オマリー氏「みんなでこの危機を乗り切りましょう」 レジェンド助っ人からのビデオレター

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2020年04月08日 16:04  ベースボールキング

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オマリー氏 (C) Kyodo News
◆ 伝説の外国人選手からプロ野球ファンへメッセージ

 世界中を混乱に陥れている「新型コロナウイルス」の問題。7日には安倍晋三首相から『緊急事態宣言』が発出されるなど、これまで以上に注意深く生活していくことが求められている。


 周囲の大切な方を守るべく、「#stayhome」といったタグを使って著名人が外出の自粛を呼びかける運動も広がりを見せているなか、Twitter上の野球ファンにとって毎日の楽しみとなりつつあるのが、JRFPA公式アカウントの投稿だ。

 JRFPAとは、“Japan Retired Foreign Player Association”の略。正式名称は「一般社団法人 日本プロ野球外国人OB選手会」。かつて日本で活躍した外国人プロ野球選手と、そのファンの絆をつなぐことを目的に設立された団体である。

 TwitterのJRFPA公式アカウント( @OB_Foreign9 )では、かつて日本の球界で活躍したOB助っ人がほぼ毎日登場。ビデオレターのような形で、我々にメッセージを送ってくれている。

 8日には、かつて阪神やヤクルトで活躍したトーマス・オマリー氏が阪神のTシャツ姿で登場。虎党を中心に、日本の野球ファンを喜ばせた。

 というわけで、今回はオマリー氏の日本での活躍ぶりを振り返ってみたい。


▼ トーマス・オマリー氏

コロナウィルスが全世界で猛威を振るっているね。
周囲の人と距離を保って、手洗いうがいをしてね。
お家で過ごして、みんなでこの危機を乗り切りましょう。
ありがとう!がんばって!


◆ 「阪神ファンは一番や!」

 1960年12月25日、アメリカのニュージャージー州で生まれたオマリー氏。1982年にジャイアンツでメジャーデビューを果たし、2年目は135試合に出場。しかし、以降はメジャー定着とはならず、5球団を渡り歩いた末、1991年に海を渡って日本にやってくることとなる。

 来日1年目の1991年、いきなり130試合に出場して打率.307・21本塁打・81打点の活躍。助っ人として申し分ない働きを見せると、2年目からは三塁に転向。大洋からやってきたジム・パチョレックを前に置いた3番・4番コンビがハマり、チームの2位躍進に大きく貢献した。

 個人としてもこの年は.460という高い出塁率をマークして最高出塁率のタイトルを獲得。そこから4年連続で同タイトルを獲得し、1993年には打率.329で首位打者にも輝いている。


 しかし、翌1994年も124試合に出場して打率.314を記録。出塁率.429でタイトルを獲得しながら、阪神との契約はここで終了。背景には高騰した年俸など様々な要因があったと言われているが、実はオリックスへの移籍が決定的だったと後に明かされている。

 ところが、オマリー本人がセ・リーグでプレーすることを望んでいたこともあり、この交渉は難航。すると、阪神でのプレーぶりを見て高く評価していた野村克也監督が率いるヤクルトも獲得に乗り出し、結果としてヤクルトへの移籍が決定した。


◆ MVPのW受賞も…

 移籍初年度も、125試合の出場で打率.302と安定した打撃を披露。それだけでなく、本塁打はキャリア最多の31本をマーク。阪神退団時には「本塁打の少なさ」を理由に挙げられたこともあったが、それに反発するかのように長打力も発揮してみせる。

 さらに、チームもリーグ優勝を果たし、オマリーはリーグMVPも獲得。オフには“因縁”もあったオリックスとの日本シリーズでも打ちまくり、シーズンに続いて日本シリーズでもMVPに輝く大暴れ。去就問題を経て、新天地で最高のシーズンを送った。

 しかし、翌年も127試合に出場して打率.315に18本塁打、キャリア最多の97打点を挙げながら、またも高年俸や、年齢の問題などから退団。以降もNPBの球団との契約の噂は絶えなかったが、その後日本に戻ることはなかった。


 日本では6シーズンに渡ってプレーをし、通算742試合に出場。すべてのシーズンで打率3割をクリアして、通算打率は.315。4度のタイトルを獲得した出塁率は.422という驚異的な成績を残している。

 若い世代にとっては、“六甲おろしを歌うおもしろ助っ人”のような印象の方が強いかもしれないが、振り返ってみるとその実績は凄まじい。

 そして、こうした外国人選手の活躍を忘れぬように、若い世代の野球ファンにも伝えていけるようにとの想いから、“外国人選手のOB会”を目指して創設されたのがJRFPAという組織である。

 レジェンドOBを日本に招いてのイベント開催やその告知なども行っているので、気になる方は是非ともチェックしていただきたい。


文=尾崎直也

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