エリザベス女王「家族や友人とまた会える日は訪れる」 コロナ危機さなかのスピーチが感動呼ぶ

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2020年04月06日 19:42  Techinsight Japan

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異例の演説を行ったエリザベス女王(画像は『The Royal Family 2020年4月5日付Instagram「Her Majesty The Queen addresses the UK and Commonwealth in a special broadcast recorded at Windsor Castle.」』のスクリーンショット)
現地時間5日、英王室エリザベス女王によるテレビ演説が放送された。猛威を振るう新型コロナウイルスとの闘いに「私達は打ち勝つことができる」そして「家族や友人とまた会える日が訪れる」と落ち着いた声で人々を勇気づけた女王のスピーチは、英国だけでなく世界中の人々に感動を与えた。

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米ジョンズ・ホプキンス大学リサーチセンターの新型コロナウイルス感染データによれば、英時間6日午前9時半過ぎのイギリス国内感染者数は4万8440名、死者数は4943名に上っている。感染者数は世界各国で8番目の多さで、なかなか収束の兆しが見えないことから人々は不安を抱えながら過ごしているという。

このような未曾有の事態を受け、このほど英王室エリザベス女王によるテレビ演説が行われた。英国および英連邦の人々に向けたスピーチの冒頭で女王はまず、医療従事者や人々の日常生活を支えるため日々懸命に働く労働者達に感謝の意を述べ、「1時間、そしてまた1時間と皆さんが働いてくださるたびに、私達の生活はより平常へと近づいていく」と述べた。また感染拡大防止のため、自主的に自己隔離を実践する人々に対しても「力を合わせれば、この病に立ち向かうことができる」「団結し固い意志をもってすれば、乗り越えられる」と呼びかけた。また女王はこの難題を受けて立ち、果敢に対処したことに誇りを持てるよう、そして後世の人達がこの時代の英国人は立派だったと語れるような未来が訪れることを願った。

さらに女王は、現在の状況が1940年に妹のマーガレット王女とともにウィンザーから行った初めての演説を思い出させると明かした。第2次世界大戦時は安全確保のため疎開で家族がバラバラになることがあったが、そんな当時の状況と愛する家族を感染から守るために“社会的距離”を取らなければならない現在を重ね、辛い決断ではあるが「当時も今もこれが取るべき正しい行動であることを、私達は心の底では理解している」と人々に語りかけた。

最後には、今後もまだ耐える日々が続くかもしれないが、やがて今よりもよい日々が訪れる、家族や友達と会える日もまたやってくる、「私はあなたとまたお会いします(We will meet again.)」と締めくくった。最後のフレーズは、戦時中に英国でヒットした『We will meet again』から引用したと思われ、ここでも第2次世界大戦下と現在の状況を重ねるエリザベス女王であった。

このたび公式SNSでも公開された女王の演説は、「心に響く素晴らしいスピーチ」「エリザベス女王は最高の君主」「涙があふれ出てしまった」と英国だけでなく世界中のあらゆる地域の人々の間で感動を呼び、Instagramの動画再生回数は現在250万回を超えている。

ちなみにエリザベス女王の即位から68年になるが、毎年恒例のクリスマススピーチと英国議会の新会期に行う演説を除くと、このように女王が特別なスピーチを行うのは今回が5回目である。過去には湾岸戦争やダイアナ妃および母エリザベス皇太后の死、そして自身の即位60周年の際に演説を行った。



画像は『The Royal Family 2020年4月5日付Instagram「Her Majesty The Queen addresses the UK and Commonwealth in a special broadcast recorded at Windsor Castle.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 c.emma)

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