株価暴落時だから考えたい“相場を読まない投資”について

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2020年04月06日 07:31  JIJICO

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株価暴落で投資に対して多くの方が不安に


新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、世界の株式相場が暴落。金融市場の混乱が続き、不安を感じている方も多いかと思います。既に投資を始めている方は、「自分がしている投資は大丈夫かな?」まだ投資をしたことがない方は、「こういうこともあるから投資は怖い」、こんな風に感じてはいませんか。このような状況下だからこそ、“相場を読む投資”と“相場を読まない投資”の違いについて考えてみたいと思います。


“相場を読む投資”は資産運用とは言えない


まず、「相場がこれから上がりそう・下がりそう」と予測して、売買のタイミングを見極める投資をファイナンシャルアドバイザーである私たちは資産運用とは呼びません。こうした、チャンスをうかがいタイミングを計って売買を行う投資は「投機」と呼んでいます。


相場を予測するのはプロでも困難です。ですから私たちは日頃から、相場を予測する必要のない投資方法を提案しているのです。それが「長期」「分散」「積立」投資ができる投資信託であり、これこそが“相場を読まない投資方法”になります。


長期とは、投資に長い時間をかけること。分散とは、値動きの異なる資産や様々な地域に分散して投資をすること。積立とは、一度に購入するのではなく、毎月決まったタイミングに決まった額を買うこと。


詳しくみていきましょう。


長期投資のメリットについて


長期にわたって投資をすることで得られる効果に「複利効果」があります。複利とは、投資から得られた利息を元本に組み入れ、その元本に対して利息が再度計算されることを言います。


たとえば、年率5%で100万円を投資したとして、
1年後の受取利息は100万円×5%=5万円。
2年後の受取利息は105万円×5%=5万2500円。
3年後の受取利息は110万2500円×5%=5万5125円。
このように時間が経つにつれ、利息が雪だるま式に増えていきます。


分散投資のメリットについて


分散投資では、一つの投資先に集中して投資をした場合の、価格の下落による損失を抑えるために、値動きが異なる投資先をいくつか組み合わせて投資を行います。そして、この分散投資を活用した、「国内債券35%」「国内株式25%」「外国債券15%」「外国株式25%」といった金融資産の組み合わせを、「ポートフォリオ」と言います。


積立投資のメリットについて


「コロナショック」に限らず過去にも、株価が暴落する局面はありました。ブラックマンデー(1987)、アジア通貨危機(1997)、ロシアショック(1988)、ITバブル崩壊(2001)、リーマンショック(2008)、チャイナショック(2015)、その他にも米国同時多発テロ、英国EU離脱、ギリシャショックなど、これまで数多く
の暴落に見舞われてきました。


ただ、積立投資を継続している方にとっては、この価格の下落局面は、同じ金額の積立で下落前よりたくさんの「口数」を購入できる、絶好の機会となります。「口数」をどれだけたくさん購入できるかというのは投資において重要になります。なぜなら最終的な投資成果は、「売却時の価格」×「口数」で決まるからです。


投資メンタルを支えるファイナンシャルアドバイザーの存在


私たちファイナンシャルアドバイザーが日頃ご提案している投資信託は、このように積立購入で価格の下落時にも口数を増やしながら、値動きの異なる資産や様々な地域に投資対象を分散して、長期間じっくりと続けていくものです。ちゃんと続けることができれば、成果が期待できます。ですがこの、“ちゃんと続ける”ということが、難しかったりします。


今のような相場の下落時は、投資家のメンタルが問われます。不安に負けてメンタルのコントロールができず、普段とは異なる取引をしてしまったり、風潮に流されて売却してしまったりということが起こりえます。
そうなれば、続けていたら得ることができたリターンを失うことになります。ですから相場が下落しているときに、お客様の精神的な支柱となることが、私たちファイナンシャルアドバイザーの役目になるのです。



(今村 浩二・ファイナンシャルプランナー)

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