BTCC:2022年本格導入の共通ハイブリッド、テストにはSWM製カローラを指名

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2020年04月08日 18:41  AUTOSPORT web

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2022年からの本格導入が予定されるコスワース・エレクトロニクス社製共通ハイブリッドシステムの公式テストパートナーに選出されたSWMの『トヨタ・カローラBTCC』
BTCCイギリス・ツーリングカー選手権に参戦するSpeedworks Motorsport(SWM)が、2022年からの本格導入が予定されるコスワース・エレクトロニクス社製共通ハイブリッドシステムの公式テストパートナーに選出された。今夏からチームのファクトリー仕様『トヨタ・カローラBTCC』に搭載して開発が進められる。

 シリーズで長らく使用してきた『トヨタ・アヴェンシス』に別れを告げると同時に、2019年からトヨタUKのファクトリー支援を受けマニュファクチャラー登録チームとしてBTCCを戦うSWMは、2020年シーズンに向けTOYOTA GAZOO Racingのステータスを得て、エントリー名もTOYOTA GAZOO Racing UK with Ginsters(ギンスターズ)へと改められた。

 そのファクトリー・トヨタのSWMは、BTCCを運営するTOCAが実施した競争入札で『共通ハイブリッド供給権』を獲得したコスワース・エレクトロニクスに指名され、競争力のあるデビューに先立って‘P2 off-axis’と呼ばれるハイブリッドシステムを統合および検証するプロセスに協力することとなった。

 このシステムは現在最終設計のフェーズにあるものの、まだマシンへの実装段階になくテストリグで性能検証が行われているが、この夏には『トヨタ・カローラBTCC』に搭載してスネッタートンでシェイクダウンを予定する。ただし、ここでもテストスケジュールの進行は新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの影響により英国内で実施されている制限に依存する。

 このオントラックテストでは、主にパワーデリバリーの性能と回生による充電能力の検証、その戦略的活用法の確認、さらにシステムの微調整や信頼耐久性の確認に充てられ、システムがNGTC規定マシンに搭載された際の問題点洗い出しや、実際のレースでどのように利用できるかを正確に把握することが期待される。

 コスワース・エレクトロニクス社でモータースポーツ・ディレクターを務めるロブ・カークは、テストに向け「SWMは、このプロジェクトに対する私たちの要件について明確な理解を示してくれた。彼らとともにテストを進められることをうれしく思う」と抱負を述べた。

「我々はこの伝統的ツーリングカー選手権であるBTCCに、革新的なハイブリッド・ソリューションを提供することになる。これはエキサイティングなシリーズの新たな章の幕開けを予告するものだ。SWMと我々には、ハイブリッド製品の開発を加速するのに役立つ実績のある能力と資格を持つパートナーが数多く揃っている」

「テストによりシステムを検証し、レースでどのような活用が見込めるのか正確に把握することが重要だ。そのために必要なリアルタイムデータと、車両からのフィードバックを得るのが狙いになる」

「現在、COVID-19による不確かな時間を経験しているが、我々はまだ当初計画に則して取り組んでおり、テスト用のシステムを準備すべくオンスケジュールで物事を進めている」

 Speedworks Motorsportの代表を務めるクリスチャン・ディックも、BTCCを代表して与えられた役割を「光栄に思う」と語り、率先して開発テストに協力することを約束した。

「私たちとしても、BTCCとTOCAが推進する共通ハイブリッド導入の大いなる支持者だ」と続けたディック代表。

「このトヨタ・カローラが開発車両の契約を獲得できたことを喜ばしく思う。この業界で豊かな伝統と実績を持つコスワースに選ばれたことは、Speedworksのエンジニアリング能力と専門知識が優れていることを示す有力な証となる」

「現状はすべての人々にとって非常に厳しい時期であり、世界的なパンデミックは我々にいくつかの問題や困難な課題を突きつけてくる。今後、プロジェクトの進行に影響が出る可能性もあるが、こうして物事を進展させていくニュースが聞けるのは、素晴らしいことだ」

 このP2 off-axisシステムは、定格60Vで20kgの重量となるバッテリーパックを搭載し、7.5kgの電気モーター、コントローラー、ポンプ、冷却パイプ、配線ケーブル類などを含めシステム総重量は64kgに抑えられ、コスワース曰く「NGTC規定ツーリングカーの運動性能にはほぼ影響を及ぼさない」範囲に納められた。

 これにより現行のサクセスバラスト制度は廃止され、Xtrac製共通ギアボックス内に収められたモーターにより40馬力のパワーゲインを獲得し、1ラップあたり最大15秒間の使用制限時間を調整することで、性能均衡を図る仕組みとなっている。

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