「ノートパソコン」名付け親が明かす、相手に伝わる言葉の作り方【米山智裕のBook of the Week】

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2020年04月08日 18:02  新刊JP

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新刊JP

米山智裕(奥)と、ゲストの弓削徹さん(手前)
みなさん、こんにちは! 米山智裕です。

この度、「新刊JP」にて寄稿させていただくことになりました。
みなさんと本との“出会いの橋渡し”を目指していきますので、どうぞよろしくお願い致します!

本題に入る前に自己紹介から。
わたしは、書評ブロガーとして、「Share読書.Com」というビジネス書・自己啓発書の書評ブログを6年半ほど運営しております。
この記事を執筆時点で、1643冊の書評記事を掲載。多くの読者の方から好評いただいております。

また、書評ブロガーの活動をとおして、昨年より「audiobook.jp」にて書評ラジオ番組「米山智裕のBook of the Week」のパーソナリティを担当しています。
番組はこの春にリニューアルし、書籍にまつわるゲストをお迎えして、対談形式で本の魅力をお届けしていくことになりました。書評ブロガーの視点とゲストの視点をぶつけ合って内容を深掘りし、思わず発せられるゲストの“想い”や“ササる言葉”をリスナーの皆さんにお伝えしていきます。

そして、この記事では「番組」と「書評」のポイントをうまくミックスさせて、本の魅力をお伝えします。読書する際の本選びの参考にしていただければ嬉しいです。

では、さっそく書籍のご紹介をはじめましょう!

 ◇

書評ラジオ番組「米山智裕のBook of the Week」、リニューアル初回、通算第14回目のゲストにお越しいただいたのは『短い言葉を武器にする』(フォレスト出版刊)の著者である弓削徹さんです。

実は、「ノートパソコン」という言葉の生みの親である弓削さん。コピーライターで、現在は製造業のマーケティング・コンサルタントとして、ものづくり日本をコトバで支えるべく活躍されています。

そんな弓削さんに、「なぜ、短い言葉を武器にする必要があるのか?」と伺ったところ、「人は、話す言葉で能力を測られているからだ」というするどい言葉が返ってきました。

まとまりのない話をする人には「大丈夫かな?」と思い、要点を押さえて端的に話す人には「できる人だな」と思いますよね。では、“言葉のプロ”である弓削さんは、相手の能力測定をどうやって乗り越えて信頼を獲得しているのか、興味を掻き立てられます。



■日本人の得意な言葉と苦手な言葉

弓削さんは、「日本人には得意な言葉と苦手な言葉がある」と言います。得意な言葉とは「書く言葉」、苦手な言葉とは「話す言葉」です。

察する、空気を読むに代表されるとおり、日本人はあまり話さない民族だと言われています。一方で、和歌や俳句、詩など書く文化はとても発達しています。たとえば「風」を表す言葉だけでも150種類以上もあるように、“表現の豊かさは日本語が世界一”という見方もあるほどです。つまり、「言葉は大量に持っているのに、話すのは苦手なのが日本人」なのです。

なんともややこしい民族ですね。しかし、だからこそ「話す言葉」を鍛えることができれば、一歩抜きん出ることができます。このあたりを弓削さんに伺ったところ、3つのステップを習慣化することで、相手から評価される「話す言葉」を使う土台が築けると言います。

3つのステップとは、つぎのとおりです。

STEP1:アンテナを張り、言葉をメモする
STEP2:メモした言葉を分析する
STEP3:分析した言葉から傾向を見出す


街中の看板・テレビ・読書などで目に留まった言葉をメモ(STEP1)し、どんな言葉や表現が流行っているのか分析する(STEP2)。法則や傾向を見出し(STEP3)、自分の使う言葉にどんどん組み込んでいく。

これを繰り返すことで、「話す言葉」(もちろん、「書く言葉」も)は鍛えられていくと弓削さんは言います。3つのステップを実践するために、弓削さんはデスクやトイレ、お風呂などあらゆる場所にノートを置いているとのこと。ぜひ、見習いたいですね!



■短い言葉は、相手への気遣いである

なんのために言葉を短くするかと言えば、相手のためです。相手の知りたいことを考え、相手の理解を想像し、相手が受け取りやすいようにまとめる。これらの結果が、“短い言葉”なのです。

このプロセスを実践するために、弓削さんは<パワーフレーズを作る手順>と名付けて、4つのステップを本の中で推奨しています。

<パワーフレーズを作る手順>

STEP1:伝えるべきコアを突きとめる
STEP2:「主語+述語」文を作る
STEP3:キーワード化する
STEP4:ムダな部分を削る


このステップを使って、伝える内容をまとめていくことで、少しずつ相手の反応が変わっていきます。なぜなら、相手を思ったこれらの努力は相手に必ず伝わるからです。「自分のことを考えて伝えてくれている」と感じられれば、おのずと“評価”“信頼”を返してくれます。

「人は、話す言葉で能力を測られている」という弓削さんの言葉にもつながっていきます。日々無数に浴びている言葉の中に、自分のことを大切に思った“短い言葉”がスッと入ってきたら・・・。相手への接し方は自然と変わったものになりますよね。

“短い言葉”を生み出すメソッドが凝縮されている弓削さんの著書を、ぜひ読んでみてください。相手の反応が変われば、言葉のキャッチボールが楽しくなり、人生が前向きで楽しいものにいくはずです。

(了)

【米山智裕のBook of the Week】
1600冊以上の書評を掲載する「Share読書.Com」を運営するブロガー・米山智裕による対談ラジオ。毎回、話題の本の著者や編集者、出版関係者をゲストに招き、本について掘り下げるインタビューをお届けする。オーディオブック配信サービス「audiobook.jp」にて配信中。

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