初回であったことは間違いない。これからどういう類のデジタルクライシスが起こるのか、まだ登場していない“選ばれし子どもたち”と太一らの出会いなど、『デジモン』シリーズを見てきたファンとして楽しみに待ちたいと思う。


■川崎龍也
音楽を中心に幅広く執筆しているフリーライター。YouTubeを観ることが日課です。


このニュースに関するつぶやき

  • デジモン、ガンダム、そしてここたまにもあるように、バンダイさんの話は常に『リアルへのメッセージ』が込められてると実感する…
    • イイネ!2
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

オススメゲーム

ニュース設定