「自分の芯がなくなった」 統計から消され「見えない存在」とされた女性のひきこもりの実態

151

2020年04月06日 07:00  AERA dot.

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AERA dot.

写真24歳のころから4年近くひきこもっていた女性(30)。「女子会」によってひきこもりから抜け出すことができた今、当事者が集まる「居場所」をつくることが目標だと話す(撮影/写真部・掛祥葉子)
24歳のころから4年近くひきこもっていた女性(30)。「女子会」によってひきこもりから抜け出すことができた今、当事者が集まる「居場所」をつくることが目標だと話す(撮影/写真部・掛祥葉子)
「ひきこもり」と言えば「男性」というイメージが強かったが、女性も少なくないことがわかってきた。見逃されたのはなぜか。抜け出すにはどうすればいいのか。AERA 2020年4月6日号では、ひきこもり当事者の女性に話を聞いた。

*  *  *
 私なんていなくていいのに。

 都内の女性(30)は、24歳のころから4年近く、こんな思いを抱きながら自宅の部屋にひきこもった。

 関西の美術系大学や専門学校で写真の勉強をしていたが、「もっと写真を学びたい」と23歳の時に東京の美大に入り直した。これからさらに楽しいことが起き、成長もできる。そう思っていたが、東京では友人もできず、悩みを相談する相手もいない。次第にしんどくなり、大学にも行けなくなった。気づいたら、自宅にひきこもるようになっていた。大学は中退し、写真も撮れなくなった。

 気分に波があったが、症状がひどい時は朝から晩まで部屋のベッドで1日を過ごした。頭から布団をかぶり、何もしない。食事もとらず風呂にも入らず、自問自答を繰り返した。

「何でこうなっちゃったのだろう」「このままではいけない」「何かやれることはあるかなあ」……。だが、いくら考えても答えは出ない。悲しくなって、泣いた。女性は言う。

「『あなたは何をしていますか』と聞かれた時に、『私には写真があります』と説明できていたものが、なくなった。親にも迷惑をかけ、自分の芯がなくなり、この世にいても意味はないと思いました」

「ひきこもり」は国の定義では、コンビニなどに行くことはあるものの仕事や学校に行かず、半年以上家にいる状態が続くことをいう。当事者団体では、そうした「状態」ではなく、生きづらさや苦しさがあり、自らをひきこもりと「自認」する人を指す。

 長い間、「ひきこもり」と言えば「男性」というイメージが強かった。だが、ひきこもりの経験者らでつくる「ひきこもりUX会議」代表理事の林恭子さん(53)はこう話す。

「女性のひきこもりの存在は、可視化されていなかっただけ。かつて国などの調査では、自宅で家事育児をしている女性は除外されてきた。ひきこもる多くの女性は統計から消され、『見えない存在』とされていたのです」

(編集部・野村昌二)

※AERA 2020年4月6日号より抜粋

【おすすめ記事】「ひきこもり女子会」が盛況な3つの理由 実態調査から漏れる主婦、家事手伝い…


このニュースに関するつぶやき

  • 引きこもりで社会とつながりがないことはむしろ快適だったりする。 困るのは収入面のみ。
    • イイネ!1
    • コメント 0件
  • これ、ひきこもりじゃなくて鬱じゃないか? ほんとにアエラの取材レベルは低いな。
    • イイネ!106
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(84件)

あなたにおすすめ

前日のランキングへ

ニュース設定